僕に聞いてよ

君は奴を嫌いだって言ってたのに

君は楽しそうに
奴とおしゃべり

随分仲が良いんだね…

奴が本当に嫌いで
イライラして
どうしたらいいかなって
僕に聞いていたのに

好きな人を
いじめたくなるとか
そういうやつか…

ひそひそと
あんなに近づいて…

…僕の悪口?


そう…
君はそうやって
誰かの悪口を言って
助けを求めて
あなたを頼りにしてるって
僕たちをその気にさせるんだね


―――――――――――――――


「いっつも
 どうやったら仲良くなれるかなーって
 相談されてて」

お酒の席で酔っていたのか
奴が笑いながらそう言った

君は頬を赤く染めて
僕をちらりと見た
戸惑いを隠せない様子で


僕のことを知りたくて…?

そんなこと…




奴なんかに聞かないで


僕に聞いてよ


僕は初めて君の瞳を見て
優しく微笑み返した

僕に聞いてよ

僕に聞いてよ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-18

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