振り向かせたい

好きな人がいる。


ある日、窓辺に降り立った小人が私に言った。


『どんな夢を叶えたい?』


私は迷わずに


『好きな人を振り向かせたい』


と答えた。


小人は満足そうに頷いてケケッと笑って消えた。


きっと私は好きな人に振り向いてもらえるようになったんだ。


明日からはもう少しアピールしてみよう。



朝になり登校し好きな人が廊下を歩いているのを見つけた。


小走りで近づき、制服の裾をぎゅっと握ってみる。


握ったところから制服は腐り徐々に着ている本人も腐り始めた。


じわりじわりと腐っていき、私の目の前で好きな人が朽ち果てた。


誰もが動きを止め私と朽ち果てたそれを交互に見た。


背後からケケッと聞こえて私の視界は暗転した。

振り向かせたい

振り向かせたい

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-15

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