もっと寒いところに立たされたい
夜、外に出てみると、なんだかその暗くて寒い空間にいい感触を覚えた。
気持ちよかった。解放されたような気がした。もっとこの中にいたいと思った。
ずっと部屋にこもっていたせいなのか。
暖炉のついた部屋にこもって、暖かく包まれて、何か大切なものを失われた気がする。
暖かい部屋にいて、何も考えなくなってしまっている自分が怖い。
動けなくなりつつある自分が怖い。
もっと寒いところに立たされたい。
もっと窮地に追い詰められたい。
もっと険しい状況に陥られたい。
だって。。。
暖かいところにいると、ついつい安堵してしまう。
安堵してしまうと、ますます怠けてしまう。
怠けてしまうと、もう何もできなくなってしまう。
もっと寒いところに立たされたい。
寒いところにいないと、寒さを感じられない、寒さを忘れてしまう。
寒さを忘れたら、暖かさの有難さも忘れてしまう。
それが怖い。それがいけない。
だから、わたしは、
もっと寒いところに立たされたい。
もっと寒いところに立たされたい