NEW SYSTEM(4)
3章
「んん・・・」
朝だ。
起き上がるとひんやりとした風が吹いてきた
春とはいえまだ4月、
夜はかなり冷え込んだ。
「・・・あれ?」
俺はコンクリートでできている階段にいた
・ ・・そうか、俺は昨日家を出てきたんだった。
そしてここは駅の非常階段
昨日レイに言った待ち合わせ場所だ
「まだ5時か」
俺はケータイで時間を確認する
やっぱりここだと不安だからかここに来て眠ってからちょくちょく起きたりしていた
「ひぇっくしょん!!!」
おぉ
やっぱ寒ぃな、まだ
俺は急いでリュックからジャージを出して羽織る
それにしても結構この階段はいいかもしれない
座ってれば風はあまりあたらないし
外だけど壁が少し高いから他の人にもわからないし
それに誰も通らない(かぎかけてるから通れないw)
俺は立ち上がってかいだんの外を見渡す
そこには大音量でラジオを聴きながら歩いてる老夫婦しかいなかった
少し向こうの団地の家の明かりもまばらにしかついていなかった
まぁここにいてもなんなので俺はケータイと財布だけ持って駅のすぐ前にあるコンビニへ向かった
コンビニには20代後半くらいの男性店員がイスに座って雑誌に読みふけっている
俺はあったかいココアを取り、レジに向かう
「らっしゃいあせ~」
適当に挨拶されココアの缶にあの『ピッ』てやつをした
「あと肉まんとピザまんください」
そういうと店員は肉まんとピザまんを慣れた手つきで袋に詰めているのをぼーっと見ながらお金をトレーに乗せた。
「ありあとあっした~」
また適当な挨拶を背中に俺はコンビニを出てピザまんのふくろをあけた。
そしてピザまんをほおばりながら階段へ戻ると、
あの3人組が階段に座りながらこっちを見ていた
「「「おはよう」」」
子供2人は笑顔で、レイはつまんなさそうな顔をして言った
「ああ、おはよう。早いなおまえら」
「早いもなにもホントあんたマヌケね」
レイが呆れた顔して言う
「なんだよ?」
「ホントカンナはま~ぬけ♪」
イズミまで言ってくる
「???」
「ボクたちはカンナが起きる前からここにいたんだよ。」
ザクがニヤニヤしながら言った
!? お前らどんだけ影薄い上に声かけないんだよ!?正直引くわぁ
「・・・殺すわよ」
レイがいかにもビームが出そうな鋭い視線を向けてくる
「ああ、すまん気づかなくて」
「てかカンナさァ、今『正直引くわぁ』って言ったの気づかなかったぁ?」
イズミが階段の踊り場で寝転んで笑った
えっ!?俺今口開いてなかったことないか?
「そう。口は開いてなかったw」
イズミはさらに腹を抱えて笑う
????じゃあなんでわかるんだ?
人の心が読めるわけでもあるまいし・・・。
「それが読めるんだなぁ♪」
イズミが自分の頭を指差した
「あたし実はテレパシー能力があるんです!!」
やっぱりなと思ってしまった。
ザクだって尋常じゃないほど足早かったし
レイもなんか変な能力があるんじゃないか?
「レイは普通の人だよ」
またイズミは俺の心を読んで答える。
「はぁ。」
「?じゃあなんでレイも俺の考えてることわかったんだ?」
「ああそれはこういうこと」
イズミが軽く深呼吸をする
「うーんとね例えばァ」
イズミがニィっと笑った時、
『カンナのマヌケ!!!』
いきなり俺の頭の中に思ってもないことが流れ込んできた。
「うおッ何これ」
なんか一気に頭が疲れた感覚に陥った
「ふふーん♪こうゆーこともできるんだよ!」
イズミは得意げに胸を張る
・ ・・そういうことか。
さっきは俺が思ったことをイズミが読み取りすぐさまレイに伝えた、と。
「うん。そういうことになるね♪」
「さて、無駄話はここまででいいかしら?」
レイがイズミの前に立つ。
「本当はここにいていい時間なんて3分もないの。早く安全なところに行きましょ。」
レイは階段を下りて先導する
そして俺たちも続く
駅の前にはワゴン所が一台停めてあった
俺がさっき出てきた時は気づかなかったぞ!?
