戦々恐々

戦々恐々

戦々恐々

大量の雪が降った。
雪国生まれの人間からすればたいしたことない雪の量かもしれないが、生まれも育ちも西のほう、こっちに来てまだ数年というひよっこに雪は厳しい。

一番困るのはダイヤの乱れだ。降った当日は休日だったからよかったものの、休み明けになっても路面はまだ一部シャーベット状態で自転車の運転は危険極まりない。
しかも目的地は急な坂の上、山の中だ。安全を取ってバスで出勤することにした。

バスを降りると、そこはいまだにあちこちに雪の残る世界だった。
同じ市内とは思えない。
生活道路は雪かきがしてあったが、そこをさらに登って行った職場までの道は路面が凍り、歩きでも滑りかけた。自転車などでこんな時に来ようものなら大転倒をやらかしかねない。

雪かきの手が必要か、と思っていたら「留守番よろしく」と電話番を頼まれてしまった。
そうかもしれない。男手でもなく、仕事場の保守は本来の仕事でもない。そうなると、あちこちからの連絡待ちのほうが自分に向いているのだろう。

午後になり、太陽が少しでも出てくるとだんだん雪は溶ける様子を見せだした。次の出勤は自転車でも大丈夫そうだ。

そして次の出勤は無事に自転車でできたのはいいが、また雪が降るという。しかも平日に……。
バス定期はとっくに切れているため、一回の通勤でかなりの額が落とされると思うとその点は痛い。ただ、自転車通勤で転倒したりして本当に「痛い」目に合わないように、安全には気を付けて気候に合わせて通勤しよう。

戦々恐々

戦々恐々

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-13

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