転がる坂

夢を見る。

私はまるでボールのように坂を転がっている。
緩やかな坂であったり、急斜面の崖のような坂であったり。
砂利道であったり、雨上がりのぬかるんだ道であったり。

朝起きると暫くはまたあの夢か…
と考えたりもするものの、
日常の慌ただしさに直ぐ忘れてしまう。

朝食を取り、シャワーを浴びる。
髪を乾かし、軽く化粧をし
着替え、駅へ向う。

会社へ着くと先ずメールチェック。
昨晩ただひたすら転がり続けていたことなど
もう思い出せもしない。
客先からの電話対応に追われ
ため息混じりに一日を終える。

会社を一歩出ると私のスイッチはOFFに。
社内の人間との付き合いも浅い。
プライベートな話はしないし、
なるべく聞きたくも無い。
嫌いでは無いのだけれど、
どうしても人付き合いと言うものがが苦手で
馴染むことが出来ず四年程たった。
それでも、とくに困ることは無いけれど。

続く。

転がる坂

転がる坂

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-08

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