鑑賞記録-TEAM HANDY ACTACTION vol.3「ツキシロノムコウ・流転」より
八幡山にあるワーサルシアターにて観劇。演劇企画集団THE・ガジラ主宰、鐘下辰男氏による脚本・演出作品。
些細な事情から端をはっして怨恨が怨恨を呼び醒まし、積もり積もって血で血をあらう災いだけがひた走る。“時代劇”という枠組みを利用した、十数メートル四方ほどの狭いアクト空間内で12人の大人たちが爆発的な殺陣を繰り広げる。2時間以上におよぶパフォーマンスは圧巻。切った切られたの応酬、床を転げ宙を舞い、唾を飛ばしながらと、まるでその切っ先が観客席にまで届いてきそうな熱量で魅せる。
近作として「青春の門~放浪篇~」が記憶に鮮明だが、あれは数十人の学生(20歳前後)が政治権力に反抗し舞台上で暴れまわるというものだった。今作同様、肉体をこれでもかと酷使しながらの作風であったのだが、しかし感受する印象は少し違う。ある程度の経験を積み、洗礼を受けてきたどっしり構えた大人たちに比べ、学生らはまるで背水の陣。殺陣においても年齢に準じてこれほど差が生じるものかと驚いた。人間・身体への興味は尽きない。
鑑賞記録-TEAM HANDY ACTACTION vol.3「ツキシロノムコウ・流転」より