ある頃の思い出
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
私は電車に乗って学校に通う高校生です。
実は私、気になる事があるのです。
毎朝、座席に座る一人の男子学生のことなのです。制服は同じ高校の物です。
ですが、学校で姿を見たこと無い謎の人物なのです。
その人には好意ではなく、ただ単に興味があるのです。
何故かその人の隣の座席には誰も座りません。
私も座りません。
ガタンゴトン…ガタンゴトン
時刻は夕方、帰りの電車での事
今日は私の想い人と友人の三人で帰っている時の事です。
想い人は友人と楽しく会話しており私一人
トホホ…そんな時
サワサワ
お尻に当たる手の感覚が…
人生初痴漢です!
手を辿っていくと…
そこには想い人の姿が!
しかし、私は声が出せません。
引っ込み事案がたたっています!
「なにやってんだ!」
ガタンゴトン…ガタンゴトン
目的の駅にいるのは私と痴漢魔、そして私を助けてくれた人
「ありがとうございます。」
「ダメだよ。痴漢されたら叫ばなきゃね」
助けてくれたのは例の男子学生
「さて、警察が来るまでどうしたものか…」
そう、ここは無人駅、駅員さんがいないのです
「放せよ!」
「うるせぇよ!」
驚きです。普段は寡黙なひとなのに…
「うおおおおぉ!」
その時、痴漢魔が拘束を抜け出し逃走
「待てよ!コルァ!」
逃げる痴漢魔に彼はタックルをかました。
「アメフト部の天才(自称)か逃げれると思ったか!」
ガタンゴトン…ガタンゴトン
あれから数年
今では彼の座る座席の隣には私が座っている
そして、数年後には親子三人で座るこの座席
ある頃の思い出