誰得コラム 第一回『バカほど好きになる』
はい。なんの理由も前振りもなく突然始まりました。誰得コラム。
記念すべき第一回の題目は『バカほど好きになる』です。
さっそくですが皆さんは親友と呼べる相手が何人ほどいるでしょうか?
私には・・・・・・両手で数えられるほどがいます。
これを少ないと感じるのか、多いと感じるのかは人によってそれぞれでしょうから追求はしませんが、今あなたが心に浮かべたその親友たちの長所と短所をいくつか挙げてみてください。例えば気が利くとか、口が悪いとか、優しいとか、姿勢が悪いとか、活動的だとか、食い方が汚いとかいろいろあると思います。
なんとなくですが、思い出しながら苦笑しつつ短所ばかり浮かべた人もいるのではないでしょうか?
かくいう私もそうですし、私自身も親友連中からは「頭がおかしい」やら「こいつに任せるとなにをするかわからん」やら「放っておくと宇宙まで出て行きかねない」などひどい言われようをしております。全員よってたかってボロクソ言ってくるわけですが、こっちもボロクソに言い返しているのでどっちもどっちな関係です。
さて、私が言いたいのは親友たちとの心温まる罵詈雑言合戦ではなく、長所ばかりの相手を親友として捉えている人は恐らくいないのではないかな、ということです。
なにが言いたいのか申しますと、仲の良い相手ほど短所を許している。ないし、短所すらも面白いと感じてはいませんか?
「あいつバカだなあ」と言いつつも、そっと手を貸してやったり。「俺がいないとダメだな」と愚痴を言いつつ面倒をみてやったり。そういうことってありませんか?
人には必ずなにかしら長所があり、なにかしら短所があります。全てがパーフェクトな人間というのはそれだけで異質であり人間性がなくなります。逆を言えば人間性が薄いというのが短所になるのかもしれません。人は他人の長所を見て近づいてきます。こう書くとなんか酷い話のように思いますが、自分に不利益ばかりをもたらす人と付き合うことは出来ませんからまずは長所から見るのは当たり前です。ですが、長所ばかり見ていてはその人と本当の意味で仲良くなっていくことはあまりありません。崇拝や畏怖へと転じていく場合が多く、友情や親愛を感じるまでに至るでしょうか?
大概の人は自分をよく見て欲しいという願望を持っています。特に意中の相手にはその傾向が強く、自分の良いところばかり見せようとします。
確かにそれは正しく、間違ってはいないのですが、それだけでは前に進めません。
逆に考えてください。仕事もプライベートもパーフェクト。容姿・性格とも非のつけようがなく、経歴や家柄もしっかりしていて交友関係も幅広く、常に前向きで活動的でありながらも保守的な考えにも理解があり奉仕精神も旺盛・・・・・・・・・・・・なんて人がいたとして、そんな人と付き合いたいですか? というか身近に感じますか? 一緒に歩いていこうと思いますか?
私なら息が詰まります。
想像して頂いたら分かると思うのですが、あまりに完全な人だと遠く感じてしまうことが多く、自分に足りていないものを持っている数があまりに多すぎると人は敬遠してしまって離れていってしまいます。
短所というと悪いイメージが強いですが、実はこの短所こそが人間を人間たらしめているんじゃないなと思います。
もちろん、人間として致命的だったり社会に適合できないレベルの短所だと直す必要があると思いますが、そうじゃない短所であれば必要以上に気にする必要ってないです。むしろ、その人の魅力を引き立たせるエッセンスになります。
例えば、仕事はすごいできるけど、家事がからっきしな人。歌がすごくうまいのに、口下手な人。大勢の前では堂々としているのに、本当はシャイな人。遊びなれてそうな人なのに、好きな人の前では固まってしまう人。キツそうに見えて、本当は母性の強い人。いろいろあります。
光り輝く長所が一つあるのなら、小さい短所はむしろ長所。困っている時つい助けてあげたくなる。笑っていたら一緒にいたくなる。楽しいことは共有したくなる。そんな人は決まって短所まで好きになった人ばかり。
短所という言い方がいやなら「可愛らしさ」とでも表現しましょうか。
自分の「可愛らしさ」を見せたがらない人は多いですが、それって自分にとっても窮屈ですし、あなたを見ている人にとってもあなたを知るチャンスを逃しているだけです。嫌われてしまうんじゃ? 離れていってしまうんじゃ? そんな不安や恐怖をお持ちの方も多いでしょうが、大概の場合あなたが感じているほどあなたの周囲の人は冷たくありません。もし、本当に離れていってしまう人がいたら、その人はどんなことをしてもいつか離れていってしまった人でしょう。
人間、結局は自分の思うようにしか生きられないもんです。
考えすぎずに自分を出して気楽に生きましょう。
この世界には絶対、あなたの「可愛らしさ」を愛してくれる人たちがいるのですから。
どうして言い切れるのかって?
それは、私のようなバカを「親友」と呼んでくれる愛すべきバカたちがいるからです。私にだっているんですから、皆さんにいないわけがありません。
さあ、今日からあなたも「可愛らしさ」で売っていきませんか?
気楽な人生が送れると思いますよ?
誰得コラム 第一回『バカほど好きになる』