真実の少女と偽りの少年[カノキド]

真実の少女と偽りの少年[カノキド]

「なぁ、カノ…。なんで泣いてるんだ…?」

初めまして。雪乃と申します!
今回初のシリアス(微恋愛)です!シリアスは好きですが、よく分かりませんのでちょっと可笑しくなるかも知れませんが……。あまり気にしないで下さい。

カゲプロに登場する、鹿野修哉(カノ)と木戸つぼみ(キド)の話になります。
カゲプロを理解していない方は、読むのをお控えください。
なんでもありな方は、最後まで読んでみてくださいね!

真実と偽り

ーーーキド視点ーーー

ガチャ………


「あれ、団長さん…?」

突然扉が開いたと思ったら、あの人気アイドルが目を擦りながら俺の名前を呼んだ。

「おう。キサラギが…、どうした?まだ朝じゃないぞ?」

「え…えぇ、分かってますけど…。団長は何を…?」

如月モモ団員No.5。
キサラギは首を傾げながら、俺が座っていたソファーの向かい側に座った。
少し寒かったらしく、上着を着た……が、なにより俺の目を奪ったのは、上着に書いてある『鎖国』という字だ。
相変わらず、こいつの趣味はどうかしている…。なんて思っているが敢えて口には出さない。
いろいろと面倒な事になるからな…。

「あぁ、俺か?俺はだなぁ…ちょっと任務の事を考えてたんだ。お陰でこんな時間になっちまったんだけどな。」

なんて、彼奴みたいに少し嘘をついてみた。

「…………団長さん…?」

少し鈍い顔をしたキサラギ。
ちっ………。やっぱり彼奴みたいに嘘をつくのは苦手だ。

「ははっ、半分嘘で半分本当だ。」

クスリ…と微笑するとキサラギが普段と変わらぬ表情に戻った。

「嘘って……カノさんじゃないんですから、やめて下さいよ~!」

はははっ!と笑顔を溢したキサラギ。
そして、苦笑する俺。
不快だ。
どうして、こういう気分の時に彼奴(カノ)の名前が出てくる。
今、一番聞きたくない彼奴の名前。

「団長さん?本当に大丈夫ですか?何か、考え事してたんじゃないんですか…?カノさんとかの………」

ギクッ…と思い、肩がピクッと反応する。
図星ですね…。なんてキサラギは小声で呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。

「あぁ、お前はどうして…こう。何でも分かるんだ………。セトじゃあるまいし、目を盗む能力も持っているんじゃ……」

俺が、警戒心と遊び心を持ち、口に出すとキサラギは凄く慌てた。
ふっ………。相変わらず面白い奴だ。

「そ、そんなことよりっ!団長さん、カノさんと何かあったんですか?」

……………。
はぁ、やっぱりそれ…くるのか。

「ん、あ?あぁ…、昔の彼奴を思い出しただけ…さ。」

「え!昔のカノさんですかっ!気になりますっ!!」

キサラギは机を乗り出し、輝かせた目で俺の目をジッと見た。
コイツ………。カノの事を知りたいとか、好いているのか…?

「え、あ……あぁ。そうだなぁ…今彼奴は寝てるし、少しぐらいは良いか。」
キサラギは笑顔のまま、元の位置に戻った。
ふぅ……と一呼吸おき、俺は口を開いた。

「アレは…確かな、俺達がまだ10歳の時だったな…………」


--------過去---------(木戸視点)

はあぁ………。
私は、溜め息をついた。

「………もうっ!!」

バンッ!…と、静寂の中に鳴り響く物音。
自分の真っ赤なランドセルが、地面に叩きつかれた。

「ランドセルも真っ赤!私の…目、も……真っ赤っ…!!」

私の額には、生温い感じの液がつたう。
うずくまった私は、ただただ涙を流す事しか出来なかった。

コンコン……

「つぼみちゃ………。えっ…?」

突然、私の部屋に入ってきた少年。
鹿野修哉。

「つぼみちゃん…?」

キョロキョロと辺りを見回している。
まぁ、そうだろう。私はこの部屋には居るが、変な能力のせいで透明人間になっているのだから。
誰も私を見つける事は出来ない。

「あ!…つぼみちゃんっ…!!見っけた………って、どうしたのっ…!?」

私の額にそっと…修哉の手が触れた。
ポケットの中から、水色のハンカチが出てきて、私の流した涙を拭き取った。
「つぼみちゃん?どうしたの…?何かされたの?」

私の顔を覗き込んできた。
咄嗟に腕で自分の泣き顔を隠した。

「つぼみ、ちゃん…?」

煩いっ……。

「……ね、ねぇ?」

ほっといてよっ……。

「つぼ…((バシンッ……った……」

私は思いきり、修哉の頬を叩いた。
修哉は赤くなった頬を手で擦った。少し強く叩き過ぎた…と思ったけど、そのまま目を逸らした。

「つ、つぼみちゃん…!いきなり何するのっ…?」

怒りを抑えているのだろう。
プルプル…と小刻みに震えているのだから。

「し、修哉……は…いつもいつも、ヘラヘラしててっ…。友達も、沢山…いるしっ…仲間も……いるし…!」

泣いているせいで、上手く喋れない。

「それなのにっ……」

グッ…と唇を噛み殺し、言葉を吐き出した。

「私の気持ちも知らないくせに……お節介みたいな事しないでよっ!修哉だって私なんかといるより、他のちゃんとした女の子の方が良いんでしょっ!!ど、どっか行ってよ!!」

