無名者の言葉

いつか、君は名を成すだろう
それは君の宿命に近いのだが
しかし覚えておけ
無名である、この日のことを
誰の目にも留まらない自由を

視線を浴びずにいることは
ときにつらく苦しいが
これほど縛りのない自由を
いつか、手放さねばならない
そのことを忘れるな

君はなにを望むか
いかにありたいと願うか

名を成すことで得られる
幾多の可能性と
幾多の出会いと
幾多の繋がりと
引きかえに失う
無名であることの自由

空っぽの今は戻らない

君は進むだろう
どこまでも前に進むだろう
名を成したその後で
いつか、虚しさを覚えても
零れおちた自由を夢みるな

無名者が書いた
この言葉を胸に刻んでゆけ

無名者の言葉

ふと思い立ち書きました。

無名者の言葉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-13

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