花籠/ 俳句の真似事集

【憂き春に】

春なのに ああ今この言の葉の もどかしさよ

北の地の 悲しみ深く 春遠し

花咲けど 冬に残りし わが心

友よ我を 花見に誘うな その気になるまで

春来れど 花も苦悩も 七重八重

幼子の 瞳のように 花見たや

花開き 鳥歌うのも絵空ごと

悪夢去り 朝日に輝く 桜を見たや

(2020/04/01) 



【 路地の雪 】


疫病の 流行りたる世も 白い雪

山茶花の ハラり赤燃ゆ 雪の道

祖母の指 なめたる雪の 埃味

雪なしと 羨む北の 旅の人

ダンボール 道に冷たき 涙雪

ひもじさに 財布も捨てて 何処へゆく

マッチ売る 少女の心 身に染みて

妻子には なんと告げよう 冬の道

文明の 灯りも心も 脆き冬 

コンクリの 人アリ塚も 脆きもの

白アリと ここが違うよ 人は智恵アリ

暖かき 心を分けん 春を信じて     


(2020/12/31)


綿虫の 寂しや一人 宙を行く

杖一本 腕に一輪 菊の花

訪ね人 嬉しくもあり 疎ましくもあり

この最中 人込み合うも 秋の空

何時に無く 音なく澄みし 秋の空

秋もなお 続くはミクロの 戦の世

暴君の 退かぬ世にも 秋来たり

人々の 怒りの声に 木の葉散り

文明の 幹食い荒らす コロナ虫

常の秋 世に戸惑うは 人ばかり

詫び錆の 秋を詠うも 憚りて

はらはらと 地へとわが身の 落ち葉かな

行き違う 白きマスクの 眼の行方

年を経て 身の置き所なき 浮世かな

ヒヨ鳴きて 木を身の仏 祠陰

青首の 白きその身や 柿の上 

(2020/11/11)


雲去れど 心の憂さの 消えぬ日々

愚痴こぼす ムクドリに 我も頷いて

ツツジ花 咲けども愛でる 気も失せて

驕れども 生き物なりと 思い知り

目に見えぬ ものも生き物 我も生き物

草萌える 初夏の日差しに 命を思う

(2029/05/06)
 


さて孫と 逢えるかどうか 黄金週

色づくも 孫は来ぬらし 畑イチゴ

愚痴こぼす 介護の天使 さもあらん

人世など 知らぬことさと 朧月

世の春も 桜も流れて 涙雨

(2020/04/26)


春雨の 夜に頬杖 浅き夢

花見さえ ままならぬ世に 雨の音

売りに出す 畑に揺れる 豆の花

細君の 愚痴聞き飽きた 雨の夜

鶯の 声も曇るや 世の時勢

身に染みる 明日をも知れぬ この命 

(2020/04/20)



花粉症 コロナではないと 繰り返し

新コロナ 鳥知らぬ顔で さえずりて

幼子を 抱くことさえも ままならず

花見まで 出来ぬ時世に 重き杖

憂さ晴らし 歌おうとすれば 弦が切れ

温暖化 それさえ覆う マスクかな

地球という 生き物掃除を 始めたか

お前らも ただの生き物と 鳴くカラス

(2020/04/18)



古き葉を 落とす間もなく 春になり

鶯を 差し置き ひばり声を上げ

金髪の 少女に星の 涙満ち

壊れゆく 星の悲しみ 少女の瞳

(2020/03/02)


渡り鴨 この小さな身で よくもまあ

鴨浮きて 胸なでおろす 池の岸

一冬を ともに越そうや 渡り鴨

知らぬ間に 着ては飛び去る 鴨の群れ

春を待つ 桜の園に 古老杖

暖冬に 夏の暑さが 危ぶまれ 

懐の 寒さを防ぐ 手だてなし

冷え逝かぬ 花を残して 陽は入りぬ

政 人代わりても 変わりなし

老い人を 気遣う人も 老いなれば

つるし柿 消えし空き家の 戸は揺れて

切り株に 当てのカラスも 困り果て

入りゆく陽 山の小柿に 色を添え

木枯らしの 風間をぬって 葉を寄せぬ

何よこれ 種知らぬ孫に 一苦労

柿見れば 無き故郷の 家想い

柿赤き 干す稲の田に 煙立ち

モノクロの 写真の柿の 色や赤き

柿赤き あの日の君は 何処にや

柿落ちて カラスの声の わびしさよ

(2019/12)



生業の 憂い抱きて 秋の風

散る葉をば 芽吹きの元と 思いなし

気は若き なれど老いゆく わが身かな 

(2019/10/08)


ツク法師 残る暑さを 待てずして

通い路を 君つれなくて 秋の風

老いの路を 歩きつかれて ツク法師

先見えぬ 君を頼りに 生きる日々

(2019/09/17)


捨て猫と 君や何処まで 心優し

道端で 嘆く年寄り 捨て置けず

溝登る 老い亀を抱きて 池の中

(2019/06/26)


初物と 渡す年寄り わが身とは

焦らずと 色赤きまで ミニトマト

やわらかき 子茄子の軸に 鋏入れ

(2019/06/23)


バラの花 梅雨寒空に 咲きにけり 

黄昏に 愚痴をこぼすや 親ツバメ

山姥か 年を忘れて 破竹取り

(2019/06/16)


孫よりも 蛞蝓先にイチゴ食い

孫来ぬと 終いかねたる鯉のぼり

有難う これ好きなんよと 豆ご飯

(2019/05/06)


胸に秘めし 心切なき 紅ツツジ

君は薔薇 我名なし草 青き空

益荒男の 白き髭伸び 花小鉢

母のよに 優しき林檎の花は開きぬ

花乙女 時の流れなど 我知らず

(2019/05/02)

若き望み 残したままに 先立たれ

追悼の 花は道路に 溢れ連なり

緑風に 手を抜け孫は ヨチヨチと

故郷の荷物 開ければ さわらびが

薔薇ほころび 葡萄の若芽 伸びし朝

ツツジ咲き 車の席には 花乙女

下ツツジ 上花見月 青き空

花見月 ツツジ見下ろし 高々と

ツツジだよ 難しき字 孫に告げ

外来草 我がもの顔に 咲きにけり

若き望みは 勿忘草を後に残し

桜散り ツツジの前に 夏日とは

(2019/04/26)

へえおおきに 花のかんざし傾けて

花かんざし うちも昔はあのように

想うれど 都の春は 夢はるか

老木の 桜を友に昼の夢


青き春 白髪の横を走りぬけ

老骨も 桜とともに行き去りて

休み明け 桜の園を一人締め

世の暗き さくら桜と喜べず

(2019/04/17)


