practice(78)


七十八









 変わった積み木のひとつ,と見えていたけれど翔び終えるための動きを連動するものとして,胴の内側に纏める軽さの毛羽立ちを鼻の近くの風と直に感じながら,幅厚い木片で型どられた一文字の『O』は先が鋭い嘴と掛けられた,黄色い色とともに認めることが出来たのだった。
 あっちこっちを向く,首に合わせてぶら下がる様子からは小さなことしか窺えない。
 捲れる布の,向こうにある石造りの建物に下りる数羽は短く高い声で鳴いて,とんとんとんと,すぐに行った。鉢から零れた細々とした土を拾う手は,次に水を注ぐために持つところを握り締めて,日陰を信じて少し遠くの,太陽もまだ見えないよそ見をした,最後の一枚を大きく広げる婦人とエプロンと結び目と,掴み立ちを覚えるための皺くちゃなスカートに爪先がしっかりとした茶色の靴。懐中時計に耳をあてて秒針の動きをじっと聞く,視線は工房の道具の何処かにもない,飲み物を容れたカップの赤いロゴは筆記体で言う。日付を書き記してそのままのインクと,足跡を付けていったのは高く跳べる,こんな子。見上げる猫は,きいと開く古びた木戸を気にしているかも知れず,煙突掃除は朝早くから行われていてもいい。また高い空に指をくるくると回して,双眼鏡のレンズの二つを下にして,机に突っ伏した昨日からには陽光が射す。自転車が段差に跳ねた後,一人と二人で向かう,青と青のハケとペンキ。長方形の形が涼しげだと,重く丈夫な缶を運ぶ配達屋さんは右,左と進む。慎重な靴屋さんは靴紐の状態を着いてから知ろうとする,下絵を最後に仕上げる絵画を横目で見送りながら。
 裏っかわの素地に施された,曲線。色はないと分かる。名前などに頭から使われるかもしれなかった一文字。くぼみに消えたと思う,ところ。好きな意味から通してみて,動く羽ばたきを見つけた。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-04-09

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