HELLO HOW LOW?

新宿午前十時

新宿東口、有名な待ち合わせスポットを選んだのは彼女と会うのが

初めてだったからだ

「はい、右手に赤いカバン持ってます」

携帯電話は便利だ、待ち合わせで困る事はなくなった

「あの・・・ネットの人ですか?」

話しかけてきた表情の暗い美少女が「香澄」だった

「あぁ・・・佐竹さん?どっか話せる場所にいこうか」

新宿駅近くのカラオケボックス、そこに場所を移した

周囲を気にしつつ身を固くしているのは見知らぬ男と二人きりでいる怖さだろう・・・

「さてと・・・んで、どうしたいのかな?」

「私・・・生まれ変わりたいんです・・・なんかもう色々嫌な事ばっかりで・・・

リスカもやめられないし・・・」

「こちらは年齢を確認できる身分証を見せてくれればやるけどさ・・・でも

カウンセリングをお奨めするよ?」

「カウンセリングは・・・あの・・・本当にたすけて欲しいんです」

「報酬は「貴女の人生」簡単に言えば願いを叶える代わりに今後の人生を俺に

預けるって事、それで良いかな?」

「わかりました・・・」

香澄は覚悟した様に言った

ホテル「NEW LIFE」

新宿の利点は「なんでもある」事だろう

「安売りの殿堂」で買い物を済ませ近くのラブホテル「NEW LIFE」へ・・・

「NEW LIFE」は仕事部屋としてよく利用させてもらう、24時間の滞在金額が

相場より安い以外は狭いし汚いし・・・なホテルだった

香澄は警戒しながらついて来た

「俺が行うのは「記憶操作」・・・催眠術をかけて今の人生を封印して新しい場所で

生きる為の「記憶」を書き入れる・・・それで貴女は別の自分になれる」

俺は買い物袋からジュースを取り出すとグラスに注いで睡眠薬を入れた

「ベッドに座ってこれを飲んで」

香澄にグラスを渡すと少し戸惑ったあと一気にそれを飲み干した

施術自体は1時間ほどで終了した、何故記憶を消したかったのか?等を聞き出し必要な

情報を封印してゆく・・・


目覚めた香澄に以前の暗さはなかった

「あの・・・私・・・」

「案外キツイでしょ?「過去がない」ってのは」

俺は香澄の隣に座った

「ようこそ「NEW LIFE」へ・・・」

HELLO HOW LOW?

HELLO HOW LOW?

  • 小説
  • 掌編
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
  • 強い性的表現
  • 強い反社会的表現
更新日
登録日
2014-04-09

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 新宿午前十時
  2. ホテル「NEW LIFE」