Facegame - knock. 1
時代は進化してるはず なのに なんなんだこの追いたれられる感覚は・・・
進化するコミュニケーションツールは 我が存在を一瞬に世界へと発信し、同時に我が存在を、抹消する道具となる
スタ、スタ、、スタ、スタ、、なんの楽しげもないすたすた降る雨のなか、光を失った目がコウコウと光るパソコンの画面をのぞきこんでいた
時間は午前2時 背後からアジア系のたわいも無い会話がうっすらと聞こえる・・・
気の抜けた缶ジュースを飲み干し あたまをかきむしり 激しいタイピングで風俗サイトに画面を切り替えた
おとこたちの夜 いくつもの夜がまた、世界中いたるところではじまる・・・
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「部長 もうおそいので帰ります。こどもが明日運動会なんです」
「キョウコ君 ご苦労わかった」
目をかわしさっと帰っていく女のケツをみた、
ドアが閉まると 携帯を開き連絡を確認する
ためいきを付くと 色をなくした眼球がコウコウと光り浮かび上がる複雑な設計図を睨んでいた。
目の下がひくひくとわずかに痙攣し ふかいなゲップがこみ上げる
メールの呼び出し音がなった 「また迷惑メールか・・」
ビルの窓の向こうに無数の光がまたたき、 おとこの目に光をあたえていく・・・・
すこし背中が振るえた
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「は、? なんだよその解像度、、低すぎだよ お前よくそれでいつもえらそうなゴタクたたいてんなあ それで仕事ができるわけないだろうが、この顔がだれだかわかんなきゃ意味がねんだよ」
黒ずくめの背の高い男は かがみこみ痩せたおとこのみみもとでゆっくりと囁く
「、、、、、 もうちょっとでできるはずです、もうすこし待ってください。 」
キーボードをたたく音が激しくなり 画面を見つめる眼に、浮かぶ光がゆらゆらとしていた
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「え~ 買ったの~!!? 新型の携帯」 「見せて わ~ うすっ!」
「わ~ 何この動き~www 」 「ちょーおもれー 」
「え それで写真とって 、、、 なんか撮った顔を変な顔とかに編集とかできるでしょ? 」
「まじで??」
「みきちゃんの顔撮ってみてよwww どんな顔になるか見たい!www」
「イヤだー!!!」
「はい いくよ~」 「いやだ~」 「もう~やめて~」
「 あ~ 撮れたけど 顔がすこしゆがんでるwwww」 「お化けみたい」 「www」
「もう やめてって~、、、」
「あははは 」
「あれ・・・」
「どうした??」
「また 変な文字が出てきた、、、」
「どれ みしてみ~、、、」
「なんだこれ 韓国語??中国???? wwww」
「あ、、 大丈夫、保存できた。。」
「なにそれ買ったばかりでしょ??」 「交換してもらったほうがよくね??」
「そうね・・・・・・ めんどくせ、ま、大丈夫でしょ」
「前の機種もたまに出てたんだけど・・・ 変な文字・・」
「おまえのそれ・・・ まがいもんじゃね・・・! www」
「がははははー」
「ばか 買ったばかりの 最新次世代携帯だぞ!」
「そりゃ~ なんでもとれるだろ~ www」
「お目当てのあの子のハートもね!! www」
「がはははははーwwww」 「やかましい!!!」
「さあ飲も飲も 就職活動も終わった~! あとは一流企業のすばらしき人生が待ってるだけだ~
いえい~ のものもー かんぱ~い!」
Facegame - knock. 1