頬白の鳴きし故郷/新編(補作)
松の梢の頂に 止まりて鳴くは山雀
深き五月の青空に 雲は流れて山遥か
緑の小道に 花揺れて 煌めく小川のせせらぎに
泳ぐ魚の緩やかに 木々も招くや過ぎし夢
畑に集いし懐かしき 人の面影いまはなく
松風の音爽やかに 緑の谷間を吹き抜けて
我呼ぶ声は幻の 蓮華の原に消えてゆき
落とす涙に振り仰ぐ 松の梢に頬白の歌
君住む家は寺下に 過ぎにし恋の夢の跡
胸の面影今もなお 変わらぬままの君ゆえに
切なさつのる桜道 苦しき春の思い出に
絶ちたる想い溢れきて 眼がしら潤む故郷の空
*以前の作品に補作しました。如何でしょうか。
気に入ってくれたら嬉しいのですが。(いずみ)
頬白の鳴きし故郷/新編(補作)