愚痴こぼす初老の妻達 あな恐ろしき

はじけ飛ぶ子供の声に その行く末想い

妻ともに老いし互いを認め合い

屋根を剥ぐ野分恨めぬ 人の業


流されし家よ人よおびただし

よそ事と思えぬ野火の恐ろしき

夏野菜 播けど芽が出ぬ 寒戻り

春嵐 畑に人影 見当たらず


ダンス会 孫の日舞も見てみたや

式典に 雨や降らじと 気にかかり

制服に 馴染まぬ顔の 孫娘

そわそわと 春に気をもむ畑のひと

花咲かず 春ほろ苦き 土筆の身


【花酔抄】

早咲きの 桜かとみれば 枝垂れ梅

公園のカラスも待ちし花弁当

早燕 桜心に染まりしや

目の前の 人も桜も画面にて

恋しやな 花簪と 舞い姿

京桜 加茂の瀬音を聞きながら

都人 花より人に 酔いしれて

花だより 早や南海に野分とや

来てみれば あや何処にぞ 大枝垂れ

春風の 揺らせど散らぬ 花もあり

春待の 小鳥も花に酔いしれて

羽音無く 寂し古木の 桜かな

花乙女 この世の春を 謳歌せり

人も木も 花よ華よと短き春を

(2018/03/26)  



はや三日 隣りの家の賑やかさ

初詣 いいよ寒いし又の日で

雑煮餅 詰めるを気遣う歳となり

良き年の兆しや晴れの三が日

雪雲の消える間を見て干しにけり

山茶花の枝に初見の目白かな

(2017/01/03)

クリスマス 澄し心をもう一度

鈴の音がまだ聞こえるやクリスマス

幼子の汚れぬ瞳やクリスマス

我が孫の輝く笑顔がプレゼント

返事来ぬスマホ捨てよかイブの夜

観たいよなイブにあの子とあの映画

(2017/12/24)


君の胸 孫の笑顔に満たされて

今のうちよと 孫の噂に羨まず

孫成りて 入りたる儘のツリーかな

(2017/12/6)


笹の影 水面の波や 渡り鴨

太古より 渡り継ぎたる 此の命

遥々と 渡りし鴨の 愛らしや


(2017/12/01)


君が抱く 幼き髪に風吹きぬ

杭の先 今年も来たよと羽根の友

初冬の陽 古老の傍で畑を観る

六地蔵 花を手向けし人 や誰

(2017/11/24)


長き夜の雨も明日は上がるらし

歳ともに月の流れも速まりて

嫌な世に救いは明日の晴れ日より
 

又の世でと 花を手向けて 君送る

比翼なる伴侶残して君逝きぬ

君逝きて 寂しき畑に 木枯らし吹きぬ


人もただの生き物なのだと思いたくもなし

虫の音も少なくなりし秋の月

ハロウィンの可愛き影も今夜は見えず

秋になり枯れゆく草も人も哀しき

サンマなおサケも少なくなりけり


今宵また虫の音だけは変わらぬ世

ただならぬサンマ届かぬ秋の店

何時の世も変わらぬ人の為せる技

危うき世と虫は知らずにただ鳴き明かす

秋月の澄し夜空にも心癒せず

昔世の神の怒りと捉えぬ今人

猿知恵とばかにできるや毛のない猿に

理想をば求める処に人の道あり


コオロギの涼やかなる声秋近し

彼の人の気遣う雨に濡れ帰り

我が文の裏覚られまじと読み返し

君が文想いの程を測り兼ね

浮名をばたてじと想いを押し包み

秋来れば共に音色に思い添え

君ともに深まる歳の切なさよ


日の出をば待ち兼ねたるや蝉しぐれ

陽射しをば避け暁の散歩道

暑き日ねと見知らぬ人も声を掛け

黙祷の合間も止まぬ蝉しぐれ

灼熱の記憶今なお蝉しぐれ

魂の叫びかなお増す蝉しぐれ


なお澄て熊野の川の神の水

清流に浸かりて禊がん熊野川

清流の幹の巣箱の蜜の味

裸っ子川に飛び込む水しぶき


瓜花によさぞ重かろう熊蜂(くまんばち)


孫ともに三線抱いて子守歌

皺多きお婆が踊る島の歌

八重山の海懐かしや島の歌


梅雨開けてうるさき蝉を追い払い


講釈を するより自分で作って見せよ

やってみて 初めて農家の苦労知り

成り過ぎて やり場に困る胡瓜かな

ミニよりも 確かに難し大トマト

実は成らず 栄養過多の野菜たち

何処にぞ 消えて久しき雨蛙


照り続き 雨待ち顔の 胡瓜かな

まだ釣れぬ イサキの便りを 待ち兼ねて

風ごとに 水面の早苗 揺れ動き

田には蛙 開くれば林に蝉の声 


隅に黒き 子猫の塊に 八眼玉

野良猫の 母痩せ細り 餌探し

鳩の巣を 襲いし母猫 我を見つめ 


まだ蒼き トマトは成りて ひと安心

麦わらの 帽子の中に 初胡瓜


むくつけき 男の庭に アマリリス

アマリリス 揺れ甦る 過ぎし日々


好みをば 訊かれて迷う 花菖蒲

名花をば 競いて賑わう 菖蒲園

彼の人の 面影偲ぶ 花菖蒲

涙をば 浮かべて揺れる 花菖蒲

濡れ染めし 薄紫の 花菖蒲


電線に 疲れを癒す夕燕

憎し猫を追えば後ろに子猫あり


巣を掛けり 野鳩は緑の葉の奥に

ホウジロ何処に 見知らぬ鳥の声哀し


君去りて フェンスにもたれる制服に雨

花濡れる ツツジの蔭に 君を見送る

ツツジ萎みて 夢 涙とともに落ち


ツツジより 君を大きく映したい

躑躅(ツツジ)って 字は難しいわねと 君言いぬ

君と手を 繋ぎて歩く ツツジの小道


みどり子は そっとツツジの花に触れ

ツツジ咲く野に よちよち歩きの 孫を追い


陽光の 誘いに目覚め いざ緑野へ

風薫るとは 古人(いにしえびと)の風雅さよ

緑葉を 笠に眺める 陽の光

若葉をば 食する虫よ 旨かろう 

朝の露 置く若草を 踏みあぐね

緑風を 吸う我が胸に 息吹満ち足り


見上げれば 春の名残の山桜

新緑の輝く野辺を一人旅

緑野に腰をおろして握り飯

麗しや 若き乙女の緑の髪よ


まだ四月 急な日差しに萎える苗

遠くまで 燕のヒナを見に出向き

突き放す ホテイアオイの子育て方

桜散って すぐに真夏の日差とは

休日に おやと思えば参観日


子育ての愚痴をこぼすや暮れ燕

嫁菜摘む人の頭上にツツジ咲きたり


桜より 夏日前線先に生き 

花よりも 汗の飛び散る陽気かな


磯の鳥暮らしに慣れて町の中

木々芽生えイソヒヨドリの声響き

渡りくる 燕の声に 春は遠退き


寒戻り どうやら明日も 花日和

大阪は 桜を見るのも 通り抜け

なあるほど これが噂の 桜餅

人々の 頭の向うに 大枝垂れ

帯ともに 揺れる都の 紅枝垂れ

わざわざと 見に行かずとも 庭桜

新妻も 頬紅(ほほあか)めたる 花見酒

一口に 孫顔しかめたる 花見酒

玉杯に  花受け廻す 桜蔭

世の春を ともに喜ぶ 桜かな

春風に 浮かれて揺れる 桜かな

高台に 咲き揃いたる 桜かな 

雅との 誉もたかき 紅枝垂れ

染井より 宮びと好むや 紅枝垂れ

羨まし 隣の庭の 紅枝垂れ

若木とや 紅に枝垂れの 庭桜

此のへんで 句を切り上げて 花支度

(2017.4.12)


