War§ øf the Dead

War§ øf the Dead

今日、親友が死んだ。
しかも不慮の事故だった。
ソイツはとてもいい奴だった。まぁ非モテ体質ではあったが………
「………、」
私は土砂降りの中、傘もささず、フードをかぶってただ歩いていた。
私は、その親友が轢かれるのを目の前で見ていた。何もできず、ただそこにいることしかできなかった。
なんて無力なんだろう……

ここはどこだろう。
気づけば見知らぬ街にきていた。
雨はおさまるどころか勢いを増していた。
もはや雷まで鳴っていた。
もうどうだっていい。
アイツがいないんだったら私は生きている意味なんてないのだから。

私はいじめられっ子である。
自分で言うのもなんだか変だ。取消そう。
なんだか虚しい。
……そろそろ帰ろう。
そう思った時だった。
周りの人達が騒いでいた。
なんだろう…………
気になって後ろを向こうとしたがどうも体がゆうことを聞かない。それどころか私は倒れていた。
そして生暖かい感触がお腹を中心に広がっていく。
数秒くらいしてそれがなにかわかった。自分の血だ。
ひどく寒く感じる。視界もぼやけてきた。
きっと死ぬのか…………
何がなんだかわからないまま目を閉じ……いや、見えなくなったのかもしれない。そんなことはどうでもいい。私は眠りについた。一生醒めないだろう。

私は通り魔に刺され死んだ。

〜〜〜〜〜

「………………?」
目を覚ますとそこは学校の教室だった。
夢だったのだろうか……
私は学校の教室で目を醒ました。
あれは夢だったのだろうか………いっそのこと全部夢であってほしい………

とりあえず、一旦着替えたい。
なぜか服がずぶ濡れだから……凄く気持ち悪い。
それよりも忘れてはいけないことを忘れていることに気づいた
…………私は誰なのだろうか
まるで記憶消失。
確か…柊 瑠璃……それが私の名前………私は何をしようとしていたのだろうか。
どうもその辺の記憶が曖昧だ。
考えれば考えるほど分からなくなっていく。
私は考えるのをやめて立ち上がり、辺りを見回した。が、無造作に机が並べられているだけでこれと言ったモノもなくいたって普通の教室であった。一つの要素を除けば……
「…………血!?」
それは紛れもなく血であった。
自分の体を見回したが怪我をしたと思われるところはなく、それが他人のものであるということがわかった。
何がなんだか…全く理解できない。
呆然と立ち尽くしていると、スピーカーが喋り出した。
『殺し合いの時間になりました。チームを組んでも一匹狼を演じても構いません。それではさっさと始めやがれwwww』
なんとも不愉快な声だ。
………殺し合い?
なんてハチャメチャな夢なんだ
自分の置かれている状況が全くわからない。頭がパンクしそうだ。
外の空気を吸おうと廊下に出るために教室の扉に手をかけた時、横からなにかが飛んできていた。
そして気づいた頃には私は教室の後ろの壁にもたれ掛かっていた。
「最初の獲物がオマエみたいな奴だと殺りやすいんだよな」
教室の黒板側の扉から男の声がした。が、そこを見てもあるのは机……人どころか生き物すらいなかった。
「んじゃ、さっさと死ね」
再び私に向かってなにかが飛んできた。それは机だった。
私は痛みをこらえて横にダイブした。
「たった2回で攻撃を見切るなんて……」
「……………………、」
自分でもビックリした。だが痛いのは嫌いだ。急いで逃げないと……
そう思って立ち上がった瞬間、なにかが私の腹部を抉った。
え………………?
刺さっていたのは刃物なんかではなく、人の手だった。
その手は引き抜かれてそのまま私の首を絞めはじめた。
「………………!?……」
もはや何もすることができず、されるがまま…………
『福井潤さんが死にました。死因は破裂死です。ギャハハハハハ』
私もこんなふうに放送されるのだろうか…………
だが、首を絞める力が弱まっていることに私は気づいた。
私は私の首を絞めた相手を見ようと目を凝らす。
目が合った瞬間、それは起こった。

目の前にいたはずのソレが血肉をぶちまけて破裂した。
気持ち悪い
嫌な臭いが教室に充満する。
それと一緒に私の意識は途切れていった。

目を醒ました。
ここは…家庭科室……。
もう目を醒ますのは何回目だろう。
「ん?目ぇ醒ましたか。いや、起こしちまったか……わりぃ。」
思わず身構えた。
さっきまでのことを思い出した。
「そう構えるなって。まぁしょうがないか……それより…あんまり動かないほうがいいぞ。……その…見えちゃうから。」
なんのことかわかんなかったが自分の首から下を見て気付いた。
気を失うまでは制服にセーターの上にブカブカの黒いフード付きジャージを着ていたはずなのだが、今はブカブカのフード付きジャージだけしか身に付けてなかった。
しかもチャックがヘソの下までしか閉まってない。
道理でスースーするわけだ。ってそうじゃないッ!!!
思わず赤面した。
「ま……、まさか…貴方が………訴えます」
「違ぇよ!なんで俺なんだよ。」
「他に誰がいるんですか!?」
もう……泣きたい
「そこにいんだろぉが!!」
その人が指差す方を見たが誰もいなかった。
「やっぱり貴方じゃないですか!!うぅぅ…」
「はぁ、零出てこい。俺が疑われてるじゃねぇか。」
男の人は私の後ろの壁に話しかけ始めた。
げんかくでみているんだろう、幻覚でも見ているのだろうか、この人は…
「しょうがないなぁ…オリャッ!」
そんな声が聞こえたと思ったらなにかが私に巻き付いた。否、抱きついた。
「な、なに!?」
「エヘヘ、フリャー!!」
何かが私にスリスリしてきた。なんだこのセクハラは………
「おい、零………やるんならあっちでやってくれ。」
「えー、やだ。この娘カワイイから無理。ってかここまでこの娘を運んできたのは私だよ?」
え?ちょっと待って。今運んできたって…
「あの、状況が掴めないんですけど……」
「まぁ無理もねぇ。零、説明してやれ。」
零と呼ばれた私に抱きついてる女の人は私から離れ、私の前に出てきた。
髪が長くて美人だった。
「はぁ、簡単に言うと教室でボロボロになって倒れてたから連れてきた。あ、服は今直してるからそれで我慢してネ。」
「まぁそう言うことだ。脱がしたのこいつだから。」
この服装で過ごすのはきついものがあるような………
「そう言えば…名前聞いてなかったな。何て言うんだ?」
男の人が唐突に聞いてきた。
「柊 瑠璃です。貴方がたは?」
「俺は上原 透馬。」
「んで、私は黒澤 零って言う。それより…」
零が私に近付いてきて、そのまま私に抱きついてきた。
「瑠璃ちゃ~ん、スリスリ~、カワイ過ぎる~」
「ちょっ……はぁぅ、や、やめてぇ、ぁ…」
「とりあえずあっちでやってくれ。」
よくわからないが、零のセクハラは20分続いたという。

War§ øf the Dead

はじめまして、音猫です。
初めての投稿ということで緊張しております。ガクガクブルブル
この作品は厨二要素が含まれているので感染しないように気をつけてください。
読んでくださった読者の方々、ありがとうございました。

War§ øf the Dead

ある少女が迷い込んでしまったのは、死者達が生き返りを賭けて戦うこの世ではない世界だった。

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 青年向け
更新日
登録日
2014-03-07

Copyrighted
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