鑑賞記録-プレス×真っ赤なきんぎょ合同公演「恋する水中遊園地」より
淵野辺にある桜美林大学徳望館小劇場にて観劇。プレス「しにみずをすくう」と真っ赤な金魚「水草と私」による二本立てオムニバス公演。
“恋愛”をテーマとして根幹に据える。四方客席で囲まれた何もない空間において、見落としがちな日常の一風景が投射され出現する。あるいは詩的で私的な言語でもって、“恋愛”という漠然で強大なテーマへと果敢に挑んだ企画。古今東西、種種様々な恋愛ドラマが存在すれど、いやはやそもそもが感覚的でできているそれを具体的かつ的確に他者(この場合は観客とするか)へと伝えるは至難である。抽象がゆえに、感受する印象は幅広でのみ込まれやすい。抽象を支えるのは、とにもかくにも具体であると改めて認識する。強靭な具体が抽象を浮き彫りにするのである。
鑑賞記録-プレス×真っ赤なきんぎょ合同公演「恋する水中遊園地」より