置き去りのぼく

素敵な世界だときみは言った

ゴミのような世界だとぼくはわらった

かなしそうな顔できみが泣いた

くるしそうな顔で誰かが叫んだ

美しさを知らないぼくは不幸だときみは言う

美しさを知らないぼくは不運だと誰かは言う

指をさされたぼくの背中は隠れる場所を探す

なにも見えないように目をふさいで

なにも聞こえないように耳をふさいで

呼吸ができないように鼻をふさいで

生きたいという言葉が出ないように口をふさいだ

置き去りのぼく

置き去りのぼく

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-04-10

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