喰う

絶対の命令です

あなたを好きだと証明するために、あなたとこんなにもひとつになりたいと思っていることを証明するために、食べなければならない。

これは自分から自分へ、絶対の命令です。

あなたを囲む全ての骨組み、その中に潜む器たち、隙間を埋める液さえ全て。

噛み、砕いて、流し込む。

さすればひとつになれるだろう。

あなたの呼吸はわたくしの呼吸、
わたくしの身体はあなたの身体、
眼にみえない心でさえ、その肉に織り込んで食べるのだ。

これは自分から自分へ、絶対の命令です。

その輪郭を無くして、わたくしと共に在ろう。この世界に２人で、全くおなじ場所に立つのだ。

あなたの過去も未来も、
わたくしの過去も未来も、
ひとつになって、混ざりあって
溶け合って、終いには、

終いには、まっさらなわたくしとあなたに。

まっさらなひとつの存在になれるのです。