捨てられないモノ 1
この作品には、続きがありますので、「捨てられないモノ 2」という形で投稿してきます。
もくじ
1.開幕
2.変わらない
1.開幕
2236年、世界は何も告げることなく第三次世界大戦が幕を開けた。
2236年の暑い夏。アメリカのホワイトハウスがロシアの戦闘機に攻撃された。詳細は、ロシアの戦闘機一機がホワイトハウスに向けて一発のミサイルを発射した。それの影響でホワイトハウスは全焼し、跡形もなく消えた。大統領は運良くホワイトハウスにはおらず、今は安全な場所に避難したらしい。そして、アメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ陸軍が戦闘準備体制に入っているそうだ。とテレビでやっていた。
そのころ僕の家の外では、サイレンと共に多くの人の声が聞こえていた。留守番をしていた十歳の僕は何もできずに家でお母さんとお父さんを待っていた。こんなときに限ってお父さんとお母さんは、東京まで日帰りの仕事だった。しかし僕は逃げることもなく、テレビを見ながらお母さんとお父さんの帰りを待っていた。
午後七時半ごろ、サイレンの音と人の声がしなくなった。まだお母さんとお父さんは帰ってこない。テレビによれば、朝の一件で、交通がマヒしているらしい。その時だった。ニュースキャスターやその周りにあるセットが赤く染まったかと思えば、電気が消えた。ラジオを出したが、どこもやっていない。少し怖くなった僕は、友人のタケちゃんに電話をしようと視界が悪い中を歩いて電話のあるところまでたどり着いたが、電話が使えなかった。僕は、とりあえず懐中電灯を探すことにした。なんとか見つけ出した懐中電灯と携帯ゲーム機。その二つで僕は時間を過ごした。
なんとなく時計を見ると針が九を指していた。僕は慌てて布団に潜り込み眠りについた。
2.変わらない
午前四時、輝く太陽と一緒に鳴るサイレンの音。僕はサイレンの音で起きて、なにごとと思い外に出るとそこには大勢の軍の人たちがいた。みな銃を持っており、肩には、日本の国旗のワッペンを付けて左にはアメリカの国旗のワッペンを付けていた。そして、みなが僕を見ていた。
ひとりの男の人がこちらに駆け寄ってきた。
「君、一緒に来なさい。ここは危ない。海が近くて、いつ海軍がやってくるかわからないし、東京にも少し近い。おじさんと一緒にくればここよりは安全な場所に連れて行ってあげるよ。」
僕にはこの人の言っていることがよくわからなかった。
「僕は、お母さんとお父さんをここで待ってるの。」
と答えた。
「お母さんとお父さんはどこに行ってるんだい?」
とおじさん。
「東京。」
と僕。
「そうかい。なら安心だ。お母さんとお父さんは戻ってくるのが遅くなる。それまででいい。付いてきなさい。」
僕は何となく「うん」と答えてしまった。
おじさんが僕をおんぶすると軍の人全員が動き始めた。一時間ぐらいしたところで、山に差し掛かった。
山に差し掛かって何時間経っただろうか?僕は、小さな村にいた。そこには大きな車や軍の人がたくさんいた。
おじさんが僕に
「今日からここで暮らすんだよ。」
と言った。
捨てられないモノ 1
まだ続きがありますのでボチボチ投稿してきます。最後までよろしくお願いします!!