最後の願い
初☆投稿作!!
見てやってください。
出会い―または腐れ縁の開始
春といえば皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
桜、暖かい、新学期、入学式………
だが、私、立川柚葉の春といえば―花粉症である。
「ねぇ、柚ちゃん」
隣で天使のさえずりかと思われるような美しい声が聞こえる。
まぁ、その声の主は私の友達である結子のわけで。
結子こと藤澤結子は美少女である。それも十人中十人が振り向くほどの。
「何?」
「柚ちゃん、今日は調子いいんだね」
調子がいいとは花粉症のことだ。二週間前から飛び始めた花粉は私に多大なダメージを与えている。しかし今日は神様が苦しんでいる私をみて哀れに思ったのか症状が全く出ていない。
「いつもそうだったらいいのに」
「そうだね」
そして、そうこうしているうちに私達は新しい学校に着いた。
しかし結子は別のクラスだった。どうしてよ、神様!!
まあそんなこと言ってても現実は変わらない。諦めて私は自分の教室のドアを開けた。
どうやら黒板に席順が貼られているらしい。見ると私の席は中央の列の後ろから二番目の席だった。なんと微妙な位置なんだろうか。
だが私は自分の席には座れなかった。なぜなら知らない人物が既に私の席に座っていたからである。
―これが私と結城大輔の出会いだった。
始動―または仲間の終結
こ、これはどういう状況?!
私の席ってここだよね、そうだよね!
なぜ知らない人が寝てるのー!!
「ん?」
ようやく寝ていた人が起きたようだ。
よし、退いてもらおう。
「すみませ………」
「………まだ朝か」
また寝ちゃったよ!どうすりゃあいいのさ。
「あの~どうかしたんですか?」
良かった、真面目な人がいた。
「なんか席に座ろうとしたら先にこの人が座っちゃてて」
「毒でも盛りますか?」
あれ?なんか今、変な単語が聞こえたような。
「嘘ですよ。私は藤岡ルカっていいます」
「ああ、よろしく」
「その人、ほっといたほうがいいですよ。起きたら起きたらでめんどいし」
「この人と知り合い?」
「小・中と同じでした」
「なんていうか………御愁傷様?」
「いつもの事ですから」
そう言ってルカは小さく笑った。
その後、担任に言うと、結城が
「俺、この席がいいです」
とか言い出して私と担任が嫌だと言ったのにも関わらずその席に居座った。
しかも、「これ以上出席順を乱すわけにはいけないから」ということで私が結城の後ろになった。
………あーあ、私の高校生活がすでにめちゃくちゃだよ。
ルカはごめんねとなぜか謝ってきた。
(でもこれはこうなるのが必然)
「ん?ルカなんか言った?」
「頑張ってね」
と、よく分からない励ましを受けて、ちょっと頑張ろうという気が起こってきた。
とりあえず結城の後ろということで毎日背中を見るので観察をしてみた。
一限目→寝る
二限目→寝る
三限目→寝る
ここまで言うとわかるだろうがずーっと寝てた。気持ち良さそうに。
先生に当てられても寝続ける。ある意味凄い。
休み時間も寝る。何があっても寝る。体育は起きてるみたいだけど。
まあ、私はちょっと他人として見守ってたんだな、これが。
この後自分に何が起こるか分かるはずもなかった。
ところで私の隣の席は空っぽである。
担任が入学式の日に階段で滑って右足を骨折したらしい。なんて間抜けな奴なんだろう。
そいつが来たのはゴールデンウィークも明けて一週間ほど経った頃だった。
その日は結子の家に行ったら風邪で休みと言われたのでちょっと調子が狂い、いつもよりかなり早く学校に到着していた。
さすがに始業より一時間早いのだ。たぶん誰も来ないだろうと思っていたら教室の鍵が開いていた。ちょっと茶髪がかった髪の毛の少年が私の隣の席に座ってぼうっとしていた。
私は今でも覚えている。彼を見た時のことを。
暴走―または私が壊れた日
只今の私の現状はおかしい。どう考えても奇妙な立場にある。
前には結城大輔(現在も睡眠中)、隣には入学式の日に骨折してしばらく来なかった男。
そして、藤岡ルカ。彼女がなぜその対象に入ってるかというと少し前に遡る。
「ねぇ、柚葉」
「何?」
「あの人達と喋った?」
「誰と?」
「結城大輔と山之内翔」
「山之内って私の隣の席だよね。喋ってないけど」
「あ、まだか。ごめんごめん、聞かなかったことにして」
「うん?」
とまあかなり怪しい雰囲気を醸し出している。
私の周りにはろくな人間がいない。今も、昔も、たぶん未来も。
昔のことを思い出すのは今でも辛い。
さて、そろそろ部活勧誘が始まる。私の学校では今の時期からするらしい。私は特になんの興味も持たないので帰宅部にすることにする。
>>>途中です。
最後の願い