例えばほら、二重人格

「あら?先生どうしたんですか。ん?”暴力禁止”?何ですかコレ。」
「あぁ、それな。いやー、”恋愛禁止”っちゅー張り紙は貼ってあるんやけど、”暴力禁止”っちゅー張り紙は貼ってないなぁって思ってな。三年の大学入試も近いし、今ケガさせてはたまらんやろ?」
「…なんかあったんですか?」
「あった…四、五人中、三人がケガした。阿保や、阿保。」
「そうですか。…頑張ってくださいね。」


「まぁ、俺の生徒は被害者なんやけどな。」

学校で煙草を吸った。誰しもあるだろ?やんちゃな時代。俺は高校入ってからその時代に入った。
俺の名前は、立花 修(たちばな しゅう)。一見やんちゃな高校一年の男の子。
中坊の俺は真面目だったから、頭のいい男子校に入学したんだ。将来の夢だってあったと思うが忘れた。
でも、そんなもんだと思う。なんせ今のガラじゃねぇ。

始めたきっかけは今の三年が進めてきたから。もちろん最初は断ってたけど、だんだん暴力振るわれてきたから、吸ってみた。好奇心もあったしな。
これが思ったよりダメだったんだわ。息ができねぇし、くせぇしで大変。しかも、ニコチンのせいで依存になるし。あ?俺、保体だけ真面目に受けてっから。
まぁ、そんなわけで、ヤンキーの仲間入りになったって訳だ。

しかしよぉ、さすが頭いい学校だぜ。校則とかピシッとしてんのよ。生徒会とか邪魔でしょうがねぇ。いや、もっと邪魔なのは風紀委員会。あいつら、学校の警察きどってんのよ。めんどうだぜ。
「おい、お前何している。」
左に振り返ると…ゲッ。風紀委員長だ。噂をすればなんとやら、だ。これから理科の授業であろう、理科の用具を右手に持っていた。
「何をしてると聞いてるんだ。」
「…委員長さん、また目が悪くなったんじゃないのか?」
風紀委員会委員長の吉塚(よしづか)なんちゃら。下の名前は知らない。結構よくからむんだけどなぁ…。
委員長さんは俺じゃなくて、俺の手に握られてるものを凝視する。
「…全て渡せ。」
「いやだと言ったら?」
「…教師と生徒会に言う。」
どっちでも一緒だろうが。俺は一様、学校では暴力をふるってこなかったが、今日が記念すべき日になりそうだ。
不自然な茶髪に染めた髪をさすりながら、俺は委員長に向かって殴った。
鼻頭を抑えた手ごたえがあった。「うぇーん、ママ!」じゃすまないレベルだ。鼻血だーだーだな。
委員長は廊下に倒れた。
…おいおい、失神か?俺にボクサー目指せってか?
と、思った瞬間、俺が膝から崩れた。
「うぇっ!」
我ながら情けない声である。委員長が俺を足で転ばしたようだ。…わぁ、委員長、眼鏡割れてる…!


「うぇっ!じゃねぇよ。うえっ!じゃ……手前ェ、これお気にだったのによォ……ちゃんと洗って元通りにして返せよォ?……おい、聞いてんのかァ?」
委員長の纏う空気や言葉使いが変わった。いや、それよりも
「せ、先輩血が……。」
そう、先輩は鼻血だーだーの状態だった。床にも服にも血液が散っている。こ、これヤバイんじゃねぇの?
「あ゛ァ?五月蠅ェよォ手前が売った喧嘩だろうがァ。きっちり返すゼ。」
親指で血をぬぐいながら俺を睨みつける委員長。なにコレかっこいい。




結局、俺が「うぇーん、ママ!」って言う羽目になった。途中で三年生の人たちがぞろそろと廊下に出てきてくれたおかげで、俺は死なずにすんだ。
しかし、体育会系の三年生の人たち五人ぐらいで抑えても抑えられなかった委員長っていったい何者。
「まったく!一体二人の間に何があったと言うんだ!?」
「修、吉塚になにしたん?」
一年と二年の学年主任がやってきた。大阪弁のほうが一年の主任。
「…俺が悪いです。すみませんでした。―――立花も、ごめんなさい。」
さっきと打って変わって委員長はしょぼくれている。謝るのに必死だ。まぁ、これが大人の対応というやつだろう。
とりあえず、俺が先に暴力をふるったと言い、煙草の事は伏せといた。
双方とも親が共働きと言うことで、学校に親は呼ばれなかったが、必ず電話すると言われた。


「てか、委員長、あんな一面もってたんですね。知りませんでした。」
「ほんと、悪い。」
あれ?ちょっと面白いかも
「眼鏡外すとあんなんになるんですか?それって二重人格じゃないですかー。」
「あぁ、まさにそうだ。」
「え」

「俺、二重人格。」
眼鏡がない二枚目の顔でそんなこと言われた。眼鏡がない方がいいんじゃないか?
「とりあえず、煙草は処分するから…出せ。」
「え、あ、はい。」
従順に従ってはっ!となった。思ったのもつかの間、もうすでに委員長に煙草はいきわたっている。
二重人格について突っ込まさせない手際。慣れているのだろう。
「はい、没収ゥ~。あ゛ァ?なァんだ。まッずい銘柄じゃねェか。」
「……委員長?」
「ん?どうかしたか?立花。」
……委員長の二重人格は複雑怪奇です。

例えばほら、二重人格

高梨 恋(たかなし れん)です。ワロスワロスー
題材は二重人格でっす(`・ω・´)ゞ
高校受験の受験生様、お疲れ様です。
面接もがんばってくださいね。
学校って、風紀あるところとないところがあるじゃないですか。
自分の学校もなかったので、何をやってるか結構調べてみたりしたのですが、
生徒会と同じようなことやってるんですね;;

閲覧ありがとうございました。

例えばほら、二重人格

「うぇーん、ママ!」ってなるのは向こうのはずだったのに!! 流血表現注意

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-08

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