桜好きの運転危うし花天井

花見の日弁当作りは苦にならず

満開の老いし木肌にそっと触れ

友連れて行きつく先は花の下

レジ空きぬなるほどきょうは花日和

花日和 列の先には弁当屋

桜をば観ずして逝きし人もあり

芭蕉ならこの櫻をば何と詠む

車椅子押すには遠き桜かな

逝きし人も揃いて笑う夢花見

いざ友よ花見に行かん陽もうらら

(2017.4.11)


楼門を後に親子の肩軽し

花莚広げて下ろす茶弁当

我囲む顔もそろって桜色

花揺れて霞みし空には朧月

世の春を今年も君と花見酒

礼服のままにて花見の親子連れ

人は皆変わらぬ春を喜びて

春なれば気楽に暮らせと言い残し

(2017.4.8)



夜更かしのスポーツ番組に大欠伸

春の道 昔話に花が咲き

夜勤明け介護の天使を労いぬ

道端の見知らぬ花よ なは何処から

花むせ香り 羽音に満ちしあの春や何処に

花開く 何も変わらぬ世とぞばかりに

枯れ枝に息吹く花芽の春訪れにけり

梅過ぎて桜に至るや花暦み

(2017.3.29)


寒戻り衣重ねし昨日今日

もはや今日最終日なりと石油売り

春の野に遍く慈雨の降り給う

鴨去りて池をすいすいカイツブリ

蕾鉢 咲けよと注ぐ手負い水

春の畑 見えぬ老い人 気にかかり

埋め戻す芋の芽嬉し春日和

今の世に若紫かと見紛う乙女

(2017.3.26)

鏡をば見るな心はまだ十八の春

フォスターの歌口遊みて青春気分

来る春を待たずに霞むや老いの道

若人の命の輝き羨むを越え

花霞み 彼方に緑の我と君

人生の若き春をば共に生き

手を取りて 供に杖突き花の彼方に

(2017.3.17)


まだ寒き畑に残りし大根を引く

舞い降りてキビタキは堀たる土の虫食う

餓え凌ぐ鳥は畑の残り葉に群がり

流感の次は花粉かマスク離せず

蕾をば挟めば柔き寒風吹けど

初音ぞと共に 声あぐ薮の細道

子供らの声も華やぐ春の午後

気品あり岸の小梅の紅淡き花

梅咲きて人の心にはや桜の夢か

(2017.3.16)


梅咲きぬ変わらぬ春に世は殺伐と

昨日まで傍にいし人花の彼方に

うららなる春を貴方と有り難や

冬野菜は終わりて閉じぬ無人店

初日なの調子いまいち鶯さん

弱りてと我も同じよ春の道

老若男女うち揃いて賑わう梅林

そろそろかそろそろやろと花噂

出無精も陽に誘われて買い物へ

日向鉢メダカも元気を取り戻し

この陽気一雨降れば咲きそうな

さて梅は 見たし 桜ももうすぐ咲くし

また来るね身は老いねども花咲く春が

また逢おうね次は満開の桜の下で

帰りゆく手を振る先に朧月

(2017.3.14)



いつ咲くの 木に手をあてて聴いてみる

咲くならさ 心の花も咲いてほしいな

もう春か 心の氷も溶けるかな

行っちゃうの 行っちゃえばいいさ春だもの

咲いちゃったらさ はしゃぎたいよね小鳥みたいに

ねえ誰かさ 連れて行ってよあの桜の木の下

(2017.3.3)


誕生日一人で自分におめでとう

大統領 時代が産みし狂い花

アメリカの自由の女神が泣いている

寒き冬貧しき人を襲いたり

五七五 世の中の為に何ができよう

(2017.1.21)


新年の挨拶まだでしたか隣り人

わが孫の熱下がりしやスマホ取る

立ち話犬も寒さに身震いし

寒き朝も老し身体を散歩道

見てごらん山茶花の枝にメジロさん

(2017.1.18)


風寒し畑には人の影もなく

寒風に耐えて味増す冬野菜

金柑をかじりて暫し故郷思う

老し身にも心は戻る幼き日

久々に寒き真冬となりにけり

(2017.1.12)


初稽古よき正月なりと人毎に

はや十日 恵比寿の福の飴恋し

福求め押され押されて戎宮

笹揺れて若き笑顔の福娘

和泉なるその名も福瀬の恵比寿宮

恵比寿宮たき火を囲む翁たち

(2017.1.10)


初春や雀降りたる交差点

初春や孫お年玉に顔傾げ

不動尊今日は信者も護摩煙り

初詣並ぶ先には賓頭盧尊

吉兆か晴れ渡りたる三が日

放ちたる功徳の泥鰌を待つは鷺

年賀状一面飾るは孫写真

幸せを振りまく天使か孫の笑み

(2017.1.1)



腰曲がりたるバイクの人の危うきかな

師走かと忙しき身をば懐かしみ

残り実を採られて鴉の声も消え

(2016.12.26)


あの峰に雪降り積もる日も間近

戯れに袖振り回す罪な人

言の葉を信じる他に何ができよう

(2016.12.15)


回収日まだ明けぬ外に空き缶の音

空き缶を無我夢中に潰す老人

日々の糧に事欠かんや缶持ち去る人

余生をも缶を集めて食い繋ぎ

(2016.12.14)


足枷を解いて行きたや君のもと

暗き世勢 愛と希望の光よ灯れ

雨やまぬ夜北国は雪なりや

(2016.12.13)

穏やかな笑顔嬉しき慰問かな

ブログにも紅葉色増す京便り

風寒し畑に人影見当たらず

(2016.12.10)

小春日に金魚もひれを翻し

火の国へ旅して寂し隣人の畑

鳥のため実を残すとは優しき人よ

(2016.12.6)

冷え込みて墓標の花も長持ちし

はや年の瀬か売り場に並ぶ鏡餅

我が孫も試験に悩む時期となり

目まぐるし先見えぬ世の年の暮れ

武器持たぬ平和の戦士に我が同胞よ

(2016.11.30)

キビタキの舌にせかされ冬支度

熱き茶に世間話の声途切れ

溜まり水泳ぐ金魚に色葉落ち

彼の人もメールに寒しと風の夕暮れ

居眠りて惜しや遠退く 紅楓

(2016.11.23)


渡り来て哀しや消えし故郷の池

帰り来て偲ぶは在りし故郷の家

近場には無くてネットの紅葉狩り

天野山そろそろ紅葉の見ごろかな


【 京都の秋に 】

気遅れて都は遠く夢紅葉

東山錦の裾に夕陽射し

柿落ちて茅葺屋根(かわぶきやね)に暮れ紅葉

暮れ落ちて鴉の声や紅葉影

紅葉絵に残る風雅の墨の跡

西日射し弥陀の御寺に紅葉燃ゆ

嵯峨の寺鐘の響きに散る紅葉

君待つは音羽の滝の紅葉影

君待てど色燃え尽きし影紅葉

色燃えし錦の庭にも無垢(むく)の白雪


犬の子は先争いて乳吸いぬ

豆腐屋の再開ビラにひと安心

鉢植えの土入れ替える時期となり

街路樹の色付く路を孫乗せて

(2016.11.13)


