にいちゃんなんか、だいきらい

兄弟の弟の日記のような内容です。絵は得意じゃないので載せてないです。
仲の悪い兄弟が成長するにつれて仲良くなる話です。はじめての作品なので、あまり自信はありません(。。;)
「へたくそー」と思いながら、読んでいただけるとありがたいです。
誹謗中傷等の書き込みは、ご遠慮願います。

1.いじわるにいちゃん

ボクのにいちゃん。

からだがでかくて、たいどもでかい。

おかあさんのいいつけを、ぜんぜんまもらないんだ。
だからね、ボクがね、「いけないよ。」っていったんだよ。

そしたら、くつをかくされた。
かってもらってばかりだったのに。

にいちゃんなんか、だいきらい。

2.むかむかにいちゃん

ボクのにいちゃん。

きょうはね、にいちゃんとタコいとであそんでたの。
おうちのなかでね、ぐるぐるぐるーって、まわしてね。

たのしかったの。
でもね、ずっといとはね、にいちゃんがもってたけどね。

そしたら、とうちゃんが、「やめなさい」って。
ボクはね、とうちゃん、おこったらこわいからやめたんだよ。

にいちゃんはね、とうちゃんにおこられて、もっとおこったみたい。
もっともっと、

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるー

って、まわしたら

ひゅるひゅる がシゃんっ ガコガゴ ギギッギ

せんぷうきにからまちゃった。

とうちゃん、ぷんぷんおこって、にいちゃんは、せいざさせられた。

せんぷうきがこわれちゃったから、あつくてねれないよ。
にいちゃんのせいだ。

にいちゃんなんか、だいきらい。

3.かんけりにいちゃん

ぼくのにいちゃん。

かんけりにいれてもらったんだ。
にいちゃんのともだちと、にいちゃんと、ぼくとでね。
かんけりね、だいすきなんだ。どきどきしてね。

にいちゃん、しょうがっこうでともだち、たくさんできたみたい。
いいな、いいな。ぼくも、しょうがっこういきたいな。

「まけたヤツが、おにな。」
じゃーんけんぽん!

じゃんけん、まけちゃった。
よぉし、みんなみつけるぞ。

カラン コロン かきーん コロロロロン

なんかいやっても、だーれも、つかまらない。
ぼくは、にいちゃんたちに、けられたかんを、とってはたてて、とってはたてて。
くやしくて、くやしくて、なきたくないのに、なみだがぼろぼろぼろ。

にいちゃん、
「たのしくない。」
ってどっかいっちゃった。

かんけりなんか、きらい。
にいちゃんなんか、だいきらい。

4.じてんしゃにいちゃん

ぼくの兄ちゃん。

しょうがっこうではね。みんなじてんしゃにのってたんだ。
ぼくのいとこの、まいちゃんもね、なつくんもね、
ほじょりんなしで、のれるんだよ。

だから、兄ちゃんにおねがいした。
じてんしゃののりかた、おしえてくださいって。
兄ちゃん、「いいよ」っていってくれたんだ。
うれしかった。

ぼくのは、ほじょりんついてるから、兄ちゃんのかりた。
兄ちゃんのじてんしゃでかいから、ぼくは、ぺだるに足つけるのやっとだった。

兄ちゃん、
「うしろでささえてるから、まえむいて、こぐんだぞ。」って。
ぼく、いっしょうけんめい、こいだ。
そしたら、
スイスイスイーってすすむんだ。

やったよ!

っておもって、うしろをみたら、兄ちゃんいなかった。
ぼくは、あせった。どうしよう、どうしよう。
だって、足がじめんにとどかないから、じてんしゃとめられないんだ。

がしゃん!

じてんしゃが、たおれちゃって、ぼくもいっしょにたおれた。
わーんって、ぼくがないたら、
兄ちゃん、わははってわらってた。

兄ちゃんなんか、だいきらい。

5.サンタにいちゃん

ぼくの兄ちゃん。

さいきん、ぼくのまわりは、みんな同じはなしをしてる。
いとこのまいちゃんともなつくんとも、同じはなしをしてる。

それはね、サンタさんのはなし!
もうすこしで、クリスマス!
ぼくは、1年でいちばんどきどきするときなんだ。

サンタさんって、ほんとにいるのかな。
でも、お父さんお母さんだっていううわさもあるよ。
ほんとはどっちなんだろう?

