ヴァンパイア✞ストーリー оプロローグо
普通の女子高生。
…のはずだったのに。
いつから狂い始めたのだろう。
この物語は、学校帰りの放課後にてはじまる…。
「もぅ疲れたぁ…」
少女は疲れたように溜め息を吐く。
「男子も手伝ってくれないし…」
晴れた、空。
その日は満月だった。
雲一つなく、満月ははっきりと見える。
周りにひと気はなかった。
「……」
そこで、少女がふと立ち止まる。
「何これ…」
少女の視線の先には、マント姿の真っ黒な男が倒れていた。
暗闇なのでよくは見えないが、金髪なのは分かった。
(この人…やんきーさん!?)
「んあ…?」
少女に気づいたのか、男がゆっくりと立ち上がる。
「…誰だあんた」
「こ、こっちのセリフよッ
道端に倒れられちゃ迷惑なの!」
「…あんた言葉遣いには気をつけろよ」
「は…、ッ!?」
次の瞬間には、すぐ目の前に男の顔があった。
ゆうに少女と男の間には5メートルは開いていたのに、1秒とも経たず目の前にいた。
(……この人よく考えなくても危険人物なんじゃ)
そう思ったがもう手遅れだった。
「へぇ、気に入った。
今日からあんたの家に住む」
「え……?」
いとも簡単に告げられた言葉に、すぐには理解できなかった。
「…ええええええ!?」
「ちょ、うるせっ」
「う、うるさいとか関係ないしッ
え?私の家に住むってどういうこと!?」
「どういうことも何もそのまんまの意味なんだけど」
男の淡々とした声に、さらに混乱する。
「えええ、ええええ…住む…?
でもでもお母さんとかお父さんに相談…ってかなんで住む前提で考えてるの私ッ!?」
「…お前頭大丈夫?」
「んなッ!?」
(な、なんて神経のない奴なんだ…!)
少女はやけくそになって叫ぶ。
「あんたなんか、私の家に住めるわけないでしょおぉぉ!」
「まぁそれは、とりあえず家に帰ってから話そうぜ」
「家って…私の?」
「それ以外にどこがある」
(い、いちいち言い方がむかつく…!)
「あぁそうですか、できるもんなら住んでみないさいよッ」
「…後で後悔するなよ?」
「後悔なんてしませんッ
そんな簡単に他人を住ませるわけないしッ」
「それはどーかなー」
そう言いながら、男は歩き出す。
……少女の家の方向に。
ヴァンパイア✞ストーリー оプロローグо
なんか展開が早すぎる気がしますね(汗)
これを読んでいただいた方、これから先もお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
(こんな作品を最後まで読んでいただける方はいるのでしょうか…)