私は、修哉の胸元を叩き、急いで自分の部屋から出た。

つぼみちゃんっ…!……なんて、走ってる途中、幸助君の声が聞こえたのは、気のせいだろう…。


ーーー鹿野視点ーーー

「ど、どっか行ってよ!!」

僕は、つぼみちゃんに押され、そのまま後ろに倒れた。
つぼみちゃんは部屋から出て、何処かへ走って行った。

「………」

どうしよう……。

「………」

どうすれば……。

「…ぐっ……!」

言葉を押し殺していると、突然涙が溢れ出してきた。
あぁ、やっぱり僕は…駄目なんだ。
だから母さんの事も…助けることが出来なかったんだ。

つぼみちゃん……。ごめんね?
本当に、ごめんなさい…。

ドタドタドタ…バタンッ!!
「しゅ、修哉君っ!!」

凄い勢いで幸助君が、つぼみちゃんの部屋に入ってきた。
僕は咄嗟に偽りの自分を出した。

「え、えっと…こ、幸助君…?どう…したのっ…?」

ヘラァ~…とした表情を出して、僕は幸助君を見つめた。
本当は、涙を拭ってんだけどね。

「つ、つぼみちゃんがっ!泣いてたんだけど…。修哉君、何か知らない??」

「え、へ…へぇ…?知らない…けど…。」

曖昧な答えをしてしまった。
バレるよね。でも…幸助君は単純だから。多分大丈夫。

「そ、そうなのっ…?あ、文乃お姉ちゃんっ!!つぼみちゃんが…………」

どうしよう。凄い嘘…ついちゃったな。
ごめん…幸助君。つぼみちゃん…。本当にごめんねっ…。
僕はソッ…と立ち上がり、つぼみちゃんを探す事にした。

「修哉君…?」

「あ、文乃お姉ちゃん。ちょっとつぼみちゃん…探しに行ってくるね?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーー瀬戸視点ーーー

本当は知ってる。修哉君が…嘘をついている事も知ってる。
つぼみちゃんの、涙の理由も…。全部知ってる。

目を…盗む事が出来る。僕は…何でも、知る事が出来る。
そのせいで友達なんか出来なかった。
でも、つぼみちゃんと修哉君は違った。あの二人も同じ様な力を持ってて、同じ様な体質をしていたから……。
僕の事をきちんと理解し、友達になってくれた。
……………だけど。

修哉君はどうしてこんな時に嘘をつくのだろう?
つぼみちゃんが泣いて、何処かへ居なくなってしまったっていうのに…。

どうして…?

僕じゃ、修哉君達の力にはなれないから…?僕なんかがいると…邪魔なのかな…?

そ、うなのかもしれないね。
そうだよね。

うん。
そうそう。

「幸助君。大丈夫…?」

「えっ…!?あぁっ!う…うん、大丈夫だよ…!」

僕は、修哉君みたい嘘の笑顔をアヤノお姉ちゃんに見せた。
アヤノお姉ちゃんは少し違和感を持った表情をして、「そっか、」と言い、リビングの方へと向かった。


「つぼみちゃん、修哉君。」

目の奥が熱くなった。
能力を発動している訳では無い。

ただただ、悔しかった。

僕の頬に流れる生温い液は、床にポタポタ…と落ちていき、僕はその液を止める事は出来なかった。



ーーー木戸視点ーーー


「さ、寒い………。」

今の季節、上着一枚だけじゃ薄ら寒い。
プルプル、と震える私の体は何処へ行くのかは知らないが、とりあえず足を前に出している。

「うっ……うぅっ…!!あぁ、アヤ…ノ……お姉ちゃ……んっ…!」

ボロボロと目から涙が零れ、その場にしゃがみこんだ。
ここは、何処か知らない河川敷。
人があまり通らないので、泣きじゃくる私を見つける人などいない。

そう。アヤノお姉ちゃん、幸助君。
そして修哉ですらきっと分からないだろう。



「帰りたいっ……!」



ーーー鹿野視点ーーー

つぼみちゃん、何処行ったの?
僕があんな事言わなければ良かったのに。

後々後悔をする僕。

どうしようっ……。

このままつぼみちゃんが一生帰って来なかったら、僕はどんなに攻められるだろうか。
僕はどんなに……後悔を受けるのだろうか。


それは、僕にとっても嫌だ。

つぼみちゃんにとっても嫌だ。

探さなきゃ。探さなきゃ探さなきゃ!!
僕がつぼみちゃんを探さなきゃ!