ぼくは、兄ちゃんにきいてみた。
「サンタさんって、いると思う?」

兄ちゃんは
「いるわけないだろ、バカ。」
っていってどっかいった。

ぼくは、ぼうぜんとした。


しばらくして、お母さんがきて「どうしたの?」ってぼくにきいた。
ぼくは、お母さんに
「サンタさんはいないの?
 サンタさんは、お父さんとお母さんなの?」
ってきいた。

お母さんは、こまったかおをした。
そのとき、お母さんがなんて言ったかはおぼえてない。
何日かたって、サンタさんからてがみがきた。
でも、ぼくはしんじられなかった。

ぼくは、
「ほんとうのことをおしえて。」
と、お母さんにせまった。

お母さんは、ほんとうのことをおしえてくれた。
ぼくは、そうなんだって、なっとくした。

ぜんぜんショックはうけなかったよ。
なんとなく、気づいてたからね。

クリスマスの朝、まくらもとにプレゼントはなかった。
もう、あんなにどきどきしたクリスマスはこない。

兄ちゃんなんか、だいきらい。

6.ケイタイにいちゃん

ぼくの兄ちゃん。

兄ちゃんがケイタイを買ってもらった。
中学生で、部活もあるから、とくべつなんだって。
兄ちゃん、とってもうれしそう。
ぼくにもさわらせてほしいけど、ダメだって。
いつものことだけどさ。


ルルルルル ルルルルル
休みの日、家でゆっくりしてたら、家の電話がなった。

プッ
ぼくが、電話をとろうとしたら、切れちゃった。
ちょっと行くのがおそかったかな。
まぁ、用があるなら、またかけるだろう。

ルルルルル ルルルルル
ほら、きた。

プッ
あれ、また切れた。

ルルルルル ルルルルル
なんだ?またきた。

プッ
え?また切れた。

家の電話は、ぼくが受話器をとろうとしたしゅんかんに、何度も切られた。
ぼくは、だれかに見られているみたいで、とても気味がわるくなった。

ルルルルル ルルルルル
また電話がなった。
ぼくは、こわくて、電話をシカトしたんだ。
そうしたら、今度はいつまでたっても、切れないんだ。

ぼくが、電話を止めようと思って立ち上がったら、また電話が切れた。
ぼくが、こんわくしていると、兄ちゃんが庭にいるのが見えた。
兄ちゃん、ケイタイを取り出して、何かを押した。
そしたら、家の電話がルルルルルって鳴り出した。

ぼくは、訳がわからないって顔で、兄ちゃんをみたら、
兄ちゃん、ニタァって笑って、どっかいった。
ぼくは、兄ちゃんが何をしてたのかわかるまで、10秒かかった。
10秒後、ぼくはかんかんになって兄ちゃんを探した。

兄ちゃんなんか、大きらい!

7.高校生にいちゃん

ぼくの兄さん。

ぼくの兄さんは、高校生になった。
ぼくは、小さいころに比べて、兄さんと話さなくなった。

兄さんは、家に帰るのがだいぶ遅くなった。
何をしているのかは、よくわからない。
母さんは、少し不安そうだ。

毎年、いとこと一緒に行っていたキャンプにも行かなくなった。
小さいいとこの、ゆうやや、りょうは、兄さんがキャンプに来なくなったことが不満みたい。

兄さんは、食事もあまり家族と食べなくなった。
なんとなく、家の空気が重くなった。

兄さんなんか、大嫌い。

8.泥棒にいちゃん

僕の兄さん。

母さんの財布から、お金が無くなったようだ。
母さんは、僕に財布を自分で、きちんと管理するように言ってきた。
誰がやったかは、わからない。
でも、お金は全部を持っていかれたんじゃなくて、ちょっとだけ取られてらしい。

だから、もしかしたら、兄さんがやったんじゃないかって

母さんは兄さんを信じたいみたいだったけど
ぼくは疑ってた。

ある日、部屋を掃除してたら、幼いころに遊んでいた、おもちゃ達がなくなっていることに気付いた。
それを母さんに聞いてみたら、母さんの指輪もなくなっているらしい。
僕は、兄さんがやったんじゃないかって母さんに問い詰めた。
母さんは、証拠もないのに責めることはできないって、悲しそうな顔をした。
その指輪は、母さんの大切な大切な指輪だったんだ。

僕は、兄さんに何も言えなかった。
母さんが何も言わないのに、僕が言えるわけないじゃないか。
おもちゃなんかよりも、母さんを悲しませた兄さんが憎かった。

兄さんなんか、大嫌い。

9.けんかにいちゃん

僕の兄さん。

今日は、久々に家族そろって夕飯を食べることになった。
しかも、メニューはなんとステーキだ!

