工作

主人公、鈴井博之がホランド共和国の元大統領イラン・イラク主催のパーティーに来ていた時の話である

辺りを見渡せばスター、スター、スター

もちろんこの状況はスーパーマリオではない

というのもそのスターというのは大物という意味のスターだ

こんなところに来ていいのかな、そんな気持ちすらするのだ

まず、ここへ来て最初に驚いたのは業界では超一流と呼ばれている探偵の石原大輔がいることだ

次に驚いたのは、政界のフィクサーと呼ばれた毒丸信がいることもそうだ

というより挙げ始めるときりがないくらいのメンツだ

そして主催者は元ホランド大統領イラン・イラク氏と、そうそうたるメンバーだ

そのイラク氏の飼っている猫を探しただけでこのパーティーに呼ばれたのは幸か不幸か…

そんなことを考え込んでいるとやけに騒がしい。

鈴井は「なんかあったんですか?」と聞いた。

そう聞いた相手はテレビを余るみない自分でもわかるようなタレントさんだった

「なんか死体が発見されたらしいんですよ」

「はいっ!?」

そう聞いた瞬間に鈴井は人が集まっているところへ近づいていった

「君、事件に興味がありそうだな」

不意に後ろから声をかけられ、振り向くと…

そこにいたのは超一流探偵の石原だ。

「は、はいっ!!一応探偵なので」

「そうか、じゃあ僕の力で捜査に参加させてあげようか?」

「ええ、是非!!」
上ずった声でそう答えた

って…え?

えらいことになったな…

そういう流れで行った先は廊下のようで、突き当たりには窓があってドアが5個ぐらい横に並んでいた、被害者はここで打たれたのだろうか

石原「彼は探偵らしい、捜査に参加させてやってくれないか?大野」

そう話した相手、大野は刑事らしい。ここに来ているのだから相応の刑事なんだろう。

「お前が推薦するなら良いぞ」

あっさりと事件の捜査に参加することになった。

石原「概要をもう一度教えてもらっていいか?」

大野「被害者はパーティーの主催者イラン・イラクだ」

鈴井「えっ!?」

大野「驚くのは当然だろうが、話が進まないから落ち着いてくれ。」

「被害者は自室で待機していたところを後ろから殴られ、気を失った。

そのあとに被害者は眉間を拳銃で打たれて死亡。

簡単にまとめればそんなところだ。」

鈴井「銃殺だったんですか。音は聞こえなかったんですが何ででしょうかね。」

大野「パーティ会場とこの廊下との間には防音設備が施されている。聞こえなかったのも当然だ

そして現場から出入りすることができるのは窓とドアの2つだが

窓は施錠されていて。念の為に窓の外を調べてみたが、足跡などめぼしいものは特に出てこなかった。」

石原「現時点での容疑者は俺、大野そしてミステリー作家の五反田正純、政治家の毒丸信、国会議員の鈴木政男の5人だ」

「どうやってそこまで割れたんですか?」

大野「パーティー会場とこの廊下は接しているが、そこのドアに向かって内側と外側に2つ防犯カメラがあり、それに写っていたのが5人だ」

「どうして死体は見つけたんですか?」

大野「状況を説明するとだな…

※死体発見前※
俺と石原はパーティー会場から見て奥へ5つめのドアの中で話をしていたんだ。

話の内容も一緒に事件を解いた時の思い出話をしていただけだった。

石原『ちょっとトイレ行ってくる』

俺『おう』

そして石原がドアを閉じた瞬間だった。

ドーン、と銃声が響いたんだ

こんな状況だと石原が疑われるかもしれないが、被害者が死んでいたのはパーティー会場から一番近い。

つまり石原が出たところからは一番遠い部屋だったので彼には犯行は出来ないと思われる。

まあ今回の場合、ドアに仕掛けられている防犯カメラから中に入った人を容疑者を割り出したので容疑者であることには違いのないのだが…

それはいいとして、その後に石原はもう一度出たドアを開いて俺と顔を見合わせたあとに被害者の方へ向かった。」

鈴井「石原さんは犯人は見なかったんですか?」

石原「ドアを開き直して見合わせている間に逃げてしまったのか、廊下はものけのからだった。
俺のミスだ。」

大野「見合わせている間に犯人は他のドアに逃げ込んだと思われる。
俺らが被害者のところに駆け込んだあとに容疑者の5人が現場に近づいてきたため犯人は未だ分かっていない」