風寒しグッピー素知らぬ顔をして
 
寒さなど知らぬとグッピー尾を振りぬ

外は冬アクアの中は熱帯魚

美魚の群れ心にスイッチ夏の夢

美魚もまた麗花佳人と扱い難し

通り過ぎちゃうのと暖房器具たち

シチュー皿スプーン沈みて浮かぶジャガイモ

母親の髪切るに窓に冬の雲

何事もなさぬのにもう年の暮れ

白菜も葱も高くて饂飩鍋

(2016。11.10)

秋雨の路の向こうに我が家の灯

客語らずして秋雨窓を打つ

秋の日の想いを後に駅離る

手を振りて秋雨のなか君は遠退(とおの)

路を譲れば笑顔残して秋雨に消ゆ

(2016.11.8)


孫舞台ひやひやしたあと大拍手

数分の舞台の為に丸一年

ホール出てそれぞれ秋の風吹く町へ

離れ犬これから何処へ秋の暮れ

冷え込みに白菜やっと葉を巻ぬ

(2016.11.6)


【秋の思い出】

夜なべして桔梗束ねし若き父母

秋の夜に花を束ねし庭莚(にわむしろ)

長き夜に裸電球花しごと

父母の蜜柑を積みたるリヤカーを押し

カラス鳴く日が暮れるまで蜜柑摘む

産気付く母をリヤカーに枯草の道

朝日に目覚め虫の音に眠りしあの頃

巡る四季に添いて暮らしたあの頃懐かし


【深まる秋に】

澄し秋 何処まで空のあの彼方

秋風の謡いも(すが)錦繡(きんしゅう)の舞

眼を被う色羽衣の錦 かな

天人の岩場に掛けし錦かな

空蒼く峰に(そび)える錦かな

眼に見えぬ季節の絵師の筆紅葉(ふでもみじ)

まさに秋
 色葉織りなす錦かな

岳神の裾を彩る錦かな

山肌を被う色葉の錦かな

山姥(やまんば)の渡りて為せし色葉かも

雪肌へ里びと誘う色葉妖(いろはあや)しき

もしや肌隠して雪女(ゆきじょ)の錦の衣 

(2016.11.01) 


ほら今日も歩こうよ朝日が言った

まだ蒼き蜜柑の味に父母の顔

(2016.10.31)

眩しき朝日に包まれて秋の一日始まりぬ

梢よりキリリと響く百舌鳥の声

ハロウインのウサギ可愛やお菓子篭

一日の出来事語るや雀宿

旅ごころ誘う山野の秋の色

澄みし秋
  山野錦に心まで

刈穂掛け消えて寂しや夕景色

俳聖の阿蘇桜島にも碑文ありせば

秋色の朝の空気を胸いっぱいに

湯に浸かり錦の山の気を吸いぬ

(2016.11.30)


秋桜(コスモス)を眺めハラリと涙落ち

薄き(べに)を筆にさらりとコスモスの花

一番花逃(いちばんかのが)してもなおコスモスの花

コスモスをそっちのけに嬰児(みどりご)の笑み可愛い

秋桜の花より(いず)る上げ雲雀(ひばり)

子雲雀(こひばり)はコスモス畑の花の影

(2016.10.27)


冷たさにさらに色増す恋もみじ

我はまだ蒼き紅葉よ手を離しゃんせ

我を見る瞳に燃ゆる紅楓(べにかえで)

(2016.10.24)

秋が来て寂しいんでしょう一人では

何時までもあなたの傍に居てあげる

嬉しいけれど夢の君には触れられぬ

目覚めたら消えて切なさ残るだけ

(2016.10.19)


色に燃え散る秋の葉の羨まし

夏物をしもうた後に この暑さ

舞落ちる色葉忘るや恋の歌

燃え尽きて色失いし枯葉かな

(2016.10.18)


秋の陽は淡路に落ちて加太の海

待ち望む夕日曇りて加太の海

とろき湯に浸かりて見下ろす加太の漁灯(いさりび) 

漁灯の寄りて集うは加太の瀬戸

露天の湯 眼下(がんか)漁灯上飛(いさりびうえと)ぶ空の灯

紅葉鯛(もみじだい)ねらう釣り船加太の瀬戸

山上の湯宿にぎわう加太の秋

白菊の散りて浮かぶや眼下の釣舟

(2016.10.15加太の宿にて)


松茸の肌も白きはカナダ産

元気なのマツタケご飯にお隣さん

高値にて野菜乏しきうどん鍋

色付きし蜜柑を両手に品定め

虫の音も深まる秋に静まりぬ

(2016/10/13)


ヒヨドリが津軽を越ゆとはよも知らじ

前の畑に冬野菜の芽青々と

長き夜の虫に変わりて鳥のコーラス

ほんのりと蜜柑色付く頃となり

家雀いまは田に出て静かなり

蒼き柚子たわわに実りて畑話

(2016/10/12)


髪たくしあげ我が娘もよと暮れし部屋

語らいを鶴瓶落としの日が閉じぬ

切れぬ縁願いて通う唯それだけを

束の間の糸の響きに添う想い

打ち合わし心の絆を確かめぬ

(2016/10/11)


おでん煮え孫はまだかと祭りの夜

生憎と雨祭りなり浮かぬ顔

孫ともに犬も泊まりぬ秋祭り

(2016/10/08)


白き息吐きて世話人集まりぬ

準備終え(あと)気がかりは天気のみ

照る坊主ほんとに効くのねえジイジイ

祭り酒チリメン雑魚(ジャコ)関東炊(かんとだ)

朝日浴び身を整える本祭り

笛太鼓村を囲むは黄金波(こがねなみ)

柏手を打ち揃えてのち(ほこら)を閉じぬ

(2016/10/07)


日を惜しみ畑に残りて夕間暮れ

野分き去り町に戻りし夏姿

文化祭稽古不足に焦る日々

稲穂垂れ笛は響きて鰯雲

もう帰るのか母の言葉に鶴瓶落ち
 
(2016/10/06)


忘られぬあの日の君の麗しさ

もう一度逢いたし君にもう一度

あの人も見つめているかもこの月 を

初恋の人いまごろ何処で何思う


秋祭りみんな疲れて眠る午後

カッコ良かったねて言われたかった体育の日

あの子のダンスじっと見つめた体育祭

運動会蒼きミカンの香りして


台風の進路気になる秋祭り

ありがとう(ねじ)じり鉢巻きに紅さし笑顔

我がちっちゃな恋人の髪秋風に舞い

三毛混じり寄る猫の背にも秋来たり

雷鳴の過ぎて涼しや夕映えの雲

野分過ぎて蒼き果物並びたり

恋の瀬に離れて遠き君が踏み石

我が孫の気怠き声や夏の午後

孤老の平和への叫び聴きし8月

あの夏の軟らかき指をからめし夜よ

涼風に秋虫の声ひと吐息

足早に老い人の夏は過ぎゆきぬ

新仏並ぶ墓石のふぁっしょんしょー
(近頃の墓石の色形の華やかなること!)

