いつもと。
続きものです。
今日は回想シーンというかんじです
高校で良い恋愛がしたい。女の子に共感してもらえたらいいな。
毎日なんだかんだ楽しい。
周りの環境にも恵まれている。
充実した日々をすごしている。
しかしそんな充実した毎日とは
また別のなにかが
足りないような気がしていた。
なにか物足りない
なくても充分幸せだけど
なにかが足りない
満たされたい
そんな漠然とした なにか が心に埋まらないまま。
中学3年の春休み
卒業式はもう終わった。
二週間ほど前のこと、ひたすら切なくなって
涙がこぼれてた余韻の日々も去って
少し落ち着いてきた頃。
高校は県立。滑り止め。
参山詩帆 (みやま しほ) 16歳
この春休みの空白な時間が
物足りない、退屈な時間になっていることが嫌だった。
しかしその物足りない なにか がぽっかりと
わからないままに日々はすぎていく
高校入学 2週間前。
「詩帆〜!5日ぶり!」
玄関のドアが開いて迎えてくれたのは
中学時代仲の良かった友人、
「恵美香〜」
「おじゃまします!」
恵美香の部屋でくつろぐのは
月1ペースになっていた
「ねー詩帆、斉藤とはどうなったの?」
ポテチを開けながら恵美香は聞いた
「えーどうもなってないよ。」
「あれからまたアプローチされたんでしょ?」
「うんー、でも、もう卒業だしって言って断ったよ」
「やっぱりそれっきりか…。斉藤可哀想に〜」
「私復縁とか考えられないからさー。
よく同じ人をもう一回好きになれるよね。」
「なにそれ、詩帆の切り替え力がすごいんだよ(笑)」
ポテチを運ぶ手は止まらずに
ガールズトークは突然始まっていく。
斉藤は詩帆の元カレだ。
斉藤義也 (よしや)
一年前の中2の春休み頃に両思いで付き合って
半年たったころに突然終わってしまった。
あれからというのはクリスマス。
義也がまた詩帆に好意をよせたが
詩帆が拒否。
最近も同じことがあったようだ
突然何事もなかったように別れてしまったわけも、
本当のところ、恵美香は知らない。
詩帆がかたくなに義也を拒む理由も
納得のいく理由はわからない
詩帆と義也にしか、わからないことだった。
「‥私たちも高校生か、早いね。」
詩帆が切り出す
「ねー!良い出会いがあればいいなー!」
「あるよ、きっと。出会い自体は」
「あ〜その出会いをものにできるかどうかってこと?」
「恋愛だけじゃないよ、色んなことに対して!
良い出会いを無駄にしたくないなあ。」
「詩帆って考え方大人だよね!」
「そう?」
「うん!高校の出会いに期待だよねー!」
「今までにない充実があると良いんだけど。」
恵美香とそんな話をしていたのが懐かしい
高2の夏。
海にきていた
午前10時
ひとり海岸線に立つ少女の頬に
冷たい雫が流れている。
こんな高校生活が待っていたなんて。
to be continued..
いつもと。