【Dream】
「あ、あ、あた、あた、当たったーーー!」
あまりの衝撃で新聞を持つ手は震え、目は宝くじの、当選発表の欄にくぎづけになったままだ。
宝くじ。そう、「ドリームウインター宝くじ」の一等が当たったのだ。この宝くじを買い続けてはや4年、私はこの時のために買い続けて来たのだ!
もうビールでも飲みたい気分だが今は受け取りに行かなくてはいけない。車のキーを取りコートを羽織った時、ある疑問が生じた。家内はどこだろう?私は妻と娘の三人暮らしのはずだ。
まぁ、この際どうだっていい。とりあえず受け取りに行こう。
はや歩きで玄関まで行き、ドアに手を掛けた瞬間、耳にベルの音が鳴り響き、視界が歪んだ。
***
目覚まし時計を止め、深いため息をついた。ベッドから身を起こし、着替えている最中、ひとつ、呟いた。
「まさに『ドリーム宝くじ』だな。」
【Dream】