盆過ぎて寂しき墓地にツク法師

空耳か玉鍵の声隅田川

生憎の雨の最中に大文字

暑くとも秋近づきたりとツク法師

盆毎にきつくなりたる墓地の坂

美しき造花に先祖戸惑いぬ

極楽と地獄の境の薄っぺらさよ

焦熱の記憶の中を彷徨いぬ

天引きの 額に唖然と 蝉しぐれ

クーラの音に消されて風鈴は

朝夕の 涼しき風に うとうとと

炎天下 続くは蝉の狂い鳴き

握りたる ゴーヤの肌の荒々しさよ

食細り あの勢いは何処やら

涼しやな 天満の祭りのこの夕べ

孫誘い 歩きたかった川屋台

はや宵宮 天満の川はさぞ賑おうて

浪花では桜と言えば通り抜け

花散った?まだおまんがな通り抜け

通り抜け行かんと春来た気いせえへん

まあいっぺん行って見なはれ通り抜け

七重八重豪華絢爛花御殿

造幣局の桜見てから死になはれ


染井より色香匂うは紅枝垂れ

()の中の古地図広げて迷う郷

故郷に我知る人も減りにけり

無縁仏山と積まれて水供養

廃屋に人の面影なお残り

打ち捨てて草被いたる柿畑

庶民には墓はなくても一心寺

その昔子犬拾いて彼岸花

初音とは大違いなり今の声

春うらら豚まん好きよと我が師言い

高いねん彼岸の間は造花で御免

おはぎ作ろか故郷よりのもち米で

見慣れぬ鳥渡り途中に休憩かしら

学校の周りの店には駐車ダメ

初節句これが孫よとスマホ見せ

イカナゴのくぎ煮を配る季節なり

飯に乗せ食う菜の花のほろ苦き

寒戻りチラシを止めて鍋料理

春耕の機を見逃せじとツグミ降り

何人のひと見送りし櫻花

惜しまれて春を待たずに逝きし人

彼の人の心にも春訪れぬ

桃色の一隅の春や枝垂れ梅

若者よ我が国政にもポデモスを

大人げぬ喧嘩の場合やこの危機に

打ちあげて地上に飢えの民哀し

節分や護摩壇前は粒の汗

身を変えて菩薩も並ぶや蒸し饅頭

我孫子寺に詣でた証の蒸し饅頭

孫娘に言われて気付く誕生日


【 カトレアに / 2015.12.03 】


咲く花を思い描きて灌水の日々

緑葉に思いもよらぬ華のその色

無理をして咲かぬともよし緑の友よ

一年も待ち焦がれたる花や麗し

香り立ち待つは愛しのカトレアの花


( 彼女は今、僕の眼の前の出窓の棚で
  鮮やかなピンクでリップが黄色のツイン
  の大輪の花を咲かせてくれています。 )  



【観心寺にて /2015年11月】


南朝の夢を偲ぶや観心寺

智勇の気おさめて深き山河かな

寄る鯉を見しや学びの行き返り

旅立ちを菩薩は如何にみそなわし

時の波に浮かぶも沈むも運命(さだめ)かな

彼の人の不動の姿や観心寺


(大阪府河内長野市にある楠正成公ゆかりの寺)


朝靄に キリリと響く百舌鳥の声

菊見惚れ 慌ててすするアイスクリン

大枝垂れ 切り倒されて 月遠く

街路樹の やや色付いて寒き朝

アライグマ 月夜の屋根を徘徊し

命拾い 犬と並んで踏む落ち葉

見上げれば 松の葉イガに栗の月

老い人は 枯葉頭に虚空を見つめ

秋の夜の静けさの奥 底知れず

身は叶わずば心むすばん三味の糸

ああなんと歳を忘れて横恋慕

孫遂にルージュ手にする歳となり

老い人の瞳遥かにコスモスの花

秋桜(コスモス)の心揺さぶる花のおお波

秋風に消えて寂しき笛太鼓

祭り終えて眠たき孫は帰途につき

戦火に倒れし無数の霊と歩みつつ

人々の叫びは空にこだまして

プラカード胸に平和を願う列

秋風に風鈴の音物悲し

空虚なる心を風が吹き抜けて

萎えし菊ようやく息を吹き返し

涼し夜の時雨に消えゆく虫の声

墓帰りホットドッグにかぶりつき

面影に彼岸に来るよと別れ告げ

盆過ぎて墓地に一人となりにけり

秋蝉の初鳴き聞いて花線香

鳴き殻の道を 隔ててキリギリス

キノコ雲その一瞬に消えしもの

焼け残る祠に無事を祈る日々

逃げ惑う祖国は遠く子は泣きて

身を庇う親息絶えて揺すぶりぬ

勇ましき歌声消えて暗き夜

街焼けて心も荒び餓えに震える

空襲に親を亡くして橋の上

泣き暮れて天涯孤独のガード下

靴磨き幼き身をば生業に

まだ友は異国の土に埋もれたり

焼け落ちて我の心も(えぐ)れたり


秋来れば海なる母は沖に消えると

波に揺れ耳には母の子守歌

海の母は夏に来りて我を慰め

陽に土は燃え我呼ぶは潮騒

遠き日の夏は(つま)みし虫の(うごめ)

日暮らしの寿命を覚るや声の哀しさ

葛もちの震え抑えて枠の中

暮れてのち店忙しき夏日かな

燃え尽きし陽は西に在り紅き頬

送り主若き娘に品問いぬ

鉄なべの炙りし底かアスファルト

腹立たし気に蝉追払いて涙に暮れぬ

待てども届くは宣伝メールのみ

迎えたや北の舞姫逢坂に

撫子(なでしこ)は多年草にてまた咲きぬ

浮かぬ空 恋の心や やれ鬱陶(うっとう)

想い人 (もつれ)れの糸を解き去りて

恨むまい慈悲の仏の弟子だもの

五月雨を駆け抜け初瀬に上りけり

慈悲の輪を問わずに君は袖にせり

五月雨て 大和の国を去りにけり

君がため 初瀬 の山に願をかけ

葉桜の間に赤きサクランボ

まだ五月 暑さばかりが 先を越し

親燕 愚痴を呟く曇り空

紅苺味見はアリに先越され

小雀の翼危うき母は何処に

椋鳥の母忙しや畝の中

濡れ躑躅(つつじ) 乙女の恋に幕を引き

淡き恋 えくぼに触れし花つつじ

淡輪の 海にも輝く 花つつじ

見るならば 浅香野山の花つつじ

浅香野に 花の陣幕 紅つつじ

源平の 色争いて 花つつじ

新緑に 色をひかえて山桜

新緑の 裾に一筆 山桜

新緑に 色薄紅の 山桜

新緑に 春の名残りの 山桜

緑風(りょくふう)に 心の憂さを (ぬぐ)いたや

緑風を 駆け抜け師の住む あの町へ

(つら)生業(なりわい)に耐え 微笑(ほほえ)女人(ひと)

残り花を (ぬぐ) うがごとく 降る 暖かき雨

母猫の 子を運びしや 餌残し

花冷えに コーヒー缶の 暖かさ

花冷えを 口実に そっと 肩を抱き

花冷えに 警備もコートに 身を固め

花冷えに たこ焼き一刺し ほらああん

焼き台を ()ねて口入る 桜鯛(さくらだい)

