ネクタイ

ネクタイ

「しつこいと警察呼ぶぞ!」  
 肩を押され、俺がよろよろと尻餅をついている隙に、 激しくドアが閉められた。
 みじめだな。
 美穂の家をあとにしながら、 最後に会った日のことを思い出す。
 
「綻んでるよ、私にまかせて、裁縫得意だよ」
 美穂はネクタイを大事そうに受け取り笑った。
 交際二ヶ月間とはいえ心が通いあっていると信じていた。
 
 が、それから連絡不通になったのだ。
 
 彼女の自宅を訪ねてみる。
「誰だ?」
 不機嫌そうな中年男が顔をだす。
 「娘は男と家を出ていったきり帰って来ない」
 唖然として色々尋ねていたら、突き倒されてしまった。

 駅前で見上げると青空が広がっていた。
 これからどうする? 
 少し考えて、新しいネクタイを買いにいくことにした。
 (了)

ネクタイ

ネクタイ

「しつこいと警察呼ぶぞ!」 肩を押され、俺がよろよろと~。 スキップの続編です。失恋って物悲しい。

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更新日
登録日
2014-02-13

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