ホントのキモチ

私は、男が嫌い。女も嫌い。そもそも人間が嫌い。
だって人間って、見た目とか噂だけで判断するじゃん。
そんなので今までどれだけ辛い思いしてきたか。
だから私は、ちゃんと自分が好きだって思える人しか信用しない。
これは、どれだけ時が経とうと変わらない。

私、伊藤千晃は、今日から高校生!
スクールライフ、Let's enjoy!

…なーんて思えるのは純粋な女の子だけで。

私は春が嫌い。出逢いが多いから。

だってめんどくさいじゃん。


「はい出ました伊藤さんの話しかけんなオーラ。」

「あ、出てた?」

「なに言ってんの、四六時中ですよ。」

「ばれたー?」


なんてケラケラ笑うこの綺麗な子は、私の唯一の理解者、宇野実彩子。
小学校からずっと同じで最初は嫌いだったけど、色々あって今はほんとになくてはならない存在。


「かわいー。同い年かな。」
「めっちゃかわいいあの子!やべー惚れた。」
「かわいいねー、あのちっちゃい子。」


は?ちっちゃいは余計だし。
周りから聞こえるひそひそ話に思いっきり顔をしかめた私に実彩子が突っ込む。


「はい顔怖いでーす。」

「宇野ちゃん、何キャラ?笑」


なんて言いながら学校に入り、クラス表を見る。

んー見えないっ!こういうときイライラするんだよね、この背。


実「あ、うちら同じクラスだ!やったー!」

千「まじー?うれぴー。」

実「うわ棒読み。」


怒ったふりをして私から離れた実彩子が、誰かにぶつかった。


実「わっ…」

「あ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」


…やだな実彩子ったら。まったく。
顔が赤いですよ。あれですか、一目惚れですか?


実「だ、いじょうぶです…」


実彩子にぶつかった人たちには興味なかったので、私はクラスを探す。
おーあそこか。人たくさん。行きたくねー笑


「君たち、新入生?」

実「はい。」

「あー同じだ!何組?」

実「2組!」

「おー同じ!すげー笑
これからよろしくー。俺は日高光啓。」


さっそく仲良くなっちゃって。笑
相手も顔赤いぞ?ん?顔ほんのり赤いぞ?これはもしかして、恋の予感?
みたいな顔してますよ?おふたりさん。
まあ実彩子かわいいからなあ。


「君は?」

千「え?あー…」

「名前。」


教える必要ないし。と思って目を逸らすと、すかさず実彩子が耳打ち。


実「千晃、今だけ演技!お願い!」


いやね、そんな顔で言われたら誰も断れないでしょうな。


千「…伊藤千晃です。」


できるだけ明るめに言う。


光「千晃ちゃんか。じゃあちあちゃんかな。」

千「あ、はあ…」


ちあちゃんなんて初めてなんだけど。てか可愛すぎでしょ。笑


光「な、実彩子でいい?」

実「うん!いいよー!」


はい出ましたあ。初対面で呼び捨て。
面白いなこいつら。


「あのさ、俺もいるんだけど。」

光「あ、ごめん。忘れてた。笑」

「おい。笑」


なんだ、もうひとりいたのか。全然見えてなかった。
(いや見ようね?周りを。笑)


「西島隆弘です。」

光「俺ら小学校の時からずーっと一緒なんだよなー。」


あ、そういうの興味ないので。
心の中で軽くスルーする。
てか日高?実彩子のことしか見てないし。
実彩子も日高しか見てないねえ。これはもう恋だねえ。
実彩子と日高を見比べてると、日高がこっちを向いた。


光「ちあちゃん、なにその顔。」

千「へ?」

実「なににやにやしてんのさ。」

千「え、別にー?笑」


ごまかすと、日高はなんか疑うような目で私を見てる。
なんだよ気持ちわりーな。見んなし。


実「ね、ふたりのことはなんて呼べばいい?」

光「んーそうだなー。俺は女子からは日高君とかだっちゃんとか呼ばれてるよ。」

隆「俺はにっしーとかかな。」

実「じゃあだっちゃんとにっしーで!
千晃はー?」

千「あ、私はたぶん名前呼ばな…


いと思う。
と言おうとしたらまたまた実彩子が耳打ち。


実「千晃ー!!!」


顔が怖いね。うんごめん、わかったよ。


千「じゃあ私も実彩子と同じで。」


よーし決まりっ!
と日高…だっちゃんが大きい声で言って、私以外の3人は教室へ入ろうとしてる。
そーっと抜けだそうとすると、やっぱり実彩子が気づいて、私は半ば引きずられるような感じで教室に入った。

席は、なんとあのふたりの隣。
最悪だああああああorz
実彩子とだっちゃんは仲良く喋っちゃって、私なんか蚊帳の外。
まあ別にいいけどさ。帰りは実彩子といれるんだから。

と思ってたら隣から声が。


隆「あいつさ、絶対宇野ちゃんのこと好きだよね。」

千「え?あー、うん。実彩子もだよ。」

隆「だよなー。さっそく両想いかよ。笑」


苦笑いしながらふたりを見てるにっしー。


千「…まさかあんたも実彩子好きなの?」

隆「へ?いや違うよ!俺綺麗系より可愛い子がタイプ。」


いや聞いてないしね。


隆「ちあちゃんのほーが好きだなー。」


へー…って、は?


千「はい?」

隆「え?」

千「え?」

隆「ん?」

隆千「え?」

ホントのキモチ

ホントのキモチ

AAA 小顔赤姫&唇王子の恋愛小説でふ(*´゚∀゚`* 一応ハッピーエンドにしたい…かな笑 橙×赤Love

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-16

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