CNS

初投稿なので、まだ使い方も分からずかなり見苦しいかと思われます。
この小説についての設定は後々出てくると思います。きっと。

prologue

俺達はただただ、必死だった。
仲間のことしか考えてない...それほど必死で。

...周りのことなんか見えていなくて。

それが自己満足なんだって、気付かなかった。
いつの間にか、助けたい想いよりも仲間としての「義務感」が働いていて。
仲間を助けたい想いが、義務感が、空回りするなんて。


自分の身を、そして仲間を滅ぼす結果になるなんて、
考えてなかった。

想いや、信じる力があれば..なんて、ただの慢心だったのだ。



物語は、必ずしもハッピーエンドになるわけでは、なかったのだ。

story1

「ああ、...つまらないな」

その言葉は、俺の口癖だった。それは無意識に口から溢れ出てしまう。
何がそんなにつまらないかって、一言でいえばすべて。つまり人生。
そう、俺の人生はつまらない。


ナーガレット家。
ナーガレット家は、この国の医療関係の会社など、それらすべてのトップの存在。貴族だ。
この国の医療といえばナーガレット家、ナーガレット家といえば医療、だ。

俺は、そのナーガレット家の次期当主だった。


決められた将来。
定められた人生。

将来が安定しているのに、わがままなんて言っていられない。
言うつもりもない。
だが俺がしたいのはこんなことなのか?
否、そうではない...と思う。



つまらない、と言っているわりには自分のしたいことも分からない。
自分の考えを持っていないことを知らされるようで、これを考えるのは辛い。

...まあ、あったとしても自分の人生からは逃れられないのだが。




それでも、この人生に何か刺激を与えてくれるものはないのかと、
期待せずにはいられないのだった。





NEXT…

story2

そんなひねくれてる俺には、唯一、一人だけ心を許せる相手がいた。

「レオン様、…またその口癖ですか?」

そいつは今日も笑いながら俺にそう問いかける。
俺の専属のメイドだ。

「…セリナ」



セリナは幼い頃から俺に仕えてくれている。
主従関係、というより幼馴染や兄妹(姉弟)のそれに近い関係な気もする。
ちなみに身の回りの世話はもちろん、戦闘もできるとても優秀なやつだ。


「次期当主がそんなことを言っていては…ガイア様に叱られてしまうのでは?」

「父が俺のことをいちいち見るはずないだろ…」

「案外、見ているかも。レオン様が知らないだけという可能性も…」


ガイアというのは俺の父。
父は本当に俺に興味を示さない。

2人の間柄も、「親子」ではなく、当主と次期当主といった関係だ。


「そうだといいんだけどな」


そんなことはないことは頭で理解しつつ、少し笑いながら曖昧に返事をする。
セリナもそのことくらい熟知しているのだろう、気まずそうな顔をする。



大事な人にそんな顔をさせるのが申し訳ないと思う傍ら、
自分の不甲斐なさにほとほと呆れていた。





NEXT…

story3



本当に突然のことだった。


突然すぎて、頭の回転が追いつかなかった。

いきなりの破壊音、衝突音。
うめき声、…それから数人の(おそらくメイドのだと思われる)悲鳴。

俺が状況を整理するより早く、セリナはドアへ走り出していた。



「レオン様、私状況を見てきます。出来れば、外へ避難を…!無理でしたら、ここに」

「……セリナ、俺もついていく。だって俺は…」

俺が次の言葉を言うより先に、セリナは俺の言葉を否定する。



「駄目です!!」

あまりにも大きな声に俺は肩を震わせる。
そしてセリナはこういった。


「レオン様を危険な目に合わせるなんて、できるわけないじゃないですか。
避難してください。絶対に。そうでないと承知しませんよ」

「で、でも」

「では、行ってきます!レオン様、お気をつけて!」


走り去るセリナを呆然と見つめる。

ああ…こんな状況化になっても俺は…
俺は動くことができないのか。役立たずなのか。



「……無事を祈る」


俺はこれしか言えなかった。





NEXT…

story4

外から見たナーガレット家の屋敷の姿は、酷い有様だった。
一階に複数の大きな穴があき、壁は傷つきボロボロ。窓ガラスはほとんどが割れている。
どうやら、最近森でうろついていた巨大な狼達が街に侵入したらしい。

不運なことに、ほとんどの狼が俺の家に来てしまったのだ。

周りを見れば、避難してきた執事やメイドがちらほらいた。
だが、数が少なすぎるところを見ると、皆家の中で戦っているのだろう。


ただ自分の家を見つめていることしかできない自分が何とも歯痒かった。


ここで、俺はあることに気がついた。
俺は近くにいたメイドに問いかける。

「なあ。…父上、それから母上はどうした…?」

「…それが…」



メイドの話によると、…両親はまだ屋敷の中らしかった。逃げ遅れたらしい。
助けに行きたいが、俺が屋敷に入ってもどうにもならないことは明白だ。
今は、ここで二人を待つことしか…信じることしか、できない。

story5

いつまで経っても人の悲鳴と猛獣のうめき声は消えなかった。
どのくらいの時間が経っただろうか。
いや、実際10分程しか経っていないかもしれないが。

俺にとってはそれくらい、長い長い時間だった。

そしてその状況に変化が起きたのは突然だった。
家から猛獣が飛び出してきたのだ。


俺は、父上、母上の名を呼ぶよりも早く、アイツの名前を呼んでいた。

「セリナー!!!!!」


…返事は返ってこなかった。
でも俺はまだ信じている。猛獣とまだ、戦ってくれていることを。
とりあえず俺は、まったく鍛えられていない足で逃げ出した。
メイドや執事が優先して逃がしてくれた。

危険かもしれないが、俺は1番逃げ場のある近くの森へ逃げることにした。
あそこなら、視界も悪い。簡単に、見つからないはずだ。


NEXT…

CNS

どうだったでしょうか。
見苦しかったと思いますが、少しでも「面白い」と感じていただければ、光栄です。

CNS

長編ファンタジー。名前を明かさずコードネームを持つ者たちが、各々武器をとり世の中の敵と戦っていく。基本主人公目線になっています。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-12

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. prologue
  2. story1
  3. story2
  4. story3
  5. story4
  6. story5