ある日の僕と猫暮らし
なんてことはない、猫と暮らす少年のおはなし……
僕と猫暮らし、そしてポエムな日々。~チャプター1~
『猫は気楽でいいよ』とか、『犬って愛されることが仕事だよね、羨ましい』とか、みんなよく言うけど、
動物っていうのはその代償に、何かしら大きなものを支払っているからこそ、その姿がある。
飼い猫は幾分自由に生きているかもしれないが、家に縛られ、いつまでも自由にどこかへ行くなんてことはできない。
野良猫や野良犬は、明日を生きるために命をかけなければいけない。
飼い犬や飼い鳥は、一生を愛でられるためだけに注ぎ、生涯を小さな家の中で過ごさなければいけない。
そう考えると、人間は随分と自由に生きられる。……無論、それに伴うリスクはあるのだけれど……。
それでも、相手のことを何も考えずに、上辺だけでどうこうと判断するのは軽率だ。
『○○ちゃんはいいよね! 私と違って○○でさ!』とか、よく喧嘩の火種になるけど、
それだって、動物に羨ましいと言うのと同じだ。
だからこそ、僕たちはこの世に生まれてきた姿で、しっかりと短い生涯を終えなければならない。
ちょっと大げさかもしれないけれど、それが一番正しいことなんだ。
『にゃあん』
飼い猫は、窓辺に座る僕へと頬ずりしてきた。
……あぁ、わかっているさ。君だって大変だろう?
僕は小さく笑い、彼女の首元を撫でてやる。
彼女は満足そうに喉を鳴らすと、そのまま眠ってしまった。
「でも、やっぱり……」
猫は少し羨ましい……かも、しれない。
ある日の僕と猫暮らし
気が向き次第、更新していこうと思います。