つまり、犯人はパーティー会場のドアから出たわけでも窓の外へ出たわけでもないわけだ。

「一度、現場を見せてもらってもよろしいでしょうか」



現場は明るく、小さなシャンデアリアがある部屋だった。

窓は空きっぱなしで春風が吹き込んできている

被害者はソファーに座りながら、又は座らされて殺されたのだろうか

部屋のドアを開けた瞬間、ロープが見えた。

「一応、死亡推定時刻を聞かせていただいてよろしいでしょうか。」

大野「死亡推定時刻は12時から2時の間だが、1時30分に銃声が鳴って現場に駆け込んだのでおそらく死んだのは1時30分だろう。」

石原「鈴井君、今回の事件の問題はどうやって犯人は逃げたのか、これに尽きると思うよ。

確かに俺が廊下から目を離したのは確かだが、それでも逃げることができた時間はせいぜい1分といったところだろう。」

窓は開いていたが足跡はない、よって廊下から逃げたんだろうが1分で銃を撃ったあとに逃げることは難しい、要は今回は早業殺人だ。

「一回他の容疑者の話も聞いてみましょうか。」


まずはミステリー作家、五反田正純に話を聞くことにした

五反田「12時から2時の間ですか。その間はずっとパーティー会場から奥へ2つ目の部屋で待っていました、主催者から招待されたので、部屋も準備されていたようですね」
パーティー会場から一つ目の部屋…ということは現場の部屋の隣か、逃げ込もうと思えば一瞬で行けるな

次は政界のフィクサー、毒丸信
毒丸「12時から2時の間はずっとそこの国会議員と話していたね」

そこの国会議員、というと鈴木政男か

なるほど…どちらともアリバイが成立する

っておい、これじゃ犯行をできるのは五反田だけじゃないか

「犯行ができるのは五反田だけではないのでしょうか。これなら」

大野「いや、五反田は1時から銃声が鳴ったあとの1時40分まではずっと携帯で電話をかけていたので銃を撃ったりするのは難しいだろう。」

「えっ…じゃあ誰にも犯行はできないじゃないですか。」

大野「だから事件解決してないんだよ。」

「あ、そりゃそうか。」

「一度、パーティー会場と廊下の間の防犯カメラを見せてもらってよろしいでしょうか。」

防犯カメラ

大野「どこから見るんだ?」

「一応死亡推定時刻の30分前の11時半からでお願いします。長いので人が入ってくるときだけ普通で流して、他は早送りで」

大野「分かった。」

防犯カメラはおそらくパーティー会場の中から取られたものだろう、ドアが映っている

大野「被害者はこの時間より前に廊下側、要は自室に入っている。他の人物はまだ」

まずやってきたのは石原だ、手にはサラリーマンが持っているようなカバンを握っている。

時間は…11時45分か。

そして次は大野が12時12分にやってきた。手には何も持っていない。この二人は一番奥の部屋で話をしていたと言っていたな

3人目はミステリー作家の携帯を両手でいじりながら五反田がやってきた。12時18分だ、彼は会場から奥へ2つめ、要は現場の隣の部屋で待機していた

そして12時28分には鈴木政男、毒丸信が一緒に来た、見たところ手ぶらだ。

この二人はパーティー会場から3つめの部屋で話をしていたらしい。

こうやってみると何もおかしいところはない。

しかし、これによって鈴井は犯人に確信を得たのである。

解答

「犯人がわかりました。大野さん、みんなを呼んでください」



「今回の事件は解けても不可解な点が多いです、特に何故殴り殺さなかったのか、そして何故、今殺したのか

というより動機すらわかりません。

今回の犯人の一番の工作、それは銃声、です。」

大野「その銃声、というのは13時30分に撃たれた銃声のことか?」

「いえ、銃声は2回、なったのです。」

大野「俺らは銃声を1回しか聞いてないぞ」

「その通り、犯人はまず誰にも聞かれない状況で一発撃ち、他の皆に聴かせるため空砲を1発打ったのです」

大野「ほう、で犯人は誰だ」

「犯人は石原さん、あなたです」

石原「なるほど、で俺はいつ、どこで、誰を撃ったと言いたいんだ?」

「あなたは11時45分から、12時12分までの廊下側に誰もいない間に、被害者を撃ったのです。
そしてその後、大野と話をして『トイレに行く』と言って部屋を出た。そしてドアを閉じた瞬間に空砲を撃ったのです。」

石原「証拠は?」

「証拠はあなたが手に持っているカバンの中にありますよ

ほかの人物は廊下側に来る時にはカバンを持っていなかった。

凶器の持ち運びができるのはあなただけです。」

石原「こんな簡単にバレちゃうとはね。」

そういって、石原は中に入った銃を外に出した。

「恐らく、あなたは一番現場の近くの部屋にいた五反田に罪を着せるつもりだったのでしょう。」

石原「そうだ、まさか五反田が電話をしてるとは知らなかったよ。聞いたとき終わったな、そう思ったね。

工作

自分が想像していた内容と違った風に出来上がりました。
失敗ですね。

工作

  • 小説
  • 短編
  • ミステリー
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-03-11

Public Domain
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  3. 防犯カメラ
  4. 解答