頬白の鳴きし故郷/新編(補作)

松の梢の頂に 止まりて鳴くは山雀

深き五月の青空に 雲は流れて山遥か

緑の小道に 花揺れて 煌めく小川のせせらぎに

泳ぐ魚の緩やかに 木々も招くや過ぎし夢


畑に集いし懐かしき 人の面影いまはなく

松風の音爽やかに 緑の谷間を吹き抜けて

我呼ぶ声は幻の 蓮華の原に消えてゆき

落とす涙に振り仰ぐ 松の梢に頬白の歌


君住む家は寺下に 過ぎにし恋の夢の跡

胸の面影今もなお 変わらぬままの君ゆえに 

切なさつのる桜道  苦しき春の思い出に

絶ちたる想い溢れきて 眼がしら潤む故郷の空



*以前の作品に補作しました。如何でしょうか。
気に入ってくれたら嬉しいのですが。(いずみ)




 

頬白の鳴きし故郷/新編(補作)

頬白の鳴きし故郷/新編(補作)

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-04-06

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