僕は、なんだかんだで結構うれしかった。
兄さんのことを許した訳じゃない、ただ家族がそろうってことが、うれしかっただけだ。

兄さんと父さんが向い合せに座って、僕と母さんがその隣に座った。
はじめは、母さんが話しをしてて、それに僕がうんうん言ってたっけ。
兄さんがたまに、「はぁ?」とかいいながら、入ってきて、父さんはご飯、もくもくと食べて。
それで、終わるはずだった。


だけど、何でだろう。


兄さんと父さん、車の話をしだして、
キズがなんたら、かんたら...

だんだんと話がヒートアップしてきて、
兄さんと父さんは、また口げんかになってしまった。

でも、今日のはひどくて

父さんがキレて
「くるすんぞ!(殺すぞ)」
って言ったら

兄さんが
「できるならやってみろ!」
って、机の上に包丁を投げつけた。

父さんが、止めるのも聞かないで、兄さんはそのまま、部屋に帰った。

その日から、僕は兄さんと口を聞くのをやめた。

兄さんなんか、大嫌い。

※「くるすんぞ」とは、沖縄県の方言。
標準語に訳すると「殺すぞ」という意味だが、「こらしめるぞ」という意味合いに近い。

10.家出にいちゃん

僕の兄さん。

おばあちゃんが入院した。
心臓の病気で、手術が必要なんだ。
おばあちゃんは、僕たちが子供のころからずっとお世話になってる。
父さんと母さんが共働きだから、小学校から帰るときは、いつもおばあちゃん家だった。

僕と兄さんは、おばあちゃんのお見舞いに行った。
おばあちゃんは、手術後でICUに入ってた。

呼吸器をつけてたから、話しはできなかったけど、手をつなぐことはできた。
おばあちゃんの顔を膨れてて、なんだかおばあちゃんじゃないみたいだった。
僕は、おばあちゃんの前では笑ってたけど、裏でこっそり泣いた。
兄さんは、おばあちゃんに会いたくないって、会わなかった。
きっと、顔を見るのがつらかったんだと思う。

しばらくして、おばあちゃんは少し元気になって、ICUから普通病棟に移れることになった。
ぼくは、母さんと一緒におばあちゃん家に、おばあちゃんの荷物を取りにいった。

そうしたら、兄さんがおばあちゃん家のソファで横になりながら、テレビを見てた。
おばあちゃん家には、食い散らかしたお菓子とかカップめんが散らばってた。

母さんが何を聞いても
「うっさい!」
としか言わなかった。

僕は、かんにん袋の緒が切れた。

「おばあちゃんがこんなときに、なにしてんだよ!」

僕は、はじめて兄さんに楯突いた。

「あぁ!」
兄さんは、ソファから飛び起き、僕の目の前に立ちふさがって、僕を睨みつけた。
とっても怖かった。涙があふれそうになるのを必死で堪えた。
でも、僕は兄さんから目を離さなかった。

兄さんに殴られる。

そう覚悟した。



けど、兄さんは僕を殴らなかった。

兄さんは、何か言いたげな表情をしてソファに戻った。


兄さんなんか、大嫌い。

11.お隣にいちゃん

僕の兄さん。

おばあちゃんが、退院した。

兄さんが散らかした部屋は、お母さんがキレイに片づけてくれていた。
おばあちゃんは、退院したばかりは、体力がなくて少し弱々しい感じだったけど、しばらくすると、もとの元気なおばあちゃんに戻った。
僕たちはとてもほっとした。


退院から1か月後、
夜遅く、家に電話がかかった。
相手は、健二叔父さんからだった。
おばあちゃんの容態がよくないらしい。

僕たちは急いで、おばあちゃんの家に集まった。
おばあちゃん家には、健二叔父さん、明義叔父さん、三奈美叔母さんが集まっていた。
おばあちゃんは、少し苦しそうにベットの上で寝ていた。
容態は良くないみたいだけど、「救急車を呼ぶほどでもない」とおばあちゃんが言うのことで、
これから病院に連れて行くか、明日の朝まで待って、病院に行くか、話し合いが始まった。
僕と兄さんは、ただその話し合いを聞いていた。
数分後、話し合いの結果、明日の朝、病院に連れて行くということになった。

朝が来るまでに、容態が急変したらいけないということで、
おばあちゃん家に、よく泊まっていた僕が、おばあちゃんの部屋で一緒に寝ることになった。
僕は、おばあちゃんの隣に布団をしいて、横になった。
絶対寝ないと誓った。おばあちゃんの容態が少しでも悪くなったら気づくように。