レイは運転席に乗り込むそして俺は助手席に乗るよう促されイズミとザクは後部座席に乗った。
「ザク、よろしく。」
「はいよ、っと」
ザクが車に手を当てる
「じゃあ行くわよ。」
レイはアクセルを踏む
そして車はゆっくり走り出した
レイが運転してザクはずっと車に手を当てている
イズミは窓から体を乗り出している
「おい、そんなに乗り出してたら危ないぞ」
俺はイズミの裾を引っ張る
「ん~?大丈夫だよ♪ザクがちゃんとがんばってるから」
イズミはあごでザクを指した
ザクは未だ車に手を当て目をつぶっている
まあ邪魔しちゃ悪いと思って俺も窓を開け顔を出す
でも車は普通に走っているのに風が感じられない。
なんか気持ち悪いからすぐ頭を引っ込めた
そしてよく見ると前方で小鳥たちが空中で静止している
ザクの能力は時間停止ってことか。
だから俺は昨日家に帰る時一瞬に感じたのか
そしてザクは固まった俺を抱えながら移動してたからドアを開けるという動作は一旦俺を置いてからあけなくちゃいけないから時間が動いた・・・といったところか。
我ながら結構頭いいぞ、俺。
「そうだ。今からの行動を軽く説明するわね」
レイが運転しながら続ける
「今日のメインイベントは夜、゛サーカス″があるわ。」
゛サーカス″!!!!!!
「だから午前はそれの準備と作戦確認ね。」
「作戦?」
「・・・ええ。内部に潜入するための。」
「はぁ!?おまえら何考えてんだよ?」
「・・・。まあそんな顔しないで頂戴。」
「つか追俺まだお前らが何したいのかわかんないんだけど。」
「あら、まだわかんないの?年いくつだっけ?」
いや、普通わかんねぇから。
お前と話すと怒りこらえんのに必死になるな
「怒らないで。私、自分より馬鹿な人見るとついからかっちゃう性分なのよ」
からかっちゃう程度じゃないと思うけどな
「・・・私たちがここまでする目的は、」
ちょっとレイが口ごもる
「なんだよ」
「まあ簡単に言えば国の一部の政策を止めさせたいだけ」
「国の政策?」
「ええ。あなたも聞いたんじゃない?昨日何らかの方法でその名前を」
「?」
「あら、わからないの?まあ聞けばわかるわ。」
『フューチャーシステム』
ああ。あれはああやって読むのか
俺は携帯を取り出し昨日見たメールの画面を見る
「んで、その政策とやらは何をしてるんだ?」
「これ、国家機密なんだけどね」
イズミがやっと楽しそうな顔をしてく口を開く
でもそれをレイが阻止するかのように続ける
「3年後に起こると予測される大規模な戦争に圧倒的勝利での世界進出を目的とした、
8~18歳を対象とした青少年強化育成政策」
「はぁ!?」
「あなたにわかるように言うと、3年後確実的に起こる世界規模の戦争に勝ち世界一になるために勝たなくちゃいけない。それで、また確実的に出兵されるいたいけな子供たちを軍の施設に連れて行き新しい力をつけさせるっていう政策」
「なんだよそれ。あ・・新しい力って」
「そう。イズミとザクが持っている力のこと。」
「それは女子も入っているのか?」
「ええ。むしろ女子の方が激しい痛みにも耐えられたり、小学生は女子の方が成長期が早いから戦力になるのよ。そして大人は高みの見物ってとこね。」
「なんだよそれ・・・。じゃあミチカは戦争に行かなければならないってことなのか!?」
「残念ながら」
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・そういうことか
まだイズミたちはなんでここにいるのかとか聞きたいことはたくさんあるけど
今はそれどころじゃなさそうだな。
とりあえず今夜のサーカス
そこにミチカを助け出す手がかりがあるなら・・・
NEW SYSTEM(4)
なんか廚ニ病くさくなってきちゃった気がしますが、よかったら今後も読んでくれたらうれしいです!!
では最低でも2ヶ月以内には次話をだせればと思っているのでよろしくお願いします