幸守

幸守

いつからだろう…。君が僕の前から姿を消したのは。
どれぐらいたったんだろう…。君と僕が出会ってから。

幼馴染

中学2年の春頃。あの噂話を聞いた。「あいつ好きな奴がいるんだって、」「そうそう、あの同じ部活の…」僕は正直、驚いた。だって、僕の幼馴染であるあいつは好きなやつなんて居ない、そういうのに興味を持たないやつだった…。まぁ、この年頃なんて思春期真っ盛り。誰もがイチャイチャラブラブ化しはじめる。ちょっとオトナな世界を夢みたりするもの…。そんな時期だ。好きな人ぐらい出来るだろ、と軽く流していた。それから数ヶ月後、その話題は何処かへ消えたかのように思われた…、筈だったのに。また新しい噂を聞いた。「あいつ、付き合ったんだってさ」「何かね、付き合った人二股かけてるんだって噂だけど…」は…?思考が止まった。付き合った?確かにそういった。その後、二股?僕は半信半疑だった。あいつと付き合った人は知っていた。むしろ友達といえる存在だった。悪く言うつもりは無いけど、正直顔はいいとは言えない。二股の話に関しても…。その人に比べれば他にもたくさんいい人なんている。なのに、何故?何故、いい人じゃなくて、その人を選んだの?僕の心の中ではもやもやとした気持ちだけが募っていった。もやもやはとどまる処かむしろ悪化していった。そして、僕はその子に会って尋ねてみた。「あいつの事なんだけどさ…、付き合ってん…だよね?告白とか、そのどっちから?」「付き合ってるよ。あっちからだった。まぁ、いいかなって」軽く笑いながらその人は答えた。いいかなって?そんな簡単に…。僕の中のもやもやはさっきの言葉でヒートアップし、このままだと悪気のないその人にぶつけてしまいそうで、逃げるようにその場を離れた。

秘密

家に帰り、ベットに横になる。ぁー、もう何だかわからない。ゴチャゴチャと僕の心の中では入り混じっていて、やけになっていた。そうだ……。
ガラッと窓を開け、目をやる。見えた。そう、ここからあいつのうちが見えるのだ。これが最早自分の日課となっていた。カーテンはレースのものしかついてなく、中は丸見えだ。あいつの姿が見えれば何故か胸が痛くなった。あいつには妹がいる。僕はその子と仲がいいのでたまに遊びに行ける。あいつに会えればいいな…とか。そんな事で頭がいっぱいだった。妹の話は上の空よく聞いてる?と尋ねられる。そのたんびにふと我に返り自分は何をやっているんだろうとため息をついた。そうだ、何で僕がこんなにもやもやしてるんだろう。あいつの事だ。僕が口を挟めるような事じゃない。そんな事重々承知の筈なのに…。そんな自分が嫌になり、ベットに蹲る。無性に悲しくなる、淋しくなる。何故だろう、何故あいつにもやもやしてるんだろう、何故その人にもやもやしてるんだろう。その答えなんて簡単に出る、自分でも分かっている。ただあいつと一緒にいて、楽しく喋って、馬鹿みたいに笑えればそれで満足したのに。いや、多分それだけじゃたりない。一緒に居て一緒に色んなとこに行って一緒に笑って…。自分のものにしたい。自分だけのものにしたい。こんなにも僕はあいつの事思ってるのに、その人しか見てないんだ。不公平だ、僕がどんなに望んでも叶わないのに…。結局は僕よりその人を選んだ。どうせ子供の口約束なんて叶いっこなかった。そんなこと分かってた、分かってる。そっか、その人が邪魔なんだ。その人さえ居なければ僕を見ていた筈なのに。その人なんかより僕の方がもっともっとあいつを知っているのに。邪魔で邪魔で邪魔で邪魔で仕方ない。あいつには悪いけどその人は汚い虫なんだ、仕方ない。そう、そうだ。仕方ないんだ。あいつを守るんだ、僕が守ってあげなくちゃいけないんだ。早く僕の元へ戻ってくるように……。好きだ、ずっと離れないように……

幸守

最後までご覧頂き誠にありがとうございます!
楼亞栾初の作品でした!やっぱり物語を考えたりするのはワクワクしますね(∩´∀`)∩

幸守

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-04-07

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  2. 秘密