召喚士と十二の召喚石【提案】

召喚士と十二の召喚石【提案】

長かったわりに短いです。


 「・・・・もう一度、よろしゅうございますか?案内をお願いしやす。」
 だが悠の返事は変わらなかった。「無理。」と、一言だけ。
 「あたしを選んでくれた心遣いは嬉しいけど、いろいろと忙しいからね、最近。」
 疑うような目つきでじっと見てきたが、諦めたようだ。後ろを向くと、何も言わずに去っていった。
 何も聞こえなくなり、悠は一息ついた。
 「緊張したか?」
 ふわっと風のようにアクセリアは姿を現せた。
 「そりゃそうでしょ・・・転校生だし、悪魔の可能性があるんでしょ・・・?」
 ふん、と鼻で笑った。そして手際よく弁当をランチマットで包み、階段へ向かっていった。
 一人、アクセリアは屋上に残った。
 (アスモデウスは昔から、何を考えておるか分からんな・・・今度は何をするつもりなんや・・・??)
 しばし考え込むが、諦めたように途中でふっと姿を消した。


 教室に戻った悠は唖然とした。クラス中の人間が色葉の周りを取り囲み、悠をにらんできたからだ。
 「お前、色葉さんのお願いを断ったんだって?」
 まさかの、ジンが怒った口調で話しかけてきた。
 しかも、いつもは「悠」と呼び捨てなのに、「お前」と呼ばれたのだ。
 たちまちクラス中の人間が悪態をついてきた。
 そんな中にも関わらず、中心にいる色葉は微笑んでいるだけだった。
 (明らかにこれはおかしいよね・・・)
 答えは一つ。
 (アスモデウスが操っている)
 悠は、その一つの答えを導き出した。
 「悠さん」
 はっと顔を上げると、すぐ目の前に色葉の顔があった。
 「私は、その件についてはなにも怒ってなんておりません。ただ」
 いったん言葉を切ると、また優しげな笑顔を浮かべた。
 「友達になりたいだけですわ。」
 「・・・はい?」
 どこかでアクセリアの足を滑らせたような音が聞こえてきた。


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召喚士と十二の召喚石【提案】

不定期更新スタート。

召喚士と十二の召喚石【提案】

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更新日
登録日
2011-10-29

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