イダテン同盟10
イダテン同盟10
薬物乱用防止標語
アキヒトは、気軽にこれに応募してみた。それは
薬物で 埋め尽くされた 青春を 俺たち5人が ぶっ潰します
と言う物だった。時は一週間前にさかのぼる。
「合法ハーブ?クソみてぇな名前のやつがあるんだな」
「おい、アキヒト。ニュース見ながらゴチャゴチャ言うのやめてくれねぇかな」
カイトがいった。
「だってよ、名前からしておかしいだろ?第一、合法ってことは法律にふれないんだ。麻薬ならもっとそれっぽい名前にするべきだ」
「例えば?」
「まあ、(みんなでぶっ潰そうぜハーブ)」
「いや、そっちのほうが可笑しいだろw」
「そんなことないだろ、合法をつけるならなんにだって言えるんだ。合法バナナ、合法ミカン、合法水、合法味噌汁、合法カイト君」
「最後の合法カイト君はいらないんじゃ・・・」
「だったら、みんなでぶっ潰そうぜハーブ、の方がいいんじゃねーか?」
「まあ、でも名前が長いでしょ?」
「じゃあ、略して、みん・・・ぶっ潰・・・ハーブ・・・ミンブツハーブはどうだ?」
「まあ、なんともいえねぇ」
前々から麻薬撲滅に興味があったイダテン同盟のみんなは薬物乱用防止標語に自分たちの作品を出してみた。
採用されなかった。アキヒトの(ぶっ潰す)と言う言葉はただ、ふざけて言っているわけではない。本気でぶっ潰したいと思っているのだ。
「アーッ早く麻薬をぶっ潰してぇな。世の中の人がみんな麻薬は恐ろしいって言っても俺はそう思わない。変な意味でじゃねーよ。だってさあ、薬物依存になったひとは凄く苦しい思いをするし、独りの力じゃ絶対に抜け出すことはできねぇ。・・・でもなぁ
見つけたら足で踏み潰せばいいだろ、今までの人間は麻薬に依存して苦しむだけだった。でもこれからは、俺たちが麻薬に復讐するべきじゃないか?
これからみんなでぶっ潰しちゃおうよ、
薬物で 埋め尽くされた 青春を 俺たち5人が ぶっ潰します
アキヒトは、今日も「薬物男」と学校で罵られてもぶっ潰すのは薬物乱用者という(人)ではなく麻薬そのものだと、考えている。
イダテン同盟10