しばらくして、おばあちゃんが急に静かになったので、おばあちゃんを呼んだ。

けど、おばあちゃんは起きない。

僕は、大きな声でおばあちゃんを呼んだ。

けど、おばあちゃんは起きない。

僕は、大きな大きな声でおばあちゃんを呼んだ。

けど、おばあちゃんは......。



ハッとして、目を覚ました。
ばっと、隣にいるおばあちゃんを見た。僕は、おばあちゃんの寝息聞いて、ほっとした。
寝ないように、寝ないように、って思ってたんだけど、知らないうちに夢の世界に行ってしまったらしい。

その後も、うとうとするたび、何度も何度も悪夢を見た。
全部、おばあちゃんが死ぬ夢だ。
その度、おばあちゃんの寝息を確認して、僕は声を出さないように泣いた。
真っ暗だったカーテンが少し白ばんできた。
朝が早く来るように祈ったけど、完全に朝になるまで、とてもとても長く感じた。
「僕がしっかりしなきゃ」と、僕は必死で恐怖と心細さに耐えた。



やっと、朝になった。
おばあちゃんは、まだ寝ている。
僕は、まだ恐怖を抱えながら寝室をでた。
すると、隣の部屋から、

ゴウゴウ ゴウゴウ 

という音が聞こえる。
びっくりしてのぞいてみたら、


兄さんだった。


兄さんも、おばあちゃんと僕のことを心配して隣の部屋で寝てたらしい。
一人じゃなかったんだ。
いつもの兄さんのいびきの音に、僕はやっとほっとした。

何、寝てんだよ。

兄さんなんか、大嫌い。

12.友達のにいちゃん

僕の兄さん。

僕は、高校生になった。
兄さんは、高校を卒業して、アルバイトを始めた。

高校は楽しい。
中学と違って、売店で友達とお菓子を買ったり、友達とカラオケに行ったり、
なんだか、とっても自由な感じがする。

クラスで、仲のいい友達と話していた。
近いうちに、お兄さんの誕生日らしい。プレゼントは何がいいか悩んでるんだって。
僕は、お兄さんにプレゼントをあげるなんてすごいねって言ったら
「普通だろ。」って言われた。

僕は、それが普通なんだって思った。
兄さんにプレゼントをあげる気なんてさらさらない。
だって、兄さんのことなんか嫌いなんだから。

そんな話をしたら、「冷たい奴だ。」って言われた。
僕はとてもショックを受けた。
僕が、冷たい奴? 違う、兄さんがいけないんだ。
僕は、少し腹を立てた。
友達は何も知らないんだ。

でも、こんな僕を兄さんはどう思うだろうか。
こんな弟、かわいくないだろうな。
別に、兄さんに好かれたくなんかない。
兄さんのことなんか、嫌いなんだから。

兄さんなんか、大嫌い。

13.事故にいちゃん

僕の兄さん。

事故った。
兄さんが事故った。
雨でスリップして車にぶつかったらしい。

母さんから聞いて、僕の心臓はこれまでにないほどバクバクした。
頭の中が、グルグルして、考えがまとまらない。

母さんは、兄さんの様子を見に、病院に行った。
僕は、学校があったから、次の日に様子を見に行くことになった。

僕は、驚いた。
兄さんが事故ったこともだけど、
兄さんが事故ったと聞いて、こんなに動揺している自分に驚いた。

兄さんのこと、大嫌いだった。
だから、兄さんがやったことや兄さんに起こったことは、自分には関係ないと思ってた。

なのに、僕はこんなにも兄さんのことを心配してる。


次の日、僕は急いで兄さんの入院している病院に向かった。
心臓のバクバクや、頭の中のグルグルはまだ止まってなかった。

僕は、兄さんの病室の戸を大きく開いた。

じゅー

兄さんは、ベットで横になりながら、のんきに野菜ジュースを飲んでいた。
僕が来たのを見て、売店であんぱんを買ってくるように言った。
兄さんの足には、落書きされたギプスがはめられていた。

僕は、兄さんを心配したことを後悔した。

兄さんなんか、大嫌い。

14.旅立ちにいちゃん

僕の兄さん。

僕は、高校を卒業して、大学生になった。
兄さんの足も治って、またいつもどおりの生活になった。

兄さんは働いていたバイト先をやめた。
兄さんは、本土へ行くらしい。
本土で働いて、お金を貯めるんだって。

父さんは、世間を見るいい機会だって言ってる。
母さんは、兄さんがいなくなるのがさみしいって言ってる。

僕は....
僕は、どう思ってるんだろう。

兄さんは、高校を卒業してから、大分丸くなった。
僕の部屋となりの兄さんの部屋から、父さんや母さんと兄さんが言い争う声は聞こえなくなっていた。
兄さんは、母の日にはカーネーションを母さんに送るようになっていたし、父さんにもパソコンの使い方を教えたりしている。

