ヤツを探して

ヤツを探して

ある日、俺は我慢できなくなってヤツを探しに街に飛び出した。

あんなヤツをまだ信じているのかと誰かの声がする。

誰も信じることができなかったこの俺が
ただ一人信じることができたのはヤツだけだった。

壊れた扉の向こう側にヤツがいないかと
探したがそこには誰もいなかった。

人の気配に振り向くとそんなヤツは初めからいなかったんだと
老婆がひっそり笑ってた。

違う。ヤツは確かにいたんだ。
俺は涙を流し、悲鳴に近い叫び声をあげた。

そう、ヤツは確かにいたんだ。
誰も信じることができなかったこの俺がただ一人信じることができたのが
ヤツだけだったんだ。

そして、今日も俺は街を彷徨う
ヤツを探して。         
 (了)

ヤツを探して

ヤツを探して

俺は我慢できなくなってヤツを探しに街に飛び出した~

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-13

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