目の前の青信号が、点滅し出した。僕は咄嗟に走り、歩道を渡ろうとした。


「………_______!?」


突然。僕の着ていたパーカーのフードが、グイッ…と引っ張られた。

その途端、僕の目の前には大きなトラックが物凄い勢いで走り去っていった。

ドクンドクン、と僕の心臓が跳ね上がる様に動く。

恐る恐る後ろを向くと、白いパーカーを着た、見覚えのある少年がいた。

「こ…すけ、君…?」


はぁっ…はぁっ………と息をあげた幸助君は、キッとした表情で僕を見た。
そして拳を挙げた。

僕は何か反応した様で、目を瞑った。


「_______!!」

目を開くと、泣きじゃくる幸助君がいた。
僕は、恐る恐る声を掛けてみた。

「どっ……どうして、ここにっ__((「しゅっ……修哉君のばっ、馬鹿ぁっ…!!!」________!」

涙で顔がグチャグチャになる幸助君は、僕の頬を叩いた。

痛くはない。でも痛い、


「どうして、一人で何でもやろうとするのっ!?今さっきだって、僕が此処で……助けなかったら、修哉君。死んじゃってたかもしれないんだよっ!!?…僕なんか、使えないし役に立たないけどさっ……。少しは頼ってよっ!!ぼ、僕だって…修哉君の友達なんだからさっ…!!」

僕の額に生温い液がつたった。
幸助君の言葉に、僕は凄く悲しくて辛くて、そして悔しくて……。

「ごめっ……ご、めんっ………ねっ…!!」

僕は泣いた。
道端で小学生が二人泣いているのを見た他人は警察等を呼んでいたが、今はそれ所では無い。
幸助君の優しく、そして強い言葉。
いなくなったつぼみちゃんを探さなくてはいけない。
僕はまだやらなければいけない。
僕は…幸助君とつぼみちゃんを探さなくてはいけない。

僕は幸助君の腕を掴み、勢いよくその場から離れた。
途中、待ちなさい!!…と言う声が聞こえた気がしたが、僕と幸助君は止まることなく走り続けた。


ーーー瀬戸視点ーーー

ザワザワ……

人が沢山集まってきた。
そりゃそうだ。小学生が二人、こんな一通りが多い道端で泣き叫んでいるのだから。
僕は、修哉君の反応よりもこの人間達が凄く怖かった。足がすくんで上手く立てなくなってきた。
「ぁ……。あぁっ……!…」
僕が膝をガクガク震わせていると、グィッ……と、隣から腕を引っ張られた。
引っ張られている腕の先を見ると、修哉君がその場から離れようと、物凄い勢いで僕を連れて走っていた。

僕は、泣きながらも思いきり走った。
修哉君には、こんな時にでも迷惑掛けちゃったな…。
少し俯きつつ、路地裏へと走って逃げた。

「はぁっ、はぁっ………。ご、ごめんね?いきなり腕を掴んだりして…」

息をあげながらも、ニコニコと微笑む修哉君。

「あぁぁっ、い…いやっ!だ、いじょ…ぶっ…!!」

僕も同じく、息をあげてはいたが早く修哉君に返答をしなければ!…と、思い、ついつい口走ってしまった。
それを見た修哉君は、クスクスと笑い出した。
あははっ、やっぱり僕って…何も出来ないし、何も伝えられないし、役に立てないし…………。

「幸助君。」

パッと顔を上げると、修哉君が手を差し延べていた。
「つぼみちゃん。探そっ?幸助君の力…借りたいんだ!」

続く。

真実の少女と偽りの少年[カノキド]

途中、カノキドじゃなくて…セトカノ書いてる気分で凄く焦った……。
そ・し・て。
字数がアレで、変な所で続いてしまった………!!
申し訳ありませんんんっ!!!そもそも、何がしたい小説なんでしょうねっ!これは!!もう、自分でもよくわかりませんwwwww

あ、はい。どうでもいい雑談は置いといて。
今回もこんな小説読んで下さりありがとうございました!!
続く………のかな?、続きは多分書きます。気力と体力と精神が余っていればですがね(笑)
はいっ!ではでは、そろそろ終わりにしたいと思いますっ!閲覧ありがとうございました!!!

【追記】
Twitterやってます(*´∀`*)
[@yukino_usm]です。鍵垢ですが、フォロリク下されば受け付けますよ♪あ、出来れば一言掛けてほしいなっ、なんて、((ごめんなさい黙ります。調子に乗りました。


じゃっ、じゃあっ!また次の次の日に会いましょう~!(笑)

真実の少女と偽りの少年[カノキド]

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-25

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work