花冷えに 慌てて冬物 取り入だし

花冷えに 夜桜を観る 日を伸ばし

花冷えに 風を引きしか 鶯や

花冷えに 丸き羽毛(うもう)目白(めじろ)かな

花冷えに 散らずもつかも 二三日

花冷えに 甘酒屋台 に 人だかり

花冷えに 肩すぼめたり 若夫婦

花冷えに 下戸も盃 飲み干しぬ

(はな)を見ず(はな)を観て 詠む夕べかな

幼子の 瞳を覗けば 我に身変わり

人恋えども 白髪交じりの翁 哀しや

郷帰り かの浦島の我が身かな

目に映る我が郷の春 夢の如し

豌豆の白き花咲き 燕訪れぬ

ひっそりと 大宮人は 御簾の陰

一千年の夢を開くか御所の門

御所桜 世俗の目に晒されたり

気使わずとも 花は 散る時には散るものよ

揺れる花よ 春風憎しと想いきや

ふと開く 花は何をば 失いし

花盛り 気付けば 筆が足元に

俳聖は この花を見て なんと詠む

満開の あの花見たかと通行人

春も春 水面の鯉も花を食うなり

供養にと 子ネズミ花野に 放ちたり

深山に 入り求むるは夢桜

桜守り 幹を叩いて 誉めにけり

まず彼岸 染井 枝垂れに 八重桜

花の戸を くぐれば君の 笑顔待ち

茶話に お稽古よりも 身が入り

花咲きて もう大丈夫よと きみ()いぬ

夜風吹き 花の涙に濡れる宵

満開は まあ来週かと 散歩人

彼岸桜 まあこれでもと スマホ、ピカッ!

人の手に 移りし 生家を 見ず帰り

山裾に 雉の声して 花線香

遅き彼岸に 手向けし花 生き生きと

病得て わが師は 花のこの時に

幼子訪ねし猫 今は天国に

黙々として嫁菜摘む 空に雲なし

蕾膨らみ 霞棚引き 人は微笑む

振り返らずに ただ前を向いて 歩いて行こう

済んだこと 又いい人に 出会えるさ

進級の 孫の背伸びて 家内負け

行く人の 顔緩みたり 春陽差し

校門に スマホ並びて 巣立ちたり

早や彼岸 畑に人の 数増えて

床に臥す 見舞いに届けし カステーラ

カバン置き 桜の寺の 縁日へ

花の下 きみ焼きし卵 に ウインナー

花散りて きみも彼方に 消え去りぬ

花よ花 なぜ悲しきに 咲き誇る

花びらよ 浮きて何処(いずこ)に 流れゆく

花の名を 持ちし彼の人 今何処(いまいずこ)

廃校に 今年も咲くは 大枝垂れ

桜かと 見紛うほどの 枝垂れ梅

あの頃の 桜の下にて 待ちし人

い抱かんと 寄する花影 朧月(おぼろずき)

紅枝垂れ (くぐ)れば きみの 家が見え

大枝垂れ 春風 裾を 裁きかね

早や弥生 桜とともに 大欠伸(おおあくび)


逝きしひと 若き笑顔で 微笑みぬ

黒鳥(くろとり)の色こそ(ゆえ)の冬陽射し

水底(みなぞこ)(うお)(めざ)むる 陽差しかな

ジョギングの 過ぎ行く彼方に 春立ちぬ

叩けども 桜の幹は深眠り

行列の後ろは此処(ここ)との持ち看板 (人気店前にて)

屋台人(やたいびと) 雨に(たた)られ思案顔

屋台前小銭落とせし幼き子

人通う 屋台の影に 鉢の僧

宝くじ 列にはセレブの影見えず

撒く豆を 思わず口に わび住居(ずまい)

饅頭の 湯気もうもうと参詣道

遮断機の下りて足踏み寒き朝

裏側で 夏堪能とツアー客

山茶花を目白散らして竹箒

寒風の畑に大根葱白菜

福あらば 誰も頼らぬ 福の神

行く末を思わずきょうをただ生きん

スーパー混みて 鍋にするかの声しきり

冬曇り 貯まる洗濯 早や三日

帰り際 施設の母は 微笑みて

介護する 妻の腕をば ただ擦り

寄る年に 恵比寿の宮も 遠拝み

返り来ぬ 年賀のメールに 気も失せて

寒かろう 野に住まい居る 者たちよ

寒風に 鴉の声も 遠ざかり

初春を 寿ぐわけなし 山の鳥

浮世人 飛ぶ賽銭に 願いかけ

陽を眺め さて何目指さん 初春に

初春に 糸まき閉めて 祝い謡

初春の 願いも空し 破り札

初春の 明けを待たずに 人逝きぬ

初春の 声の便りに 餅焦がし

初春の 風過去の日を 吹き飛ばし

四足の 友逝き寂し 柚子の風呂

降る雪に 想うは幼き あの年の瀬の夜

若き父は 手ぬぐい頭に 杵振るい

杵の音 セイロの湯気に 丸め餅

裏白を 山分け入りて 取りしあの頃

初春とは 捲れば明くる カレンダー

辛き世に 希望の言葉は 見当たらず

句会とは 日々の苦海の 波の泡

降る雪に 道凍るなよと つぶやきぬ

はや師走 時も走りて 追いつけず

風吹きて 寒い選挙に 笑うは誰

ぼんぼんや セルブの国会 庶民無視

国会で 大阪のおばちゃん もの申せ

学生の 候補者 出れば変わるかも

もうそろそろ ネット選挙に してみては?  