相変わらず、僕は兄さんと話さなかったし、むかつくこともたくさんあったけど、前みたいに、憎んではいない。


兄さんが本土へ行く日は、兄さんの誕生日の2日前だった。
ふと、高校のときの友達の言葉が思い出した。

「冷たい奴だ。」

僕は、その言葉が胸に突き刺さった。

実の兄なのに、話しもしない。
何かあると、兄さんを疑う。
兄さんも苦しんでいたかもしれないのに、兄さんを追い詰めた。
誕生日も祝ってやらない。

僕は、急に兄さんに対して申し訳なくなって、
なんだか、とっても切ない気持ちになった。


兄さんが旅立つ日、僕は何年かぶりに、兄さんに誕生日プレゼントをあげた。
中身は、安物の黒いネックウォーマーだ。

僕は、恥ずかしくて
「誕生日プレゼント。」
としか、言えなかった。

兄さんは、少し驚いた様子で
「おう。」
と、だけ小さく返事をした。

兄さんは、包装用紙からすぐにプレゼントを取り出し、バックに詰めた。
兄さんは
「行ってきます。」
とだけ、言って家を出て行った。

兄さんなんか、大嫌い.....。

15.お年玉にいちゃん

僕の兄さん。

兄さんが帰って来た。
正月だから、帰って来たって。
お金も貯まったみたいだから、また今度は地元で仕事探すってさ。

大晦日は決まっておばあちゃん家で、親戚そろってご飯を食べる。
兄さんも久しぶりに参加した。

ワイワイ ガチャガチャ キャハハ

叔父さん、叔母さんに親戚のあい姉、従姉弟のまいやなつ、ゆうや、りょう、父さん、母さん、兄さんに、おばあちゃん。
久々に騒がしい夜になった。
おばあちゃんの容態は回復して、普段どおりに生活を送ってる。
ゆうややりょうは、大分背が高くなった。
まいは、彼氏ができたみたいで、叔父さんが懸念している。
兄さんは、地元のなまりに加えて、他県のまなりが少し入りながら話してた。

鐘の音が鳴り終わったあと、僕たちは全員で新年のあいさつをした。
そしたら、なんと兄さんが僕たちにお年玉をくれた。
「ほら、感謝しろよ。」
僕はこんなに優しい兄さんはじめてだ。
ありがとうってお礼をいったら、「お前は十倍返しな。」って言われた。

兄さんなんか、大嫌い。

16.僕のにいちゃん

僕の兄さん。

身体がでかくて、態度もでかい。
ぶっきらぼうなところもあるけど、家族思いで、いざというときは頼りになる奴。

これまでいろいろあったけど、僕には大事なたった一人の兄弟だ。

もちろん、兄さんが悪いこともあったと思う!
でも、僕も兄さんに歩みよろうとしなかった。
悪いところは、僕にだってある。

まあ、でもこれからも仲良くなる機会はあるはずだ。
そんなに、仲良くなりたいとは思わないけどね。

とりあえず、これはその一歩。
兄さんの好きなティラミスと僕の好きなチーズケーキを買った。

「冷蔵庫にあるケーキ食べていいよ。」って兄さんを振り向いたら
もう両方食われてた。

えー、うーんと、やっぱり.....

兄さんなんか、大嫌い!!!

にいちゃんなんか、だいきらい

やっと、書き終わりました。実際に小説を書くのってこんなに疲れるんですね。頑張って書いたので、最後まで読んでいただければ光栄です。

にいちゃんなんか、だいきらい

幼いころから、兄にいじめられてばかりいた弟。 大きくなって、だんだん兄との会話も減っていきます。 兄のことが大嫌いだったのに、おばあちゃんの病気や同級生の言葉、兄の事故などがきっかけで、自分の中にある兄に対する大切な気持ちに気づきます。 ハッピーエンドです。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-22

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 1.いじわるにいちゃん
  2. 2.むかむかにいちゃん
  3. 3.かんけりにいちゃん
  4. 4.じてんしゃにいちゃん
  5. 5.サンタにいちゃん
  6. 6.ケイタイにいちゃん
  7. 7.高校生にいちゃん
  8. 8.泥棒にいちゃん
  9. 9.けんかにいちゃん
  10. 10.家出にいちゃん
  11. 11.お隣にいちゃん
  12. 12.友達のにいちゃん
  13. 13.事故にいちゃん
  14. 14.旅立ちにいちゃん
  15. 15.お年玉にいちゃん
  16. 16.僕のにいちゃん