11歳の夏

おーい
声をかけたままテトラポットから落ちた
頭から出血
タオルを巻いて
かあちゃん病院代と言うと
その場にへたり込んで
馬鹿が何して
この馬鹿がと
馬鹿の連発
馬鹿は前からわかっとるわい
早よう病院代
そう言って
自転車に乗って
泉田病院へ行った
看護婦さん
やさしかったなあ
看護婦さんみたいな
かあちゃんだったらなあと
思いながら
気を失った
気がついたら
この馬鹿が
この馬鹿たれ
の声が耳元で聞こえた

11歳の夏

11歳の夏

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-11

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