我が孫は 大きくなりて 離れゆき 

抱き上げて 頬ずりしたいが 他所の孫 

彼女が言った あなたになら出来るわ

今まさに 此処にいるわと 幻が

また逢えるんだ あなたに ありがとう

何をやっても 可愛い人 あなたのこと

来てね あなたの髪が 揺れた

身は縛られても 心は自由 嬉しい

窓越し 揺れる瞳に さよならを

髪白くても 心に若き 恋心   

もてぬはず 心若きも しおれ顔

暮れ入りて 百舌鳥の呼ぶ声 もの哀し

稲穂干す 暮れの梢に 群れ雀

秋の畑 人ひとりなく 暮れ入りぬ

橋の上 顔顔顔も 今は無く

秋の暮 顔見えぬまで 遊びたり

籾の火に 芋潜ませて 遊び入り

刈りた穂の 匂い懐かし 過ぎし日よ

古寺裏の 刈し田んぼに 煙り富士

今頃は 飛鳥の里にも 籾煙り

稲刈れば 柿の葉陰に 百舌鳥の声

稲穂揺れ 風も黄金に 色付きぬ

青空に 秋風舞いて 笛太鼓

子が騒がしきは 幸せなことなり 未来の宝

栗蒸して 青いミカンの 運動会

それはもう 孫なき人は 寂しかろ

会うたびに 大きくなる孫 少し寂し

孫来ぬと 聞き週末の 愛想なや

見えぬまで 孫の姿を 見送りぬ

五つ月の 命を終えて 消えし鈴虫

鈴虫の 声消えし箱に 残るは枯草

手を合わし 朝日に祈る 検診日

彼岸なり 陽は真東に 昇り給いぬ

百日草 もう片手には 香煙り

窓に射す 朝日も柔き 彼岸かな

切なきは 添い寝の夢に 覚める夜半

虫鳴きて 我一人寝の 月の庵

我が想い この秋とともに 深まりぬ

風土病 名を越え 世界に広がりぬ

山ブドウ 今まで何処に なぜ此処に

夕暮れに 湧きし蚊トンボ 今いずこ

網近し トンボ払いて それ逃げよ

我見たり よくぞ残りし 銀ヤンマ

西方の 茜に染まりて 来しトンボ 

大陸の 秋の使者なり 舞うトンボ

先人の 思いを脊負いて 立つ舞台

華やかな 舞台の影に 積む稽古

沸き起こる 拍手に胸を 撫で下ろし

息き詰めて 舞台の脇に 出を待ちぬ

垂れ幕の 表と裏は 静と動

プログラム 握りて待つは ベルの音

祭り過ぎ 身に秋風が 沁みにけり

夜も更けて だんじり小屋の 戸を閉じぬ 

だんじりの 通る梢に 高き月 

夜に 戸板を閉めずに 待つは誰

そんなにあたしが好きならば ヨサコイ 夜さ来い 家に来い!

馬鹿だなあ 当たらないから キャリィ・オーバーするんじゃん!

あの人は 希望の灯り 消えないで

運命など 信じぬけれど 今の僕

この世には 貧しき人と 富める人

もの想う 窓の灯りを 虫打ちぬ

指の蜘蛛 眼こ揃えて 我を見ぬ

もの想う 月をよぎるは 流れ雲

鳴く虫に 車の音も かき消され

秋暮れて 野に騒がしき 虫の声

虫鳴きて 月悠々と 出でにけり

中秋の 空澄み渡り 月悠々

名月を 寝過ごしたりと 悔やむ朝

一瞬に 渡りしみ霊よ 安らかに

穏やかな 月見の後の この惨禍

山津波 寄せて明けても 止まぬ雨 

恐ろしき 風雨の郷に 住いとか

黒雲の 彼方に閃光 耳閉じぬ

花散りて 逢瀬もいつか 秋の月

秋の野に 離れぬこの人 うちのもの

早うこれへ 枯草の上にと 見るは月のみ

萱の野に 月に隠れて 抱き寄せぬ

み吉野の 桜なおさら 秋の月

打ち寄せる 波が琴弾く  須磨の秋

裏山に 栗落つる音 秋の月 

コオロギの 声も侘しき 柴の庵

月よぎる 雁の行方や 秋の縁

さて次は 笛を聴ききたや 月の宴

盃に 月を映して 飲み干しぬ

管弦の やむ宴の間に 虫奏で

秋風に 水面の月も 揺らめきて

わが君も 蝦夷の里で この月を

秋の夜の 爪音哀し 想夫恋 

月冴えて 聴く琴の音も 嵯峨の秋

月そらに 菩薩の如く 輝けり

幾千年 人この月を 愛でたりや

木の梢 かかりし月は 都にも

十五夜の 月綺麗よと 窓開けぬ

月冴えて 買い忘れたり 団子餅

嫌だ 私は私の 着たい服き・る・の!

痩せたいけど でも食べたいのよね このスィーツ

イヤなバイト でももう少しで 服買える

あいたなら 私の心から 消えちゃって

さみしいなあ また人恋しくなる 秋が来た

同じよに 世に尽せしに この老後

和やかに 手つなぐ親子の 微笑まし

一夜明け 何事も無きかのように 陽が射しぬ

つく法師 鳴く山の間に 秋の風

幼子の くろき笑顔に 夏の思い出

暁の 暗き目覚めに 見し時計

盆過ぎて 畑に蒼し 芋の蔓

夏野菜 終わりて 寂し畑の夕

桃終わり 葡萄に安らぐ 店主かな

待ちかねし 葡萄並びて 品定め

夏秋の 凌ぎの下に 暮らす日々

老し猫 どうやら夏を 超しえたり

鈴虫の まだ八月に 鳴き盛り

盆過ぎて 畑に転びしミニトマト

浜に帰りし浦島か 見知らぬ顔の里の人々

一人一人消えゆくひと 寂しくなるね 

施設に馴染みし母よ 良かったね

我が孫よ 辛抱することも 覚えなさい

愛を知る 人がどうして 殺し合う

一押しの ボタンに 消えた幾十万

一瞬に 残るは小さな影 二つ

手を合わせ 友よ許せよ この俺を

如何にあろうと 戦争だけは もう御免

若き人に 如何に伝えん この想い

悍ましや 黙りて語れぬ 生き地獄

戦場に 残せし友の 声今も  

また暑き 八月のあの日が来たり

恐ろしや 増えし 人の痛みが分からぬ人々

帆に賭けた 船乗りの夢よ 今何処

銀鱗の 底に遊びし わが兄弟よ

聴こえるよ 母なる海の 子守歌

我が母なる海よ 逢いに行くよ

孫の手を 思わず掴み 花火消す

やっかむな たかが小さな 子供じゃないか

あの人の メールにも 明るき光さし

御免なさい 二人で歩くのまだ無理よ

浴衣姿を見せちゃいたい 踊りも得意なこの私

花火の日 誘っちゃおうかな 恋メール

浴衣姿の女の子 そ知らぬ顔して 行っちゃった

取り組もう 貧困と 広がりつつある心の病 

他人事と 思えぬ 我にも孫ありて

女の子 無事保護されて 開けし梅雨

林海学校 津波来ぬかと 孫案じ

介護あり 供には行けぬ孫の旅

夏休み 孫度々に疲れ気味

金魚より ボール掬いに客多し

景品に 掬い名人 不満顔
 
台風それて 息吹き返したり 桃園主

ねえ師匠 この曲 僕にはまだ早いんちゃうん

咳すれば 預かり犬が ワンと吠え

隣りの庭花火 危なかしくって見てられへん

今も何故 戦い止まぬ この地上

車椅子 押して昔の 語り草

ミニトマト 残りし枝に 二つ三つ

初西瓜 鴉が先に ご相伴

いやこの茄子は 鈴虫の子の餌にて候

桃好きに いらぬ講釈 化粧箱

病棟に 別れし人の 無事なりや

隣人の 咳気になりて 洗濯日

真昼時 熱中症か 救急車

チャイム鳴りて 茄子昼飯に すり生姜

キリギリス 今は鳴かして 通り過ぎ

キリギリス 飼いて カボチャの花をやり

想い出の 蛍みせたや 孫たちに

この恋ならぬなら 供に私も 消えちゃいたい

咲け早く あの人が好きな 白い花 

逢いたやなあ 綺麗になって 彼の人に

節の度を 越さずに帰る 恋時雨

待ち人の メール途絶えて 空の梅雨

玄関に 可愛き声して 孫来たり

ああまたや 降ってきよった 行かれへん

袖振らぬ 降りそでふらぬ 梅雨のほのめき

蒼きトマトは熟せど 我が恋

ならぬ願いを い抱きて植えんや

弾き切れぬ 諦め斬れぬ 迷い撥

紫陽花の 咲いた晴れ間に また涙雨 

今日もまた 逢えぬ涙の 紫陽花の恋

響き合う 三味の音止みて 未練撥

降る雨に 風まで吹きて 逢えぬ日よ

蹴られても 死なぬ五月雨 如何にせん

終えし幼き魂よ 安らかに  

暑くなる 今年もまた 暑くなる

バドミントン 孫とラリーの 日暮れ時

歳かなあ 孫を娘の 名前で呼んだ

いい天気 おヒゲのきみも 気持ちいい?

