コードギアス 平和のルルーシュ
R2一話のランペルージ兄弟に惚れて作りました!
1
「兄さーーんっ!」
女の子のような優しい笑みが、俺の教室を覗き込む。
その手には学生鞄とヘルメットをちゃっかり持っていて、「一緒に帰ろう」と言っているかのようだ。
「ルルーシュ、お前の姫君がお待ちかねだぞ」
リヴァルが茶化してくる。
「わかってる」
俺は立ち上がり、彼へと歩み寄った。
「ロロ」
呼びかけると、子犬のような笑みで弟は俺を見つめる。
「待ちきれなくて…。ゴメン、何かやってた?」
「丁度さっき用事は済んだよ。準備するから待っててくれるか?」
うん、と一層明るく微笑み、ロロは壁に寄り掛かる。それを尻目に俺は教室へと引き返した。
「ルルも大変だな」
クラスメイトの一人が話しかける。
「そんなことないさ。俺だって好きでやってるんだから。じゃあな!」
鞄をひっつかみ教室を出ると、ロロが退屈そうな表情で壁にもたれていた。
俺に気付いてないようだ。
「………」
そっと近づき、声をかけようとした時。
―――待てよ…。そうだ。
ちょっとした悪戯心が芽生えた。
後ろからその小さな頭を抱えるようにして視界をふさぐ。
「!?だっ、だれ!?」
ロロは頭をぶんぶん振って手を振りほどこうとするが、うまくいかない。さーて、どうしてやろうか。
暫時考えていると、シャーリーが現れた。
「……?ルル、なにやってるの?」
俺はため息を吐いた。これじゃあ折角の悪戯が台無しだ。
「えっ?兄さん?」
ロロもさすがに勘付く。
手をほどいてやると、ロロの澄んだ丸い瞳があらわになった。
怒るかと思ったが、むしろ嬉しそうにくすくすと笑っている。
「兄さんでも、こんなことするんだね。…子供みたいだったよ」
「そういうロロも、反応は小学生から変わってなかった」
「むっ…」
軽く頬を膨らませロロは「怒った顔」をするが、そのあどけなく優しい表情には威圧感など微塵もない。
その頭に手を置き、俺は笑う。
「よし、じゃ、帰るか」
「ふふ。うん!!」
2
「今日はへとへとだよ」
兄さんが本当に疲れた顔をして呟く。
原因は多分……、
「兄さん、またヴィレッタ先生と追いかけっこしてたの?」
窮屈だから、と言い兄さんはバイクに乗ってもヘルメットを付けない。同じように学校の授業も窮屈で退屈なんだと思う。
「追いかけっこってもんがあんなにハードなら、俺はもう二度と追いかけっこなんてしたくないし聞きたくもないよ」
「あはは。でもヴィレッタ先生もお仕事だから」
思わず返すと、兄さんは少し驚いたような顔をして僕を見た。
「……?なに、兄さん?」
「いーや。ただ、ロロにしては毒舌だなって」
「そ…う…?」
軽く笑う兄さんを、僕はついじっと見つめてしまった。
風になびく黒髪は、兄さん曰く『硬くて真っ直ぐ』らしい。兄さんは僕の髪を整えてくれた時、『柔らかくてくるくるしてる』と言ってた。
僕はまだ。まだ兄さんの髪を
「ロロッ!!前っ!!」
「え。…ッ!」
いつの間にか車道の白線の上を走っていたバイクに、対向車線からの車がぶつかりそうになっていた。
慌ててハンドルを切り、ぐらつく車体を立て直しながら下唇を軽くかみしめる。
「危ねぇだろーが!!ガキ!!」
車から顔がのぞき、罵声が浴びせられる。
ハンドルを握る手に力がこもる。
その時。
「車線ギリギリを走るあなた方もだいぶ危ないですがねっ!!」
兄さんが言い返したのだ。僕の心臓は高鳴った。もしここで、あの車の人たちが何か仕返しをしてきたら。
…いや違う。この高鳴りはきっと嬉しいんだ…。
幸い、奴らは何もせずに走り去っていった。
「……兄さん。ゴメン」
兄さんはクスッと笑い首を振る。
「ロロの脇見運転は慣れっこだよ。大丈夫、そんなにしょげるなよ」
「それから」
僕が続けると、兄さんは首を傾げた。
そこから先、僕は兄さんがどんな顔で、どんな仕草をしたか分からない。
なぜか妙に恥ずかしくて、脇見運転が出来なかったから。
「ありがと」
コードギアス 平和のルルーシュ
ロロとルルーシュの両方の視点で語ってみましたが、いかがだったでしょうか??
あんこにとって腐作品は2作目です(笑)
これからもどんどん公開していきたいので、もう恥は捨てます←
あんこはほぼほぼ腐作品しか書かないと思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m