Wind ~風は未来を運んでく~

季節の始まりを描きます

昨日　君が見せたあの光は
夜空の遠くに消えたよ
見上げれば　届きそうで
余計　空しくなるけど

溶け出した氷の固まりが
大地の温もり感じている
新芽が次のリングに上がる
その時が　やって来た

別れがあるから　きっと出会いもあるんだな
恐れるな　若者よって
背中を押してくれる

それは新しい季節の始まり
見慣れない街に　真白な地図
はためかせて　走っていこう
種をまき散らし　胸を膨らませ
遠くに近くに　風は運んでいく

季節外れな夕立に
降（う）たれ　潤った大地に
ほら　ごらん　逞しく育った
色とりどりな　彼らを

根を張る　緑（あおい）草
赤い花に　黄色い空
淡くて　清らかな
香りを運ぶよ

目の前を横切る　長い黒髪の女だ
仕組まれた　罠かな
でも　胸は踊るよ

それは新しい恋の始まり
戯ける僕を　君は笑う
その笑顔は　素敵だ
夕日に照らされ　赤く染められ
風が甘い予感　連れてく

初めて競った100M（メートル）走
無我夢中で駆け抜けたっけな
なんども転んで　膝を擦りむいて
足が竦んだら
思いっきり深呼吸して
目を閉じたら巻き起こる
あの興奮と情熱を　風を感じた喜びを

空を鮮やかに　大海原渡り
大地を駆けて　山谷越え
今日の香り　連れてく
ビルの谷間抜け　カーテンたなびかせ
髪を撫でて　頬をくすぐる

それは新しい　季節の始まり
見慣れない街に真白な地図
はためかせて　走っていこう
種を撒き散らし　胸を膨らませ
遠くに　近くに　風は運んでくる

僕らの背中未来へ　と運んでいく
風　風　風