マイ・ルーム

初投稿です!!

まったく。どれもこれもあいつのせいだ。
あいつのおかげで、俺はこんなにも悩まされている。

冷たい青空が広がる、下校途中の午後三時。明日の短縮授業に備え、抑えきれない喜びでニヤつきながら歩いているところだろう。放課後に何をするか考えるのは火曜日恒例のお楽しみだ。(俺だけか......?)
でも、今日はまだ学校にいたかった。休み時間以外は暖房がつく、あの五年二組の教室に。先生達は、この突き刺すような寒さの中にかわいい教え子を放り込み「ショクインカイギ」の名の下で温かいコーヒーでも飲んでいるに違いない。
十一月は、子供の敵だ。
母さんは節電節電と言って、あと一ヶ月は寒さ我慢大会を続けるだろう。ちなみに母さんは呪文、「宿題終わったの」も得意だ。大人はずるい。
そんないつものやり取りを想像するだけで、俺の心はしょんぼりしてくる。寒いから尚更だ。
まだ後十分も歩かなくては家は見えてこない。いっそ家が俺を迎えに来てくれればいいのになぁ......なんて、家に足が生えて「フウタくーん!」と俺の名前を呼びながらこちらへ向かって来るのを想像してみた。案外くすりときた。
ほっぺたをなでる北風に、お前は宿題が無くていいよな、とひがんでみる。
もちろん、心の中だけで。

マイ・ルーム

マイ・ルーム

小学生、やるときはやる教師、節約母さん、親友、片思いの相手、ユウレイ...!? 個性的なメンバーの間に起こった、ハプニングをひとつ。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-25

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