イダテン同盟11

イダテン同盟11

 イダテン同盟のメンバーはいつもカイトの家に集まって面白おかしく駄弁っている。以前みたいに不良グループからカオルを守ったり、ネット問題を解決することは稀で、普段はパトロールという名の散歩に出かけ、町の落書きを消したり、ゴミ拾いをしたりそういう簡単なことからしている。

 フレンドのふりをして嫌がらせをしてくる友達がよくいる。フレンドのふりをしたエネミーと言うことで「フレネミー」とよばれているらしく、そういう友達がいるグループは陰気である。

 さっき面白おかしく駄弁っていると言ったが、その内容は社会悪を無くす事について話していると言った方がいいかもしれない。

 傍から見ると、正義、正義とうぬぼれてカッコ悪いと思われるかもしれない。しかしフレネミーがいるグループより、笑顔が飛び交い落書き消しやゴミ拾いをしているグループの方が日々正義感を鍛えていることになる。

 「じゃあ、パトロールという名の散歩に出かけてきます」
アキヒトは、そういって、いつもどうり3時間のゴミ拾い&落書き消しボランティアしにいくことになった。

 もちろんカオルに見習った靴の中に1000円作戦もしているし、何かのために人命救助用のマウスピース、さらに血糊まで所持している。
 財布の中にはお金の代わりに重りと、「残念!あなたはスリの失敗者です」とかかれた紙が入っている。

 歩いてしばらくだった。やせ細っているのに変な風にカッコつけた男が女子高生に話しかけている。
「キミ!俺たちとちょっとおもしろいことやんない?そうそう、Sってブツ知ってるか?あれを吸うと体が軽くなって徹夜しても平気な痩せ薬・・・」

 最後までアキヒトは聞いていなかったが、これは間違えなく覚せい剤の事だろうと思った。たまたま駅の近くだったのでソフトクリームを買った。そして、もときたほうへもどる。
「おい、少し黙れ!いいだろ一回ぐらいやったってすぐにやめられるぜ」
「やめてください!そういうのは体がボロボロになるので私絶対やりません」
「たった一回でいんだ、今日はタダで持ってってい・・・(ベチョッ・・・!!)」
アキヒトがさっき買ったソフトクリームがそいつの顔面に直撃した。そいつは無言のまま突っ立っていて、溶け出したソフトクリームが首のほうまで垂れている。
「あっ!ごめんなさいね、でもあんたが悪いんだからクリーニング代は払いませんよ」

そういって、女子高生を非難させそいつは警察のお世話になった。

イダテン同盟11

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  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-02-04

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