捨てられないモノ 4

5.真実


 僕はおじいさんを探している間に迷子になった。山から少し降りたところなのだろうが周りに背の高い木が多くてどこにいるのかわからない。とりあえずテントに戻るために山を登り始めた。少し歩くと前には日本軍の人が何人かが血を流して倒れていた。僕は驚いたがすぐに気持ちを冷静にさせて生きているかどうかの確認をし始めた。確認したがみな息がなく死んでいた。なかには村里さんと佐藤さんがいた。僕は正直佐藤さんのことをよく知らない。突然佐藤さんはなにものなのか気になり佐藤さんのポケットのなかにあった財布を取り出した。財布の中にはカードが多くあり日本軍であるという証拠のカードもあったが、ロシア軍であるという証拠のカードもあった。しかし、ロシア軍のカードの方は期限が五年前のものであった。佐藤さんは元々ロシア軍の人間だったとここでやっと理解した。僕はそのカードを持つと涙をこらえながらテントへ向かって歩いた。
 その時はもう空は暗く、星が多く出ていた。

捨てられないモノ 4

続きあります!!

捨てられないモノ 4

捨てられないモノ 3の続きです。

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-11-20

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