ツナイダコノテ
”ツナイダコノテ”を絶対に離さない。
あの頃のあの夏に戻りたくなるような
横山魁人とその仲間たちの
青春恋物語
~主要人物~
横山 魁人(ヨコヤマ カイト)
木下 陽平(キノシタ ヨウヘイ)
道端 涼香(ミチバタ スズカ)
ツナイダコノテ 1
太陽がガンガン照りつける7月の中旬。
これから夏が始まるってのに太陽様はもう元気すぎる
授業は6限目が終わりホームルームの時間だ。
「夏休みは十分、事故やケガに気をつけるんだぞー宿題はちゃんとやって…」
先生は夏休みの注意事項や宿題について説明している。
あーあっついなー…なんて俺は机でうなだれていた。
ぐだぐだと話が続きホームルームが終わった。
「なぁ魁人!今日放課後つりでもいこーぜ!」
「え~こんなあっちいときにかよーせめて夕方とかにしよー」
「仕方ねーな。んじゃ、4時半に川原に集合な!」
と勢いよく言い残して陽平は教室を出て行った。
帰る準備を終えて教室を後にした。
いつもの道を暑さにうなだれてだらだらと歩いていた。
「魁人ー!」
あ、涼香だ。
絡まれるとめんどくさいので呼ばれたけどガン無視。
気づかないふりをして歩き続けた。
「魁人!何で無視するのさー!」
「だって絡まれるとめんどくさいんだもん」
「そんなこと言わないで、家近いんだから一緒に帰ろうよ~」
「この年になってまだそーゆうこというのかよー、いい加減に1人で帰れないのかよ~」
「だって1人で帰ってもつまらないじゃん!だからお話しながら帰ろうよー!」
「はいはい」
そのまま20分の帰り道を宿題が多いとか夏休みはこれがやりたいとか
クラスメイトの愚痴を聞いたりいつもどおりのやり取りをしながら帰っていた
「俺これから陽平と釣りだから今日はここまでな、じゃあなー」
これでやっと家に入れると思った、けど今日はそうはいかなかった
「魁人、今日一緒にいてよ」
え?こいつなにいってんだ?
涼香のやつこの暑さで壊れちまったのか?
「は?何いってんだよ?これから釣りに・・・」
「いいから今日は一緒にいてよ、今日くらいわがままきいて…」
涼香は目をうるうるさせて俺のことを見ていた。
「ど、どうしたのさ?なんか悪いものでもくったのか?」
「そうじゃない」
「だってこんなあっついときに一緒にいても暑いぞ?」
「だからそうじゃないんだって!魁人と一緒にいてほしいの
だから今日は私のうちに来て」
・・・ん?
今日はただ事じゃないことが起きている。
いったいどうなるんだろ
~ツナイダコノテ 1 ~
ツナイダコノテ2
涼香に引っ張られるまま家に連れていかれた
道中に、なんでよ!なんでふたりきりなんだよ!とか
いろいろ言った気がするけど
涼香は知らんぷりで自宅にいった。
ガチャ
懐かしい部屋だ。
最後にここに来たのはいつだろうと思っていたのもつかの間
いきなり抱きつかれた。
「は!?い、いきなりなんだよ!」
ちょっと言い過ぎたかな、なんだか抱きついたまま動かないけど大丈夫かな?
そんなこと思っていた。流石に涼香も年頃の女の子だしいきなりこんなことになったら
こっちもこっちでどうしていいか分からない。
抱き返せばいいのか、突き放せばいいのか
俺はどっちにすればいいんだろう。
神様よ…こーいうときはどうすれば…
「…ねぇ…魁人、今どんな気持ち?」
…
…
…
え?これ、どーゆうことなの?
俺どーすればいいの?
どんな気持ちって確かにドキドキするけど相手は涼香だ。
恋愛だとは思えないし何なんだろ
答えれるわけねーだろ!!
「えー…どんな気持ちっても涼香に抱きつかれればドキドキはするけど恋愛感情ないし、そのドキドキって言うビミョーな気持ちとしか…」
…
…
沈黙。
「なぁ、俺帰るな、なんかごめんよ!」
一言残して涼香の部屋を出た。
あーもやもやが…どうすりゃいんだよ。
とりあえず家帰るか。
涼香side
あーやっちゃった。
魁人相手になにしてんだろ。
私バカだな。
なんで寂しさを魁人なんかに。
うん…
…
…
ツナイダコノテ2
ツナイダコノテ3
昨日、涼香とあんなことがあって夏休み初日だとゆうのにだるい。
なんだかんだで陽平との釣りの約束もすっぽかたしぐだぐだだ。
ただ
涼香『魁人一緒にいて…』
あんなこと言われたら頭の中モヤモヤするし
いくら幼馴染みでもなんか気持ちの持ち方が変になる…
あーあ、俺どうすればいんだろ。
す、き、なのかな?
考えれば考えるほど訳がわからない。
うん、陽平に電話でもしてみるか。
『ただいま電話にでることができません…』
………
本当についてないよな。
まさか親友にまで見捨てられるとは…
こうなったら自分で解決するしかねーな、涼香の家いって直接決着つけよう。
気持ちを決めて家を飛び出した。
ツナイダコノテ