依存愛


指を絡んでも
舌を絡んでも
足りない
まだ足りない

手を繋いでも
体を繋いでも
足りない
まだ足りない

肉に 血に 細胞に
もう君という成分がないと
生きていけない

骨に 臟に 毛髪に
もう君の匂いが染み付いてないと
息ができない

接吻を交わしても
誓いを交わしても
不安になる
こわくなる

約束を結んでも
契りを結んでも
不安になる
こわくなる

ねえ、
こんな私ってこわい?
ねえ、
こんな私っていや?

だってほしいよ
もっとほしいよ
ほしくてたまらない

砂漠に彷徨う
旅人の喉のように
烈日に曝される
畑の苗のように

蜘蛛の糸にしがみつく
犍陀多のように
悠一の「美」に飢える
俊輔のように

いや、違う
それらよりもっと
もっとだ

いつでもいくよ、じゃ足りない
いつもここに来て
そばにいる、じゃ足りない
私の中にいて

私の肉となり
私の血となり
私の骨となり
私と一つになって

いつも
いつも
ずっと
ずっと
一緒に
一緒に
いられる

依存愛

依存愛

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-04-03

CC BY-SA
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