東京都知事選2014
猪瀬直樹都知事の突然の辞職からひと月。
東京都知事選の火ぶたが切って落とされた。
今回は16人が立候補し、17日間の選挙戦が始まる。
そして運命の2月9日。
遂に新都知事が決定される日がやってきた。
朝7時から投票が開始される。
都民の意向は一体何処に向かうのか、いよいよ試される時間が来たわけだ。
私はおそらく午前11時半頃だろうか、確実な時間は不明確だが昼に投票に行ってきた。
雪道の中、投票所に向かったが、投票所に指定された小学校には数人の有権者が来ていた。
時間的に、来ていた人の人数としては妥当なところだろう。
丁度昼食の時間に当たっていたと思われるからだ。
応援している候補者を投票用紙に書き、投票箱に入れて帰宅する。
前日の大雪で、歩道はかなり雪が積もっており、除雪している作業員もいた。
だが、歩きにくいことままならないいので、除雪がある程度されていた車道を歩いていたら「歩道を歩いてください」と注意を促される。
まぁ本来人は車道を歩いてはいけないのだから、その指示に従い、歩道に戻る。
だが、雪がかなり積もっている状態なので、若干足をうもらせながら歩いて行った。
長靴をはいていたことと、パンツを長靴の中に入れていたことが幸いして、足が濡れて気持ちが悪くなるということはなかったが、やはり歩きにくい。
帰宅してから選挙速報までの時間、敢えて何も考えないようにした。
というより、ある程度自分の中で予想がついていたので結果は期待しないで構えていようと思ったのである。
しかし、新都知事の決まる時間は刻一刻と迫っていくのは感じずにはいられなかった。
そして夜8時、投票が締め切られる。
同時にNHKで流れた都知事選結果速報。
オープニングと共に流れたのは「桝添要一当選確実」。
私としては予想していた結果なので「やっぱり」という想いしかなかった。
投票0.1%の状態で1300票以上を集めた一方で他の候補者は多くても300票前後。
疑いもなく桝添新都知事誕生である。
桝添氏は政策を多く打ち出していたこと、知名度の高さが当選に繋がったのだろう。
今回の都知事選は多くの視点でそれぞれの候補者が政策を打ち出していた。
有権者が選んだ政策は景気対策が一番高かった。
しかし、争点の疑問視とされた原発こそ考える問題ではなかったのかと思う。
3.11の原発事故のことは風化されてしまったのか。
東京は原発被害地域ではなかったかもしれないが、原発事故は首都直下型、南海トラフが懸念されている以上、東京でも起こり得る問題なのだ。
日本人として考えなければならない問題より景気回復というのは、自分の命より、目の前の仕事やお金のように見えたのが私の感想である。
しかし、原発政策に目を向けた人は、この問題をきちんと直視していた人たちだろう。
原発政策を打ち出した中で1番支持を集めたのは細川氏だった。
だが、選挙活動期間の報道を見ていると原発政策については殆ど触れられていない。
というより、それ以前から気が付いたらテレビで原発報道が消えていたに近い状態だったのだ。
これはマスコミが原発について伝えるのを自粛、あるいは規制したからだろう。
もし原発問題をもっととりあげていたら、都知事選の結果はまた違っていたかもしれないだろう。
それでも桝添氏が都知事になることは決まった。
それはそれで受け止めて、いい方向に東京を動かしてくれるかどうかに掛けるしかないだろう。
それにしても今回は投票率が非常に低いのには驚かされた。
約46%の投票率という数字。史上ワースト3に入る。
半数以上の有権者が投票に行かなかったということになる。
前日の大雪があったから、多少は低いと思っていたがこれは酷い。
後期高齢者などの社会的弱者で、雪の中行くのが困難という人は事情的に仕方がないだろう。
しかし、「行くのが困難で行けなかった」のではなく、ただ「行かなかった」というのは矢張り東京の将来など考えていないのだろう。
「どうせ桝添でしょ」「別に支持する人もいないのに雪の中行くなんて面倒」
こんな声すら聞こえてきそうである。
どんな思いであれ、選挙権を放棄する若い人たちは、今の自分しか考えていないのだろう。
今しか考えず、将来を決めることに参加しない人には将来何かしらの形で自分に返ってくる。
どうせ期待できないと選挙に行かなかったことで、将来「こんなことになるなんて」と言ってももう遅い。
今回の都知事選から言わせてもらおう。
東京を作るのは都知事ではない、都民なのだ。
都民が東京の責任者を決めることで、東京の行く末が決まることをよく頭に入れておくことだ。
東京都知事選2014