銃を撃つ

銃を撃っている
天井もドアもない部屋で
ただ銃を撃っている
撃つ度に腕が震えて
残留した痛みが存在を訴えてくる

人型の肉を撃つ
すると時間が切り取られたように
ばすん
穴が空く
苦しそうだ
一体誰の仕業だと思う
この部屋には僕しか居ないから
ああ、僕か
無理なタイムラグで気付く
しかし
あれこそが運命という生臭いものが生んだ
哀しくも哀しくないものに過ぎないのである

銃口の奥に広がる意識は収縮し
弾けて
綺麗な火、命の輝きを以て
敵に向かって銃弾を放つ
それだけのこと
他に何かがあるとすれば
ただ一つ
魂が届くまでの永遠
ヒトが考えること
それは紛れもなく
敵を淘汰するという事のみ
という事だ

銃を撃つ

ありがとうございました。

銃を撃つ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-24

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