好き。ありがとう。

恋なんてしない

君と目があった。
私の一目惚れだった。
恋なんてしないって、決めたのに。

君は、とても楽しそうにシャトルを打ち、とても幸せそうに笑っていた。

私は、一瞬にして君に殺された。

さんざん迷っていた部活も、君と同じバドミントン部にした。


君がどれだけ遠い存在かを、知らずに。

好きです。

入部してから3日。
君は、いつもキラキラ輝いていた。
どうしようもなく、好きで、心が、出血した。

ある日、小学校の運動会があった。
そこに、君は、いた。
ゲーマーの君は、一人で一生懸命、ゲームをしてた。
すぐ近くにいる、私にも気付かない。
名前を呼んでみた。
君は、すごくビックリしてた。


あ、大好き。


つい、口に出してしまった。


また、君は、すごくビックリしてた。


でも、なんとかごまかした。

君は、あっさり信じてくれた。

ツーショット、撮りません?

勇気を振り絞って、ダメ元で聞いてみた。

いいよ。


ん?今、君はなんと?
いいよって、言った?

脳内が、沸騰した。
心が、爆発した。


君は、いつものように、キラキラの笑顔を、カメラのレンズに向けた。

私も、幸せいっぱいの笑顔を映した。


私は、幸せだ。




ごめんなさい、好きです。

これからも、

あ、うん、ありがとう。


あー、言ってしまった!もう、後戻りはできない!
と同時に、そういう優しいところ、大好きだあ!


ただ、そんなに落ち込まなかった。
なんせ、出会ってまだ、3日ですから。
これから、これから。

次の日も普通に笑いあって、君ととても幸せな時間を過ごした。

君に、ありがとう。
君が笑っているだけで、幸せです。


君と目があって、君に話しかけてもらって、君に全てを捧げた。


すると、周りの友達にも分かるくらい、君と仲良くなれた。

人の目も気にせず、一緒に帰ったり、昼休みは二人で話し込んだり、先輩と後輩とは思えない雰囲気の二人になった。

君と、同じ場所で、同じ時をすごし、同じ思い出を創っていった。



そこで、調子に乗った。



君の好きな人になれた、、、、?


そんな時、君は私に、



これからも、俺は彼女をつくらない。だから、ずっと俺のそばで笑って、幸せを分かち合っていこう。


と。


私は、嬉しかったり、安心したり、悲しかったり、様々な感情がぐるぐると、溢れ出した。

君が、彼女をつくらないということは、君の隣がいつも空いてて、そこにいつでもいていいってことだよね。
でも、私が彼女になることもないということで、、、、。

でも、私を隣に置いておいてくれる君が、やっぱり、大好き。

だから、笑顔で、

私も彼氏をつくらない。

と、告げた。

やっぱり、大好き。

それからも、二人の友達以上恋人未満の関係は続いた。

連休中は、どちらかの家に泊まって、ゲームに時間を費やしたり、放課後は、部活をさぼって、二人で海に行ったりもした。

とても幸せな時間を過ごした。

この時間だけを、生きていたいと思った。


でも、知ってしまった。

それは、雨が強く、地を打っている日のことだった。


君は、友達と真剣な顔で話していた。
私の名前が、話題に出ていた。
だから、いけないと思いつつ、聞いてしまった。

君は、友達から、
今、どうなってんの?
と聞かれ、君は、

あいつとは、うまくやっていると思う。いつも一緒にいるし、彼女はつくらないと、言ったから。あいつも、もう、俺のことは好きじゃないと思うし。俺、あいつのこと、大好きだから、他の男に取られたくないし、ずっと隣にいてほしいし、、、、。とにかく、あいつには俺の気持ちはバレちゃいけないんだ。


私、涙が止まらなかった。
二人で、嘘をついていた。

愛し合っていたのに、心で欲しくてたまらないと、泣いていたのに、二人の得意な笑顔で、押し殺していた。

嬉しいのに、苦しくて、悔しかった。

私の心は、外の天候と同じだった。


これを、君に知られてはいけない。




今日も、君が笑ってる。

私の隣で。

私達は、心の奥で愛し合っている。

君が、もしも私に想いを伝えてくれるなら、あの雨の日のように、泣きそうな顔で、弱々しい声で、たどたどしい日本語で、伝えてほしい。


ずっと隣にいるから。



これからも、ずっと一緒に。



さあ、今日はどこに行こうか?

明日も、一緒に幸せをつかもう。

好き。ありがとう。

好き。ありがとう。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-18

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  1. 恋なんてしない
  2. 好きです。
  3. これからも、
  4. やっぱり、大好き。