転がる坂
夢を見る。
私はまるでボールのように坂を転がっている。
緩やかな坂であったり、急斜面の崖のような坂であったり。
砂利道であったり、雨上がりのぬかるんだ道であったり。
朝起きると暫くはまたあの夢か…
と考えたりもするものの、
日常の慌ただしさに直ぐ忘れてしまう。
朝食を取り、シャワーを浴びる。
髪を乾かし、軽く化粧をし
着替え、駅へ向う。
会社へ着くと先ずメールチェック。
昨晩ただひたすら転がり続けていたことなど
もう思い出せもしない。
客先からの電話対応に追われ
ため息混じりに一日を終える。
会社を一歩出ると私のスイッチはOFFに。
社内の人間との付き合いも浅い。
プライベートな話はしないし、
なるべく聞きたくも無い。
嫌いでは無いのだけれど、
どうしても人付き合いと言うものがが苦手で
馴染むことが出来ず四年程たった。
それでも、とくに困ることは無いけれど。
続く。
転がる坂