差し出せば 苺を挟んだ指まで パクリ!

おチビさん 真っ赤な苺を 召し上がれ

今は逢える ただそれだけで 幸せなんだ 

遣る瀬無き 心抱いて 迷い撥

逢いたさに 遥かな道を 愚かにも

人知らじ 心の奥に 住む菩薩

道の蝶 花の上へと置きし人

桜の実 その甘くて渋くて苦き味

八重桜 散りて残りし さくらんぼ

椋鳥に 住まい追われし雀かな

鶯の 五月ともなれば 名調子

緑風に 鶯の声 冴え渡り

緑風の 柔らかき髪 吹き抜けて

ラベンダー 好きよと言いて 振り向きぬ

その唇に 挟まれたる苺の 羨まし  

逢い昇り ともに落ちたや 初夏の夜

恋のぼり 落ちて冷たき滝の水

休日に ただぼんやりと 鯉のぼり

よく見てね 鮒との違いは 口の髭

金太郎 よくよく見れば 女の子?

あるそうな 女の子にも 鯉のぼり

近頃は 屋根の下にや 鯉のぼり



<与謝野晶子(敬称略)に捧ぐ>
  
    以下八首

いにしえの 女神の如く 生きし人 

打ち震う 心のままに 身を委ね

胸に燃ゆ 心の春を 黒髪に

踏み歩む 強き心で 道遥か

涙して 歌の心を 悟りしか 

疎まれて 寂しき心に 寄せる波 

波音に 産声上げし 菓子の家

歌人の もの思いしか 松の影



竹の子を 貰うて糠の産湯かな

産声を あげて嵯峨野の 騒がしき

都では 筍食べんで何で春

待つ坂や まさかこんなに桜びと

難波人 花見も札の造り場で

花の波 抜けて 間もなく金勘定

たこ焼きを ほうばる髪に花吹雪

桜娘 八重に着替えて奥御殿

花の波 人の波との行き違い 

わかたけと旬の出逢いは味なもの

竹の子はぬかの産湯でみがきかけ

緋メダカ も上へ下への 春日和

鶯も 風邪をひかぬか 寒戻り 

冬将軍 負けじと春に 意地を張り

老し母 今更我が 頼りとは

寒戻り 木々の芽吹きも 止みし朝

時過ぎて 見る幻の 花の宴

一人身の 花見さびしや 石の坂

春風の 無情に吹きて 花何処 

若人の 騒ぎて目覚めし 春の朝

テキストを 今年こそはと レジに置き

彼の人の ために撒かんや 紅トマト

来る春に また甦れ われの身も

ちびっこの 身体を隠す ランドセル

蚊も起きて 殺虫スプレー 何処へやら

あちこちに 家立つる音 羨まし

春風に まだマスクをと 野暮にされ

鶯の 負けてはならじと 呼び返し

土に眠る 虫起こされて 鳥寄せぬ

春分の 種撒くこころに はやも夏

春一番 北に届けよ 希望の光

春一番 悲しみの地を吹き抜けぬ

春一番 待つ東北の春やいつ

風吹きて 眼医者の混みも春一番

春一番 卒業証書を奪いけり

春一番 よくもあの娘のスカートを

春一番 眠る桜を起こしたり

春一番よと 風 戸を叩きて ふれ回り

そのくしゃみ まさかクロよ お前もか

犬待ちて 話しも日毎に 長くなり

羽根音の 消えて久しき 春の野辺

入魂の 一声千里の 彼方まで

囀りの 後追う つがいや鳴かぬ羽根

鶯の 人真似音に 興もさめ

囀りの あの年の声 今もなし

初音聞き ほっと去りゆく 春の道

鶯の 何違えたか 鶉なまり

声比べ 軍配めぐりて もめにもめ

幻の 雉振り向きて 立ち消えぬ

鳴く雉の 声聴こえしは この辺り

山裾に 凛と響くは 雉の声

鶯の 声確かめし 朝かな

慈雨降りて 待ちし桜の 芽や覚めん

もう寝よう 明日ゴミの日 七時に起きなきゃ

金金金って 何でそんなにこだわるの 分けてあげればよいものを

すいすいと 思い通りに生きる人 羨まし

言い分はあったけど いいんだ 愛する人よ

妹よ 何も出来ない僕を 許して

何かを掴みたいんだ また落ちそうになる自分を支える 何かを

希望に見えたあの人 今迷ってる信じようかと

気が抜けた夜 外パラパラと雨の音

まだどうしても 好きになれない 義理の父

母待てど 気が重くなり 引っ返し

振り向けば 既にあの人 ドアを閉め

よろよろと 歩きし人を 追い越さず

ちらほらと 咲きし桜の 影日向

鶯の 歌を忘れて 鵯に媚び

逢いに行って 何を得たのか 春の午後

誰か 言葉をかけてよ でないと 僕

たった一人でいいから 信じあえる人に逢いたい

希望よ 早く僕の心に来て 忘れないうちに

もう鏡は見ない あの僕は何処へ

桜が咲いて どうなるの 春が来たって どうなるの

明日行こうよ ね そしたらきっと

あの人も ただの人間なんだよ だから

僕の心よ 人が嫌いにならないで 人が嫌いにならないで

テールランプが並んでて その間にポツンと僕が居た

遠い遠い闇の中を 小さな小さな灯りが行った

明かりを消しても 布団を被っても 心よ眠れ

ああ気い悪る お金って 嫌だな

花よりも 焼肉頬張る ちっちゃな手

指抜けて また落ちちゃったね タンポポさん

春の陽を 浴びて微笑む よちよちさん

春来たよって ちっちゃな君にも わかるかな 

彼のひとと 心の春を 待ちにけり

春の波 光りて 小鴨にゆうらりと

新緑や 空舞う緋鯉の一飛沫

われ始む 花待ち時に 慣れぬ琴

真似芭蕉 言葉の白湯に 小梅入れ

飲んべえの 句にならずとも 旨い烏賊

風邪引き手 待つ老母の 涙かな

三味の音の 桜の詩も 浮く日和

うたた寝の 葦も伸びるや 猫の夢

まさかとも 桜の宮の 雪景色

咲く花を 街ゆく人の春衣装

霞み来て 久米仙人の 咳聴こゆ

鶯の 音色も怪しき 固蕾

花の縁 あの虚無僧の 影何処

お互いに 歳重ねしと 桜木が

歌姫の 今年も舞うか 花舞台

遅咲きの 梅背かれて 泣きの雨

桜木を 揺らす目白の 声高し

七重八重 難波の空に 爛漫と

花天井 綿菓子を手に 肩車

 
(恥ずかしながら また出来次第 筆者 )

花籠/ 俳句の真似事集

花籠/ 俳句の真似事集

  • 韻文詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-03-06

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