『 I can not line up,can notZur Farbenlehre 』

『始まりは雪の日』

外は一面真っ白、白い背景で埋め尽くされている。
あぁ、今日みたいな日はとても寒い、なんでも天気の良い日は心理的にも穏やかだが、今日のように寒い日は人を殺したくなるとかならないとか…??
雪の粒は大きいからそれほど積もらない…
しかし、雪は止みそうにもなく、振り続ける。
『へルタースケルター』の音楽を聴いて人を殺したくなる…という人もいるんだから、今日みたいな日に人を殺す人がいてもおかしくはない。
外を歩いてると、サイレンが聞こえて、雑踏の渦、ビルの前に人だかりが出来ている。
どうやら、きょうかいの前にカラスが大量に群がっている。
『I'm going to kill this world from you,I'll make Destiny Bond!!』と血文字で文字が掛かれてあり、棺桶の中に血まみれの人の影が見えた。
そして、倒れている人影を囲み、警備員が囲っている。
『警察は呼んだのかっ!』
『どうせ、自殺さ!死ぬのなら、ひっそりと死んで欲しいね。
今日もこれだけの騒ぎになれば道路は封鎖しなくちゃならないし、余計な仕事が増えるだけ…最後まで迷惑な人種だね。』
『取り敢えず、ここ布で隠すから倉庫から布持って来てくれ』
『この間自殺しにきた仏さんさ。4階から飛び降りたとしても、死ねるわけないだろう。死ぬ気があるならせめて確実に死ねるようにしたらいいのに…』
『助からないのか?ここで死んだとなればしばらく不動産価値が下がるから…救急車を呼んで間に合うならせめて救急車の中で死んで欲しい????』
『もう、無駄さ、確実に息の根が止まってる。』
警備員はカラスを追い払う為に、松明を持ち、振り払う。
しかし、それさえも虚しく、カラスの量に人間が太刀打ち出きず、腐敗したそれにカラスは群がるのだ。
棺桶の蓋を閉めてやりたいが、現場保存の関係で出来ない。
仕方なく、テントを張り見張るのだが、雪で太陽が影を潜めている。
鏡を置いても光は反射せず、松明を持つ警備員は虚しく松明を振るのだ。

『朝から凄い騒ぎね。現場保存されていないかもしれないから…現場検証の前に片付けて遺族に連絡をするようにとのことです。』と連絡が入る。

そうなのだ、今日みたいに背景が白いと光は遮り、光が反射するとこがないのだ。
うっすらと光り輝くものはカラスが全部失敬していったようだ。
奴が何の為に宝飾品や仏さんの爪についていたビーズの装飾品等を使用するのかはわからないが、とにかく、今日のような薄暗い雪景色でも輝く光沢感のあるものが奴も欲しかったらしい…。
仏さんの回りには沢山のカラスの破片が落ちていた。
警察が来て現場検証が始まった後も、会話が続いた。
『あの、爪についているのも取られた形跡が…』
『おそらく、カラスでしょう。光沢感があるものが好きだからね、鳥は…、でも、鳥の羽採取しても仕方ない。遺書もあるからおそらく自殺でしょう。今日みたいな雪景色で拝啓が白い、太陽も薄らと影を潜めている、そんな時に白い背景に原色色のカラーと光物があったら目立つんじゃない。』と言いながらみる。
『結局、雪だから自殺日和じゃないね。どうせなら嵐の日に死ねばよかったのに、そしたら、カラスを追い払うのに松明を振り回す手間も省けるのに、それに、自殺するんだったらあんなネイルしてたら…カラスに群がってくれ…と言ってるようなものでしょう。』と言う。
『じゃぁ、どんなネイルをします??そもそも、自殺する時にそんなこと考えますかね??』と言うと、「そうかしら…この文字を書く位なんだから、計画的な自殺よ。何も、衝動的にビルの屋上から飛び降りた…病人に考えろ…と言ってる訳じゃないわ…第一、死にたいんだったらカラオケの個室ででも一酸化炭素でも焚いて死ぬ方が確実よ。死んでもすぐ発見して貰えるし、忙しい時間帯に入店しちゃえば2〜3時間は人来ないし、カラスに群がられることもないわ、最も、身内にはご迷惑な話だろうけど、自殺とかだった場合、今後気をつけて下さいね…で損害賠償も求められないわよ、もし、求められても生命保険が下りるでしょう。まぁ、単純にロープをドアノブに掛けて注文するという古典的な方法でドア開けた時に死ねる…とか方法なんていくらでもあるのに、なんでわざわざ、カラスに群がられる方法選ぶのかしら?ネイルも光沢感のあるトップコート選んで原色選んだら今日みたいな雪の日だとカラスが遠くからでも見つけて…と言ってるようなものでしょう。回りは白いんだから」と言った。
『そしたら、その爪も十分変ですよ。グレーにピンク…、肌白いと言っても、そこまで強いと浮いてしまいますよ。
てか、なんで、その爪で…、しかも、変な洋服を着てるし』
『誰が普通の洋服にこんな浮くような色の悪趣味なネイル合わせないし、!!私もオフがなくなったんだよーシフト変更で…、』
『そうですよね…、て、そういう趣味がおありだったんですか…ゴスロリ…じゃなくて甘ロリだったんですね…????』
『そうだけど、慌てて出てきたから、私服で急いで戻ってきたからこの服なのよね…せっかく、ネイルまでしてプライべートを楽しむ予定だったのに…つか、変な洋服…てそこそこ値段は張ってるわよ、一応レースもフランスのレースだし、cheapなコスプレでこんな外しネイルなんかやらないわよ。せめて、普ーーーーーーーーー通の洋服だったら、マーブルとか白とグレーを混ぜて色の濃淡をつけてグラデ―ションにしたりレース位描いて貰うわよ、ライン取りが出来ない…からレース無理…なんて言われたら拒否するしーシールなんてチャッチイことやんないわよ、ビビットピンクの甘ロリだからこういう外し色が似合うと思ってやったのに、てか、そういう洋服を売ってるとこ付近だったらわりとやってくるし、』と言った。
『でも、以外ですよね…、実はそういう趣味があったんですね、私服…て普通スーツとか着るからプライベートの洋服も新鮮です(・_・;)』
『あ、だけど、私服のオフじゃない普通の洋服の時にそんな外しネイルやる程、悪趣味じゃないからね!』
『確かに、いっつも、地味系ですよね。てか、その色の組み合わせでつけてきたら、それこそ、どんな感性か心配になりますよ~あなたの肌の色は透明ですか…とか突っ込みたくなりますよ。白背景なのになんでそんな浮くことやる必然性あるんですか?』
『取り敢えず、もう一度、片付けて身内の方を呼んで引き取りをしてもらうかどうかと言ってるんですけど、どうしましょう??後、余計なお世話かもしれませんが、その洋服…後、5分したら洋服屋開くから着替えてきた方が良いですよ…(・_・;)本部から人が来るようですし????』とあかりが付き人が出入りし始めたビルを見た。

『 I can not line up,can notZur Farbenlehre 』

『 I can not line up,can notZur Farbenlehre 』

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-23

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