月祈-つきおり-

月祈-つきおり-

蒼い空と白い雲の中 月が泣いた 
真珠のような雫を流して 君は泣いた

理由を聞いても答えてくれず
ただ見ている事しかできない自分が憎いよ
壱-弐-参-四-五-六 指折り繰り返す

「漆黒の暗闇と淡い色の月は まるで私達のようだ」
いつしか君に言ったこの言葉が
もう言えないなんて 悲しいよ
私の元へ帰って来ておくれ

蒼い空と白い雲の中 月が消えた
涙を流した次の日の朝 君は消えた

誰に聞いても行方が分からず
ただ狂い嘆き続けている自分が憎いよ
壱-弐-参-四-五-六 指折り繰り返す

「朝がやってきたらこの海を渡って たくさん話をしよう」
昨晩君に言ったこの予定が
もうできないなんて 悲しいよ
君の元へ会いに行きたい

蒼い海と白い漣に 身を委ね
探し求めていた人を見つけ 私は泣いた

月祈-つきおり-

「蒼い海と白い漣(さざなみ)に…委ね…泣いた」とありますが、これはつまり「自殺」です。
そして、死後の世界へと逝った男は亡き女と再び会うことができた。
よくあるパターンではありますが、結局二人は亡くなってしまったわけですから、幸せと言えるのか?
という問いかけにアナタなら何と答えますか。

月祈-つきおり-

平安に生きる人たちの恋愛をイメージして書きました。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-18

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted