声 蘭×拓
当たり前の日常にある「声」に、ときめきをミックスして書いてみました。キュンとしてもらえると嬉しいです♪
白いシーツの上でボディークリームを手に取り、練習で火照った脚にひろげていく。
甘い香りにそっと目を閉じた時、携帯が震えた。
『よお、神童。』
「霧野か。どうした?」
返事を待ちつつ、ボディークリームのふたを閉じた。
左肩で携帯を支え、耳に押し当てる。
『どう…って訳じゃないんだけどさ。何となく声が聞きたいなぁ…なんて。』
ついさっきまで一緒にサッカーしながら話してたじゃないか、とは言わない。
「奇遇だな。俺もそう思ってたところだ。」
『そうか。ホント気が合うな、俺等って。』
心なしか霧野の声が弾んだ気がした。もしかすると俺の声も―――?
もっと声を傍で聞きたくて、携帯を右手に持ち替え、目を閉じた。
『どうせ話すならさ、』
コツン、と窓に小石か何かが当たる音がし、そちらに歩み寄る。
『隣で話さないか?』
窓の外で、私服の霧野が手を小さく振っている。
俺は玄関へと駆けだした。
当たり前だ。もっと近くにお前を感じたいからな。
声 蘭×拓
腐作品を公の場にあげるのは始めは少し抵抗がありましたが、書いていくうちに「もっとここをこう…」とか。「もっと静かで綺麗な感情に…」とか思っているうちに抵抗は無くなり、同じ胸キュンポイントを持つ人をときめかせられる作品にしよう!と思えました。
これからも機会があれば、あと発想があればこうした作品をあげてみたいと思います。以上、あんこの初腐作品でした!